緩和ケア第7回【がん疼痛 応用編 オピオイドを知る】

看護師 村上
皆さん、こんにちは!緩和ケア認定看護師の村上です。

 

今回は、がん疼痛緩和の応用編として、オピオイドについて詳しく解説していきます。

がん疼痛のある患者さんのケアにおいて、痛みを分類することは非常に重要です。

アセスメントでは、以下の4つの情報を最低限確認するようにしてください。

 

  • 痛みの部位
  • 痛みの強さ
  • 痛みの性状
  • 痛みのパターン

 

なぜ痛みの分類が重要なのでしょうか?

それは、痛みの種類によって治療法が異なるからです。

例えば、骨転移による体性痛には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が有効な場合が多いですし、内臓痛にはオピオイドが効果を発揮することが期待できます。

また、神経障害性疼痛は、NSAIDsやオピオイドの効果が得られにくいことが多く、鎮痛補助薬の使用を検討する必要があります。

 

 

今回はオピオイドについて詳しく解説していきます。

 

WHO がん疼痛ガイドラインの鎮痛薬

WHOのがん疼痛ガイドラインでは、痛みの程度に応じて鎮痛薬を選択することが推奨されています。

 

 

  • 軽度の痛み(NRS 1-3): 非オピオイド鎮痛薬(アセトアミノフェン、NSAIDsなど)
  • 中等度から高度の痛み(NRS 4-10): オピオイド鎮痛薬

 

オピオイドは、さらに弱オピオイドと強オピオイドに分類されます。

 

NSAIDsとアセトアミノフェンについて

 

 

NSAIDs

NSAIDs(ロキソニン、ボルタレンなど)は、抗炎症作用を持つ一方で、消化管出血や腎機能障害のリスクがあります。

特に、腎機能が低下している患者さんや透析を受けている患者さんへの使用は慎重に検討する必要があります。

 

アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは抗炎症作用はないものの、副作用が少ないため、比較的使いやすい鎮痛薬です。

腎機能障害のリスクはほとんどありませんが、肝機能障害には注意が必要です。

 

神経障害性疼痛では様々な薬を使います。

内服ができるかできないかで使用する薬は変わってきます。

 

 

オピオイドとは?

それでは、今回のメインテーマであるオピオイドについて詳しく見ていきましょう。

そもそも、私たちはどのように痛みを感じるのでしょうか?

痛みの信号は、末梢神経を通り、脊髄、脳へと伝わり、大脳皮質で初めて「痛い」と感じます。

オピオイドは、脳や脊髄にあるオピオイド受容体(μ1、μ2、δ、κ受容体など)に結合し、痛みの信号が大脳まで伝わるのをブロックすることで鎮痛効果を発揮します。

 

 

弱オピオイドについて

弱オピオイドには、コデインとトラマドールがあります。

 

 

コデイン

体内でモルヒネに変換されるため、副作用もモルヒネと同様に、眠気や便秘などが起こりやすいです。

 

トラマドール

神経障害性疼痛にも効果が期待できるのが特徴です。

また、便秘の発生頻度が低いこともわかっています。

 

強オピオイドについて

現在、日本で使用されている主な強オピオイドには下記の種類があります。

 

  • モルヒネ
  • ヒドロモルフォン
  • オキシコドン
  • フェンタニル
  • メサドン
  • タペンタドール

 

※ただし、タペンタドールは2023年にアメリカの工場が閉鎖された影響で、現在入手困難な状況です。

 

 

モルヒネ

鎮痛効果や副作用が予測しやすく、管理しやすいのが特徴です。

ただし、腎臓への負担が大きいため、腎機能が悪い患者さんへの使用は避けるべきでしょう。

モルヒネは、MSコンチン、パシーフ、オプソなどの名称で売られています。

 

ヒドロモルフォン

モルヒネが使いにくい患者さんの呼吸困難感の緩和にも使用されます。

ナルサス(徐放性製剤)とナルラピド(速放性製剤)があります。

 

オキシコドン

モルヒネに比べて副作用の発生頻度が低いため、腎機能が悪い患者さんにも選択されることが多いです。

オキシコンチン(徐放性製剤)、オキファスト(注射)、オキノーム(速放性製剤)などがあります。

 

フェンタニル

副作用が起こりにくいと言われており、腎機能が悪い患者さんや副作用が心配な患者さんに使いやすい薬剤です。

貼付剤(フェントステープなど)があるため、内服が困難な患者さんにも使用できます。

ただし、フェンタニル貼付剤は、血中濃度が安定するまでに2~3日かかるため、効果発現までに時間がかかる点に注意が必要です。

レスキュー薬として、速効性のある経口剤(イーフェンバッカル、アブストラル)が使用されることもありますが、依存性に注意が必要です。

 

メサドン

錠剤の薬です。

QT延長という副作用のリスクがあり、がん疼痛管理に精通した医師でないと使いこなすのが難しい薬剤です。

 

オピオイドの3大副作用とその対策

オピオイドを使用する上で、覚えておきたい3大副作用があります。

 

悪心・嘔吐

開始から1週間程度で体が慣れることが多いですが、必要に応じて制吐剤を頓用で使用します。

以前は制吐剤を定期的に投与することが多かったのですが、錐体外路症状のリスクがあるため、現在は頓用が推奨されています。

レスキューやオピオイド増量したときに起こりやすいということを覚えておいてください。

 

便秘

耐性が生じないため、オピオイド使用中は継続的な対策が必要です。

近年、オピオイド誘発性便秘に特化した新薬(スインプロイク錠)が登場し、難治性の便秘に悩む患者さんに有効です。

 

眠気

開始時や増量時、レスキュー薬使用時に起こりやすいですが、数日以内に体が慣れることが多いです。

ただし、常生活に支障をきたすほどの眠気がある場合は、医師に相談しましょう。

 

看護師 村上
これらの副作用について、看護師からも患者さんに丁寧に説明し、対策を促すことが重要です。

 

 

まとめ

今回はオピオイドの基礎知識と、それぞれの薬剤の特徴、注意点について解説しました。

 

  • オピオイドとは痛みの信号をブロックして鎮痛効果を発揮する薬
  • 弱オピオイドと強オピオイドに分類される
  • オピオイドには3大副作用がある

 

それぞれのオピオイドには様々な効果や副作用が存在するので、適切な処方ができるようにしっかりと覚えておきましょう!

 

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看護師 村上
今回の内容が、皆様の訪問看護における日々の業務に少しでもお役に立てれば幸いです。

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