緩和ケア第3回 【予後予測】

看護師 村上
こんにちは、緩和ケア認定看護師の村上です。今回の記事では、在宅緩和ケアにおける予後予測について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

 

普段仕事をされていて、患者さんからこんな言葉をかけられたことはありませんか?

「今年も桜、見れるかな?」

「あとどれくらい生きられると思う?」

私は、これまで何度も患者さんからこのような質問を受け、どう答えるのが正解なのか、ずっと悩んできました。皆さんは、どのように答えていますか?

 

予後予測とは

 

予後予測は本当に難しく、例えば、余命0日と宣告された方が3ヶ月以上生きていたり、治療法がないとホスピスを勧められた方が7年も生きていたりする例もあれば、逆に余命半年と言われていた方が数日で急変し、亡くなってしまうこともあります。

 

特に、がん患者さんの予後予測は非常に難しいのが現状です。

 

患者さんのニーズとしては

 

  • おおよその寿命を知って心の準備をしたい
  • 具体的な目標として「何ヶ月」という期間を知りたい
  • 生きているうちに叶えたいことがある

 

といったことが挙げられます。

 

しかし、誰もが明確な寿命を知りたいわけではないという点も、私たち医療従事者は理解しておく必要があります。

 

短期的な予後予測に役立つPPI

患者さんから「あとどれくらい生きられると思う?」と聞かれて、困ってしまう方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は短期的な予後予測に役立つツール「PPI(Palliative Prognostic Index)」をご紹介します。

 

PPIについて解説

 

PPIとは
  • PPS(Palliative Performance Scale)
  • 経口摂取量
  • 浮腫
  • 安静時の呼吸困難
  • せん妄

の5項目を評価し、その合計点数で予後を予測する方法です。

 

PPIは、週単位程度の短期的予後予測に適しています。

また、月単位の中期的な予測には、Papスコアというツールもありますが、今回は、PPIについて詳しく見ていきましょう。

 

PPS(Palliative Performance Scale)について

 

PPSとは
  • 起居
  • 活動と症状
  • ADL(日常生活動作)
  • 経口摂取
  • 意識レベル

以上の5つの項目をパーセントで表します。

 

常に臥床状態の場合は30%以下、ほとんど起居している場合は60~70%となります。

5つの項目で評価しますが、全てが同じパーセントになるわけではありません。

例えば、ほとんど臥床状態だが意識レベルは清明という場合もあります。

 

 

評価の優先順位は、起居と症状、ADL、経口摂取、意識レベルの順で、左側にある項目ほど優先度が高いとされています。

 

経口摂取量、浮腫、安静時の呼吸困難、せん妄について

 

経口摂取量
数口以下で著しく減少している場合は2.5点、減少しているが数口より多い場合は1点、正常または高カロリー輸液の場合は0点となります。

 

浮腫
浮腫がある場合は1点、ない場合は0点となります

 

安静時の呼吸困難
安静時の呼吸困難がある場合は3.5点、ない場合は0点となります。

 

せん妄
せん妄がある場合は4点、ない場合は0点となります。

 

PPIの点数と予後予測

PPIの各項目の点数を合計し、その合計点数によって予後を予測します。

 

 

合計点数が6.5点以下:予後が21日以下(週単位)の可能性が高い

合計点数が3.5点以下:予後が42日以上(月単位)と予測される

 

PPIを活用することで、患者さんの予後をある程度予測しやすくなります。

 

患者さんの言葉の奥にあるニーズを理解する

 

PPIは便利なツールですが、患者さんの言葉の奥にあるニーズを理解することが、私たち医療従事者にとって最も大切です。

患者さんが「あとどれくらい生きられると思う?」と尋ねる背景には、以下のような様々な思いが隠されている可能性があります。

 

  • やりたいことがある
  • 叶えたい夢がある
  • やり残していることがある
  • 身辺整理をしたい
  • 家族や大切な人に伝えたいことがある

 

看護師 村上
患者さんやご家族が後悔を少なく過ごすためには、なぜ患者さんが寿命を知りたいのか、その理由に焦点を当ててコミュニケーションを取ることが重要です。

 

まとめ

今回の講義のまとめです。

PPIを活用することで、現場では患者さんの余命を予測し、ケアに活かすことができます。

しかし、それと同時に、患者さんが寿命を知りたいと思う奥底のニーズを理解し、寄り添うことが大切です。

患者さんとのコミュニケーションを大切に、より良いケアを提供していきましょう。

 

動画で勉強する

 

看護師 村上

次回は、看取りについてお話しできればと思っています。

次回の動画もどうぞよろしくお願いします。

 

ビジケア公式LINEに登録すると、訪問看護に関する最新情報(診療報酬や介護報酬改定を中心とした内容)が月に2回無料で配信されます。

最新セミナー情報やお得なご案内も配信していますので、よろしければ登録をお願いします。

友だち追加