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DICとは
DICとは、播種性血管内凝固症候群のことです。
傷を治すために生じる生体反応なのですが、有難迷惑な反応でもあります。
出血に対処する止血機構は、凝固と線溶に分かれています。
凝固
出血が起こると、血管が収縮します。
次に、血小板が傷口に止血のために集まり、トロンビンという物質が放出され、フィブリノーゲンをフィブリンにします。
フィブリンは凝固因子の一種で、糸状の繊維素です。
フィブリンは傷口の血小板に付着し、止血をします。

凝固系を確認するときは、血小板とPT-INRが重要です。
血小板が少なくなると止血はできなくなり、PT-INRはプロトロンビンの時間なので、時間が延長すると出血傾向になると判断できます。
線溶
組織が修復された後、凝固したものがそのままだと、困ったことになってしまいます。
そのため、繊維素を溶かす線溶が起こります。
プラスミンはフィブリンを溶解し、フィブリンが分解された産物がFDPです。
線溶が亢進するとFDPが増加します。
侵襲による凝固線溶異常
侵襲による凝固線溶異常には、臓器不全と出血傾向があります。
疾患により、どちらが先にでるかでタイプが分けられます。
臓器不全型
臓器不全は、線溶が抑制されることで起きます。
侵襲が長く続くと、血管が傷ついた状態の血管内皮細胞障害によりフィブリン分解阻害が起こり、凝固したものを溶かせなくなります。
そして、全身の微小血管が詰まり、多臓器障害が生じます。
また、その状態で大きな傷ができると凝固因子が消耗しているので出血傾向にもなります。
敗血症やARDS(急性呼吸窮迫症候群)、呼吸器感染症は、臓器不全型(臓器不全が先にでるタイプ)に分けられます。
出血傾向型
出血傾向は、線溶が亢進されることで起こります。
早期にフィブリンが分解され、溶かしすぎの状態となります。
腹部大動脈瘤や悪性腫瘍、白血病は出血傾向型(出血傾向が先にでるタイプ)に分けられます。
DICの対処
急性期DICスコア
まず、気付くことが重要になり、急性期DICスコアを活用します。
8点満点中、4点以上だとDICと判断されます。
SIRS、血小板、PT(プロトロンビン)比、FDPをみていきます。
SIRSは、呼吸数、体温、白血球でみるスコアで、高サイトカイン血症で血管内皮細胞障害を表すものです。
血小板は一次止血、PT比は二次止血、FDPは線溶を意味しています。
DIC治療の基本
DIC治療は、原疾患の治療が大原則です。
原疾患の治療中に、血小板や凝固因子が下がれば、活動性出血を抑制するため輸血により補充をします。
また、血栓による臓器障害を防ぐため抗凝固療法を行います。
ヘパリン使用時は、AT値に注意します。

DIC治療薬に確固たるエビデンスが乏しいため、現行のエビデンスを使いながら、限界を知っておくことが大事になります。
次回は、ショックについて解説します。
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今回は『DIC』について、解説していきます。