緩和ケア第7回【倫理について】

Ns具志堅

こんにちは。がん看護専門看護師の具志堅です。

今回は、倫理についてお話ししていきます。

 

倫理とは

倫理とは、「何らかの価値判断を含む行為の規範である」と定義されています。

 

 

こんな時どうしますか?

道を歩いていると、血を流した人が倒れていました。その人の近くには、あなたしかいません。

 

  1. すぐに駆けつけて救護する
  2. ひとまず119番に通報する
  3. 一人では、どうしたらいいのか分からないので、誰かが通りかかるのを待つ
  4. 怖いので見なかったことにして通り過ぎる

 

Ns具志堅

どれを選択しても、間違いも正解もありません。

私たちは、道徳の中で「命は大切なもの」という価値観を学んでいるため、それを持ってどう行動するかという上記のような場面で倫理観が働きます。

では、倫理とは具体的にどんなものか、学んでいきましょう。

 

道徳と倫理観の関係

 

Ns具志堅

道徳はあくまでも人間の行動の規範なので、朝起きて顔を洗って、ご飯を食べるなどの生活動作を指します。私たちが看護師として学んでいかなくてはいけないことは、倫理になります。

 

医療従事者の倫理

では、医療現場での倫理について考えていきましょう。

 

 

Ns具志堅

他職種が関わる時に、それぞれの医療者の倫理観や価値観がズレる事がよくあります。

その時に対立をするのではなく、対話をしていきながら折り合いをつける看護が必要になってきます。

 

看護師の倫理規定

 

 

臨床で多い倫理的問題

臨床では、さまざまなジレンマに直面し、自身の倫理観を問われる場面が多々あります。

 

看護師が直面するジレンマ
  • 家族の意向で患者には告知をしない
  • 治療方針の選択(積極的治療or緩和ケア)
  • 療養先の選択(在宅or病院or施設)
  • 患者にとって不利益となる治療拒否
  • 患者によるベッドからの転落や自己抜去を防ぐための抑制
  • 患者に対するスタッフの不適切な言動等

 

どんな場面で倫理的問題を感じることが多いか?

どんな場面で倫理的問題を感じるのかを研究したデータを見てみましょう。

 

 

Ns具志堅

悩むことが多いのは、自分の能力以上のことを求められることや、医師の判断が患者さんにとって最善でない時が多いことが、この研究から分かりますね。

 

倫理的問題を感じた時の対応

では、倫理的問題に直面した際に、どのような対応をとったら良いのでしょうか?

先程の研究で、倫理的問題に直面した時にどのように対応しているかのデータを見てみましょう。

 

Ns具志堅

一人で考えたり、文献で考えることには限界があるので、誰かに相談しながら対応すると良いと思います!

 

倫理の原則

この倫理の原則は、倫理判断における基準であり、ルールとなるので必ず覚えておきましょう

 

倫理の原則
  • 自立尊重の原則
  • 善行の原則
  • 無害の原則
  • 正義の原則
  • 誠実の原則
  • 忠誠の原則

 

jonsen4分割表

倫理的問題をを考える時に、このjonsen4分割表を活用すると思考の整理ができます。

 

 

Ns具志堅

医学的適応、患者の意向、周囲の状況、QOLの順番で埋めていき、患者さんの現状や課題を明確にしていきましょう。

カンファレンスなどでも、ぜひ活用すると良いと思います。

 

 

Ns具志堅

jonsen4分割表のそれぞれの項目は、倫理原則の基づいています。

 

倫理的問題の介入方法の事例

実際に、事例を通して倫理的問題について考えてみましょう。

 

 

その際の看護記録

膵臓がん末期、肺転移による呼吸困難感、喘鳴、咳嗽が出現し体動困難へ。酸素吸入中であるが、起坐位で経過し食事摂取も困難なため持続点滴を行なっている。

意識は朦朧だが声かけに反応あり。理解力の低下はない。呼吸困難感がQOLを低下させている。

家族はモルヒネの必要性を理解していたが、呼びかけに反応する程度の意識を残して欲しいと希望された。

 

Ns具志堅

では、何が問題なのでしょうか?

jonsen4分割表で情報を整理してみましょう。

 

 

Ns具志堅

明らかに患者さんの思いが足りていないことが分かりますね。

 

倫理的問題の介入
  • 患者の意向が明らかにされていない
  • モルヒネの使用について、十分なインフォームドコンセントを本人に行なっていたかが不明な状態
  • 患者は自身が終末期であることを理解していたか
  • 自身が知らないまま、モルヒネをしようすることは、死への恐怖を与える

インフォームドコンセントが大切!

 

事例の倫理的問題に対する介入方法

 

 

Ns具志堅

インフォームドコンセント(説明と同意)を意識しながら、患者さんにとって何が最善かを模索していきましょう。

また、看護師にはアドボカシーになる役割があります。伝えるときは、本人の言葉をそのまま使い、看護師の主観やフィルターがかからないように注意しましょう。

 

まとめ

では、今回の講義のまとめです。

 

まとめ
  • 倫理とは、何らかの価値判断を含む行為の規範である
  • 倫理的問題に直面したときは、周囲に相談することが重要
  • 倫理の原則6つを覚える
  • 倫理的問題を考えるとときに「jonsen4分割表」を活用する

 

動画で勉強する

 

Ns具志堅

最後までご購読いただき、ありがとうございます!

また次回の講義をお楽しみに!

 

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