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体位変換によるSpO2低下
食道がん術後2日目。既往:心不全。2時間毎の体位変換の指示。
術後1日目。体液バランス+1000ml、尿量0.5ml/kg/h、X線:右無気肺。
右側臥位にするとBP98/55(69)→70/45(53)mmHg、HR90→110回/分、SPO295→90%、RR20→25回/分となった。体温36℃。抹消冷感なし。
前回の事例から、体位変換によるSpO2の低下を考えます。
体位変換には以下のメリットがあります。
- 褥瘡予防
- 体位ドレナージ
- 換気血流不均衡改善
- 肺胞リクルートメント(換気量増加)
しかし、事例の人の場合は体位変換には、注意が必要でした。
SpO2が低下した理由は、無気肺側を下にしたためです。
側臥位では、重力で下側の肺に血流が増えます。
一方、換気量は圧迫されないため上側の肺で多くなり、換気と血流の不均衡が起こります。
無気肺側を上にすると、健側の肺に血流が多くなるので、短期的には酸素の状態は改善しますが、ずっと無気肺側を上にしていると痰が貯留し、広がりにくいため無気肺になる可能性があります。
体位変換したときに、酸素状態が悪化した場合は、反対側に変換して1~2時間様子をみて評価をしましょう。
意識がある人だったら、深呼吸など排痰を促すケアをしましょう。
循環動態が悪い場合は、どれほど血流低下を許容できるか考えケアする必要があります。

次は発熱の事例をみてみましょう。
発熱時の指示
敗血症と解熱処置
体温38.0度以上でクーリング、解熱剤投与(6時間毎投与可能)の指示。
肺炎のため入院中。
体温38.2℃のため、クーリングを行ったところ、シバリングを生じた。
この事例の患者には、何が起こったのでしょうか。
熱が上昇している最中にクーリングを行ったことで、シバリングを起こしてしまいました。
シバリングは酸素消費量を50~100%増加させることがあります。
1週間解熱処置を繰り返した結果、炎症所見が上昇、敗血症となり、ICUに搬送された。
WBC9000→13000/mm3、CRP5.0→18mg/dlになった。
敗血症の場合、37.4℃以下になると死亡率が高くなるという研究結果があり、37.5~38.4℃が最も死亡率が低いです。
38.5℃までは、解熱処置の施行を控えることで予後を改善する可能性があります。
ガイドラインでも、発熱を伴う敗血症患者に対して、ルーチンの解熱療法を実施しないことを弱く推奨しています。
しかし、非敗血症患者の場合は、39.5℃以上の発熱の場合脳に障害を起こす可能性があるため、解熱処置が必要になります。
解熱処置のメリットとデメリット
解熱処置のメリット、デメリットをまとめると以下のようになります。
発熱の際、解熱剤を使用する際は、体温だけをみて判断するのではなく全身の状態や症状から使用すべきか判断をしてください。
非感染症による高体温は、積極的に解熱しましょう。
処置の方法、タイミング、効果をチームで評価することが重要です。
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今回も事例を通して、ケアに必要な侵襲と生体反応の知識について学習しましょう。