訪問看護の運営における休日と休暇とは?

これまで労働関連法で定められた労働のルールをご紹介してきました。

今回は、「休日」と「休暇」について詳しく解説していきます。

この記事を参考に休日と休暇のルールを十分に理解し、訪問看護事業の運営にお役立てください。

 

この記事でわかること

休日と休暇の違い

休日とは?

  • 法定休日
  • 所定休日

休暇とは?

  • 法定休暇
  • 任意(特別)休暇

振替休日と代休の違いは?

訪問看護でのオンコールは時間外労働になる?

訪問看護での非営業日の訪問は時間外労働になる?

休日と休暇の違い

「休日」と「休暇」という言葉は聞いたことがあると思います。

どちらも同じように「休み」ではありますが、実はそれぞれ別のものです。

休暇と休日には、以下のような違いがあります。

 

休暇:労働者が労働する義務がある日に、会社がその労働義務を免除すること。

休日:労働者が労働義務を負わない日のこと。

 

つまり、「休暇」は本来働くことになっている日を休みとしたものであり、「休日」はそもそも休みの日のことを指すのです。

 

休日とは?

では、労働法における休日とは具体的にどのようなルールが定められているのでしょうか。

 

法定休日

 

訪問看護の運営における労働時間とは?」の記事でもご紹介しておりますが、労働時間の限度は、原則として1週40時間以内かつ、1日8時間以内とし、休日を1週に1日以上与えることとしています。(労働基準法第32、35条)

この休日のことを「法定休日」と呼びます

 

所定休日

 

「法定休日」は労働基準法で定められた休日ですが、会社が就業規則等により定めた休日を「所定休日」と呼びます。

「所定休日」は、「法定休日」の日数を下回ることはできませんが、「法定日数」以上であれば任意に定めることができます。

週休2日や、月休9日など、会社によってさまざまです。

「法定休日」、「所定休日」どちらの場合も、原則として休日には労働者は働く義務がありません

 

休暇とは?

 

休暇とは、労働者が労働する義務がある日に、会社がその労働義務を免除することをいいます。

休暇には、法律上一定の要件を満たす場合、必ず付与する必要がある「法定休暇」と、就業規則等に基づいて任意付与する「任意(特別)休暇」があります。

 

法定休暇

法定休暇は、法律上設けられた休暇のことをいいます。

法定休暇には、以下のような種類があります。

 

  • 年次有給休暇
  • 産前休業と産後休業
  • 生理休暇
  • 育児休業
  • 子どもの看護休暇
  • 介護休暇
  • 介護休業

 

年次有給休暇については、次の記事「訪問看護の運営における年次有給休暇とは?」で詳しく解説しています。

 

任意(特別)休暇

任意休暇は、会社が独自に設ける休暇のことを指し、法定外休暇や特別休暇ともいいます。

任意休暇には、以下のような種類があります。

 

  • 慶弔休暇
  • 夏季休暇、冬季休暇
  • リフレッシュ休暇
  • 転勤時休暇および異動休暇
  • 誕生日休暇
  • アニバーサリー休暇
  • ボランティア休暇
  • 病気休暇
  • 教育訓練休暇
  • 裁判員休暇

 

各任意休暇については、厚生労働省のホームページ内「代表的な特別な休暇制度の例」も参考にしてください。

 

振替休日と代休の違いは?

「振替休日」とは、もともと休日と定められていた日を労働日とするかわりに、他の労働日を休日とすることをいいます。

これにより、もともと休日と定められた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となります。

従って、もともとの休日に労働させた日については「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません

一方、いわゆる「代休」とは、休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするものをいい、前もって休日を振り替えたことにはなりません。

従って、代休の場合には休日労働分の割増賃金を支払う必要があります

 

訪問看護でのオンコールは時間外労働になる?

 

訪問看護でオンコールを行う場合、時間外労働になりますか?

 

オンコールとは、休日や営業時間外における緊急時に備えて待機することです。

訪問看護でも、多くの事業所が24時間対応を行っています。

労働基準法上、オンコールについては定めがなく、自宅などでの待機は事業主の指揮監督下にある時間ではないため通常は労働時間とみなされません

ただし、オンコールでも拘束性が強い場合には労働時間と判断される場合があるため、オンコールを担当するスタッフに過度な負担にならないよう配慮が必要です。

また、オンコールの際に緊急訪問が必要となった場合には、時間外勤務手当が発生します。

 

労働基準法では、労働時間に当たらない待機時間には賃金の発生を義務付けていません。

しかし、無償で夜間休日の待機をすることは、スタッフにとって負担が大きいです。

双方が納得できる金額設定を行いたいですね。

 

訪問看護での非営業日の訪問は時間外労働になる?

 

事業所が営業していない日の訪問は、時間外労働に当たりますか?

 

事業所が営業していない日(=非営業日)の訪問については、労働基準法上のルールである週40時間以内かつ、1日8時間以内であれば問題ありません。

例えば、土日出勤を命じる代わりに、他の平日で休みを確保するといった振替休日とした場合です。

しかし、上記の労働基準法上のルールを超える場合には時間外勤務手当が発生します。

また、時間外労働や休日出勤を命じるには、36協定の締結は必ず必要です。

訪問看護では、特別訪問看護指示書の交付などにより非営業日の訪問もあり得ます。

色々なパターンを想定しておきましょう。

 

まとめ

 

今回は、訪問看護の運営における休日と休暇について解説しました。

言葉の使い分けや、労働基準法に基づいた違いを理解し、適切な休日・休暇を設定してください。

実際の事業所運営では、「こんな時はどうするの?」という具体的な疑問やお悩みが出てくると思います。

そんな時にはぜひビジケアを活用して、スピーディに問題解決をしてくださいね。

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ABOUT US
石澤 明日香
埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションで5年半勤務。令和4年9月に訪問看護ステーションアスエイドを開設、代表取締役兼管理者を務める。そのほか重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ