労働基準法では、労働時間に関するルールが細かく定められています。
今回は、労働時間のルールと訪問看護の仕事内容を照らし合わせて解説します。
訪問看護事業を初めて行う経営者の皆さんは、ぜひ参考にしてください。
- 労働時間とは?
- 労働時間と勤務時間の違いとは?
- 労働時間の基本ルールとは?
- 36(サブロク)協定とは?
- 労働時間と訪問看護の業務Q&A
- 訪問看護の移動時間は労働時間になる?
- 訪問前の朝礼は労働時間になる?
- 休憩中の電話対応は労働時間になる?
目次
労働時間とは?
労働時間とは、事業主の指揮命令下で労働者が会社のために働く時間をいいます。
この場合、労働時間から休憩時間は除きます。
また、労働時間は労働基準法によって上限時間が定められており、事業主はそのルールを遵守しなくてはなりません。
労働時間と勤務時間の違いとは?
勤務時間
勤務時間とは、事業所の始業時刻から終業時刻までの時間をいいます。
例えば、始業時刻が9時00分、終業時刻が18時00分であった場合、勤務時間は9時間となります。
労働時間
労働時間とは、勤務時間から休憩時間を引いた時間をいいます。
勤務時間が9時00分から18時00分で、休憩時間が1時間与えられている場合だと、9時間の勤務時間から1時間差し引いた8時間が労働時間になります。
労働時間の基本ルールとは?
労働時間は、労働基準法に基づき以下のようにルールが定められています。
- 事業主は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
- 事業主は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
- 事業主は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません
法定労働時間を超えて労働者に時間外労働をさせる場合や法定休日に労働させる場合に は、以下の内容が必要となります。
- 労働基準法第36条に基づく労使協定(36(サブロク)協定)の締結
- 所轄労働基準監督署⻑への届出
厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」より転載
「36(サブロク)協定」とは?
労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められます。
この労使協定を「時間外労働協定」といいます。なお、時間外労働時間には限度が設けられています。
時間外労働協定は、労働基準法第36条に定めがあることから、一般に「36(サブロク)協定」とも呼ばれています。
法律上、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間であり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができません。
通常予見することのできない業務量の大幅な増加等がある場合には、上記の原則である時間外労働の上限(月45時間・年360時間)を超えることができます。
ただし、時間外労働は、限度時間にできる限り近づけるように努める必要があります。
また、限度時間を超えて労働させる場合、月末2週間に80時間、翌月初2週間に80時間、合わせて連続した4週間に160時間の時間外労働を行わせるなど、短期に集中して時間外労働を行わせることは望ましくありません。
労働時間と訪問看護の業務Q&A
訪問看護の移動時間は労働時間になる?

利用者さん宅から利用者さん宅への移動については、通常移動に必要と考えられる時間は労働時間に当たります。
しかし、推定される移動時間以外の空き時間は労働時間には当たりません。
また、直行直帰を行う際には通勤時間は労働時間に当たりません。
訪問前の朝礼は労働時間になる?

訪問前の朝礼は、事業主の指揮命令の元で行われる場合には労働時間に当たります。
反対に、指揮命令下に置かれていなければ、仕事に関係あることでも労働時間に含まれません。
また、営業活動のように事業所の外で働いた場合も指揮命令下にあると判断されれば労働時間となります。
したがって、持ち帰り残業も労働時間に含まれます。
休憩中の電話対応は労働時間になる?

休憩時間中に義務的に行う必要のある電話対応や来客対応は、労働時間に当たります。
休憩時間は原則、自由に利用させなければならないと定められています。
休憩の3原則とは?
労働基準法では、休憩の3原則として以下を定めています
- 労働時間の途中に与える
休憩は労働の途中で与える必要があります。
労働時間の出勤直後や退勤前に休憩を与えることは違法になります。 - 休憩中に労働させない
休憩中は労働から完全に解放されていなければなりません。
休憩中の電話番や来客対応、会議をする場合には別にタイミングで休憩を与える必要があります。 - 一斉に付与する
休憩は、その職場の労働者に対して一斉に付与される必要があります。
ただし、訪問看護は保健衛生業に当たるため、これは該当しません。
まとめ
今回は、訪問看護の運営における労働時間について解説しました。
労働基準法に基づく基本的なルールから、訪問看護業務における応用編までご紹介させていただきました。
実際の事業所運営では、「こんな時はどうするの?」という具体的な疑問やお悩みが出てくると思います。
そんな時にはぜひビジケアを活用して、スピーディに問題解決をしてくださいね。
参考
厚生労働省「労働時間・休日」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html
厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf
























