
目次
症状マネジメントとは
症状マネジメントの目標について、まずは復習していきましょう。

症状マネジメントの主体は、その症状を体験している患者さん本人であることを必ず忘れないようにしましょう!
緩和ケアは早めに介入したほうが良いと言われていますが、緩和ケアチームと治療チームの価値観や目標が異なるため、導入開始が難しいことが多いです。

終末期じゃないと緩和ケアをしないというわけではないので、「家族支援が必要なんです」と言って介入させてもらうことがよくあります。
症状アセスメントについて
がん末期においては、時間単位で状態変化の可能性があるため、予測的なアセスメントや早期な対応が必要になってきます。がんの部位によって、予想される症状は異なるため、下記を頭に入れておきましょう。

今後の予測を家族に伝えることで、家族の不安の緩和、オンコールするタイミングについての家族指導等の関わりを行うことができることもあります。
症状マネジメントで使うことのできる理論 IASM

症状、機能、QOL、セルフケア能力の評価を行い、客観的な評価を言語化してフォードバックしながら、共に目標設定していく関わりが必要です。
疼痛について

人それぞれ痛みに対する表現が異なり、地域差もあることを前提においておきましょう。
がん性疼痛と他の痛みの違いとして、他の痛みは時間がたてば消えていくことが多いですが、がんの痛みは、増強しながら続いていく痛みが特徴です。
がんの痛みの原因

がんそのものによる痛みだけでなく、治療による痛みの場合も多くあります。
がんからの痛みと先入観を持たずに、いつから痛いか、どこが痛いか、どんな痛みかを確認していきましょう。
痛みの機序
痛みの機序により、使用する薬剤が異なるため鑑別は大切です。
痛みの部位と性質
それぞれ痛みの部位により、痛みの性質が異なります。

肝メタの場合は、伸展痛で背部が痛くなることが多いので覚えておくと良いかもしれません。
腹部側だけでなく、背部側にも注意してみていきましょう。
痛みによる悪影響

痛みによる身体的な影響だけでなく、心理的な側面も考慮しておきましょう。
精神疾患の既往で神経障害性疼痛がある場合、メンタル的な薬を使うことで身体的な苦痛と心理的な負担の緩和を検討しても良いかもしれません。
痛みの評価
痛みの評価では、下記を確認していきましょう。
- どこが、どんな風に痛むか
- 部位と痛みの特質を確認する
- いつからそこが痛むか
- 新しく出現した症状は、新しい病変や合併症の出現の可能性を考える
- がん患者の痛みは、すべてがんによる痛みとは限らないので注意する
また、先ほども話したように痛みの表現は、人それぞれであり、地域性もあります。

痛みに慣れて、医療者に正確な痛みの状況を伝えらえないこともあります。WHOの目標に沿って、第一に睡眠状況を確認すると良いかもしれません。
その人の性格や経過を見ながら、アセスメントしていきましょう。
痛みの性状とパターン

一番の理想は、ベースのオピオイドでコントロールし、ほとんど痛みのない左上が良いですが、薬を増やしたくないという方もいらっしゃいます。
疼痛の状況を適切にアセスメントし、家族や本人の想いに耳を傾けながら目標設定していきましょう。
WHOのがん疼痛ガイドライン
WHOが定めるがん治療の目標について、まずは見ていきましょう。

痛みの緩和よりも、痛み止めの副作用の方が辛いという方もいらっしゃいます。
一番最初に、本人が何に苦痛を感じているのかを確認し、その緩和に努めることでQOL向上につながると思います。
鎮痛薬の使用方法について
WHO方式がん疼痛治療法における「鎮痛薬の使用方法」は、治療にあたって守るべき「鎮痛薬使用の5原則」と痛みの強さによる鎮痛薬の選択ならびに鎮痛薬の段階的な使用方法を示した「3段階除痛ラダー」から成り立っています。
- 経口投与が基本(安全と負担の軽減)
- 時間を決めて規則正しく(血中濃度を維持)
- ラダーに沿って効力の順番に(安全の確保)
- 患者ごとの個別容量(量は個人差がある)
- その上で細かい配慮を(副作用対策と説明)

痛みが徐々に増強する場合は、段階的に対応するので良いですが、痛みが放置されていた場合や、痛みが急激に強くなった場合は、「エレベーター方式」で強オピオイドを使用した方が、ご本人のQOLにアプローチできることが多いです。
オピオイドについて
オピオイドと聞くと、麻薬というイメージが先走り誤解を生むことが多々あります。

相手の不安を聞いていきながら、中毒にはならないこと、死を早めるものではないことを、丁寧に説明していく必要があります。
オピオイドの選択

症状や病態に合わせて、適切なオピオイドを選択していきましょう!
不安の定義
癌患者の半数が精神的な問題を抱えており、4割に不安や鬱があると言われています。
不安と心配は同じでは、ありません。

不安は、対象のない漠然とした恐怖を指します。対象のない不安なのか、対象のある恐怖なのかを、まずはアセスメントしましょう。
終末期のQOLについて

まずは、疼痛の緩和をして本人が落ち着いて話せる環境を整えていきましょう。
疼痛が落ち着いたタイミングで予測できる症状を少しずつ本人や家族に伝えていきながら、本人の希望にどうしたら近づくことができるかを一緒に考えていけると良いと思います。
まとめ
では、今回の講義のまとめです。
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- 症状マネジメントの目標は、「その患者の体験している症状を緩和し、患者にとって良いQOLの状態を保つようにすること」である。主体は患者自身であることを忘れない
- IASMという症状マネジメントで使うことのできる理論がある
- がんの痛みは、人によって表現の仕方が異なる
- 痛みの要因に対し、がんが要因であるという先入観を持たずに多角的に評価する
- 疼痛緩和だけでなく、本人が何に一番苦痛を感じているのかを確認し、その緩和に努めることでQOL向上につながる
- 不安は対象のない漠然とした恐怖である
- 何よりも疼痛の緩和を優先して環境を調整する
動画で勉強する

最後までご覧いただき、ありがとうございました!
次回は、精神的ケアについてお話していきます。お楽しみに!











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こんにちは。がん看護専門看護師の具志堅です。
今回は、症状マネジメントの基礎についてお話していきます。