
目次
溺水の概要
溺水とは
液体による浸水もしくは沈水による呼吸障害を溺水と定義されています。
溺水すると、低酸素血症による急速な意識障害・無呼吸に陥ります。
神経予後
- 5分以内:良好
- 25分以上:不良
沈水時間により神経予後が異なります。
5分以内で適切な処置を施した場合、90%程は回復すると言われており、神経予後は良好です。
25分以上の場合、心拍が再開したとしても神経予後は不良と言われています。
原因
溺水において注意すべき点は、他疾患による溺水の可能性も考えられることです。
救助後は、心室細動(Vf)、心疾患、てんかん発作など他の疾患も考慮しましょう。
合併症
低体温症
水に浸かっている時間によっては、低体温症に陥ることがあります。
低体温症になると、血液凝固能が低下し易出血となったり、低カリウム血症、不整脈が生じることがあります。
しかし、低体温のほうが神経予後は良好と言われています。
なぜかというと、体温が1℃低下するごとに脳の酸素消費量が5%減少するからです。
頸椎損傷
稀に(0.5%程度)転落による頸椎損傷することがあります。
肺炎
特に津波による溺水に多いのが化学物質誘発性肺炎、真菌感染です。
プールや海での溺水でも起こる可能性があります。
刺激の強いウィルス、物質により重度の呼吸障害と言われる急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を合併することがあります。
蘇生後、呼吸状態が悪化する可能性があるため、8時間は呼吸状態の観察が必要です。
蘇生の順番
A(気道確保)⇒B(人工呼吸:5回)⇒C(胸骨圧迫:30回)
まず気道確保をし、人工呼吸、胸骨圧迫を行います。
通常の心停止時の人工呼吸は2回ですが、気道を開通させる目的で5回行います。
溺水患者のGrade分類
溺水患者のGrade分類があります。
まず声かけなどの刺激に反応があるか確認をします。
反応がある場合
反応があり、呼吸音に異常がなければ救助またはGrade1となり軽症となります。
呼吸音で水泡音のラ音が聴かれる場合、一部か全肺野で聴かれるのか判断します。
全肺野で聴かれる場合は、血圧が正常か低血圧かでGradeが分かれます。
反応がない場合
まず気道確保をし、呼吸を確認します。
呼吸がなければ、人工換気を5回施行後、脈拍の確認をします。
脈拍がある場合、溺水時間が1時間以内で死亡予兆がなければGrade6となります。
脈拍がない場合、溺水時間が1時間以上で死亡予兆がある場合、死亡と判断されます。
Grade分類と救命後管理、予後予測
Grade1では、観察して合併症がなければ精査もしくは帰宅となります。
Grade2では、低流量酸素投与をし、救急管理で何もなければ帰宅となります。
Grade3、4ではラ音が全肺野で聴かれいるためARDSが起こり得ます。
そのため、フェイスマスクから高流量酸素投与をし、呼吸状態が悪化している場合は人工呼吸器管理となります。
Grade5では人工換気を開始します。
Grade6では、心肺蘇生を行います。
Grade6になると、生存率が著しく低下します。
まとめ
- 溺水患者を見つけた場合、意識・呼吸状態を確認する
- 心停止していれば、ABCの順番で蘇生する
- 症状がない場合でも、8時間の経過観察が必要である
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今回は溺水について解説していきます。
緊急対応につなげることができるようにしましょう。