法定福利厚生とは?分かりやすく解説!

就職活動や転職活動のなかで、求人票に「法定福利厚生あり」と記載されているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。

しかし、具体的に何が法定福利厚生なのか、どの制度が必ず会社に用意されているものなのかは意外と知られていません。

法定福利厚生は、企業が法律に基づいて必ず従業員に提供しなければならない福利厚生であり、労働者の生活を守る重要な制度です。

この記事では、法定福利厚生の内容、一般の福利厚生との違い、加入条件、企業が負担する割合などを、誰でも理解できるようにわかりやすく解説します。

 

法定福利厚生とは?

法定福利厚生とは、法律で企業(事業主)に加入が義務づけられている福利厚生制度のことです。


従業員の生活の安定や健康を守るために国が定めており、すべての会社が必ず提供しなければなりません。

法定福利厚生の特徴

・企業負担が義務化されている
・従業員の生活を支える公的制度
・入社したら原則自動的に加入
・会社の規模や業種に関わらず適用(例外あり)

福利厚生の中でも、企業独自の「法定外福利厚生」とは異なり、法律で強制されている点が最大の特徴です。

 

法定福利厚生の種類

法定福利厚生には、主に以下の6つが含まれます。

① 健康保険(医療保険)

病気やケガをした際に医療費の一部が補助される制度。
・自己負担は原則3割
・高額療養費制度の対象
・出産育児一時金、傷病手当金などの支給
など、多くの生活支援が含まれています。

企業は保険料の約半分を負担します。

 

② 厚生年金保険

老後の生活を支える公的年金制度です。
・老齢年金
・障害年金
・遺族年金
の3つを保障します。

こちらも健康保険と同様に、保険料は企業と従業員が折半して負担します。

 

③ 雇用保険

失業した場合の生活支援や再就職のサポートのための制度です。
・失業給付(基本手当)
・育児休業給付
・教育訓練給付
など、働く人の生活を守る制度になっています。

企業は従業員よりも多くの割合を負担します。

 

④ 労災保険(労働者災害補償保険)

仕事中や通勤中にケガをした際にカバーされる制度です。
・治療費全額
・休業補償
・障害補償
・遺族補償
などが支給されます。

労災保険の保険料は全額事業主負担で、従業員の負担はありません。

 

⑤ 介護保険(40歳以上のみ)

40〜64歳の従業員が加入する制度で、介護が必要になった際にサービスを受けられる仕組みです。
こちらも健康保険に上乗せする形で加入し、企業と従業員が折半で保険料を負担します。

 

⑥ 子ども・子育て拠出金

保育園や認定こども園の運営費に使われる拠出金です。
健康保険の加入者に対して徴収され、企業が全額負担します。
従業員の負担はありません。

 

法定福利厚生と法定外福利厚生の違い

福利厚生には「法定」と「法定外」があります。違いは次の通りです。

法定福利厚生

・法律で義務
・会社は必ず加入
・社会保険や雇用保険が中心

法定外福利厚生

・企業の自由
・会社独自の福利厚生
・例:家賃補助、資格取得費補助、健康診断の拡充、スポーツジム補助など

法定外福利厚生が充実している企業は、働く人にとって魅力的ですが、まず必ず整備すべき基盤が「法定福利厚生」です。

 

法定福利厚生の企業負担割合はどれくらい?

企業が負担する割合は制度によって異なります。まとめると以下の通りです。

企業が半分負担

・健康保険
・厚生年金保険
・介護保険(40歳以上)

企業が主に負担

・雇用保険(従業員より負担割合が多い)

企業が全額負担

・労災保険
・子ども・子育て拠出金

企業にとっては大きな支出ですが、従業員が安心して働ける職場づくりに不可欠な制度です。

 

法定福利厚生は正社員だけ?パートやアルバイトも対象?

「正社員だけ加入できる制度」と思われがちですが、実際には勤務時間や日数によってパートやアルバイトも加入対象になります。

加入の目安

・1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上
→ 社会保険・雇用保険の加入対象
・20時間以上働く
→ 雇用保険のみ加入
・勤務期間が31日以上見込まれる
→ 雇用保険加入

短時間労働者の加入範囲は近年拡大しており、企業はより適切な管理が求められます。

 

中小企業こそ法定福利厚生の整備が重要

特に中小企業では「社会保険未加入問題」が指摘されることが多く、行政からの指導対象になるケースもあります。

法定福利厚生を整備するメリット

・採用力の向上
・従業員の定着率UP
・職場の信頼性向上
・行政指導のリスク軽減
・労災認定時の対応がスムーズ

訪問看護や介護事業所など、人材採用が難しい業界では特に重要な項目です。

 

まとめ

法定福利厚生とは、企業が法律に基づいて従業員に必ず提供しなければならない福利厚生制度で、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険などが含まれます。

これらは従業員の生活を守る大切な仕組みであり、企業にとっても採用力や信頼性の向上につながります。

求人票や就業規則を見る際には、法定福利厚生が整っているかどうかをしっかり確認することが大切です。

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