【精神科訪問看護講座①】精神障がいって何だろう?

 

Ns田端
みなさん、こんにちは!精神看護専門看護師の田端恭平です。

精神科の訪問看護について紹介させていただきます。

第1回は、「精神障がいって何だろう?」という基礎的な内容について話していきます。

精神障がいについて理解を深めていきましょう。

精神障がいとは?

精神障がいとは、精神疾患のため精神機能の障害が生じ、日常生活や社会参加に困難をきたしている状態のことをいいます。(引用:東京都福祉保健局 ハートシティ東京

精神障がいを一言で説明するのは、難しいです。

 

その理由は6つあります。

 

精神障がいの難しい理由
  1. 謎が多い。
    統合失調症、うつ病などの精神障がいの種類は分かってきていますが、その原因が解明されていないことが多いです。
  2. 再発リスクが高い。
    特に家族などの身近な人からの強い感情表出(表情、口調、態度など)が、再発を高めると言われています。
  3. 再発すると症状が悪化する。
    精神障がいは脳へダメージを与えており、再発するごとにダメージが蓄積されます。
    また、脳内ホルモン機序が崩壊していくことで、症状が悪化していきます。
  4. 身体愁訴か、身体問題か分かりづらい。
    向精神薬の服用により、痛みなどの感覚が鈍くなってしまう方も一定数します。
  5. 社会的な偏見が多い。
    本人のやる気の問題であると思われたり、危険人物として扱われたりすることがあります。
  6. 本人だけでの問題にとどまらない。
    社会生活が送れなくなったり、家族との関係が悪くなることがあります。

 

精神障がいと精神症状の違い

精神疾患を発症すると、気分が優れない、何となく体調が悪いなどの精神症状が現れます。

この精神症状により、生活機能の低下をきたすと精神障がいとなります。

つまり、精神症状が生活に大きく影響をするか、どうかで精神障がいの有無を決定していきます。

国際生活機能分類(ICF)を用いて生活に与える影響を説明していきます。

 

 

今回は、うつ病の方の精神障がいが生活に与える影響を例にして紹介します。

 

  • 心身機能では、集中できなくなる、無気力になるなどの認知機能障害が生じます。
  • 活動では、シャワーに入ることができないなどの生活障害、他人と話すことが怖いなどの対人関係の障害がみられます。
  • 参加では、家から出かけられなくなっていきます。

これらの生活への影響は、本人だけの問題ではなく、家族などの環境因子も関わってきます。

 

しかし、精神障がいのすべてが生活に悪影響を与えるわけではありません。

性同一性障がいという言葉を覚えていますか?

現在では、「LGBTQ+」と呼ばれるようになり、「障がい」という扱いではなくなっています。

社会が変われば、「精神障がい」についての捉え方も変わるかもしれません。

 

精神障がいの捉え方

精神障がいは、複数の原因が相互に関連しているため、原因を1つに絞ることが難しいと思います。

そのため、利用者さんの精神症状や生活の状況、家族の関わりなどについて円環的に捉えて、ストレスの悪循環を発見していくことが大事になります。

 

 

例えば、怒りという陽性症状が生じたとします。

この時、上記の図のように精神症状だけに目を向けるのではなく、利用者さんの日常の過ごし方、家族の関わりにも注目してしましょう。

例えば、利用者さんの意欲低下があり家でゴロゴロと過ごしていた時に、家族から怒られたことがあったとします。

すると、夜に眠ることができなくなり、イライラしやすくなる可能性があります。

そして、些細なことで怒りを表出してしまったかもしれません。

このように考えると、家族は重要他者であり、精神科訪問看護における支援者となります。

利用者さんがストレスを感じていると、家族もつらくなり、悩んでいると考えられます。

利用者さんの精神症状、生活の過ごし方、家族の関わりのうち、どれか1つでも小さな変化が起きると、それが起点となり、ストレスの悪循環が始まるかもしれません。

 

精神症状のアセスメント

精神症状は、利用者さんの心の声=これまで言葉が見つからなかった思いや体験の表れと考えてみましょう。

利用者さんの多くは精神症状があっても発散したり、解決することなく、放置しやすいです。

そのため、精神症状のアセスメントでは、利用者さんの心の奥にある感情や希望などを洗い出してもらうこと=カタルシスが大事になっていきます。

それでは、利用者さんの心の声とはどこにあるのでしょうか?

 

 

利用者さんの心の声は、潜在意識に隠れています。

顕在意識と潜在意識の間にある前意識では、利用者さんの感情や願望、悪い経験などがふと浮かび上がることがあります。

利用者さんの前意識で発せられるサインをキャッチし、潜在意識を表出できるように関わることで、精神症状をアセスメントできると考えます。

 

Ns田端
以上で、「精神障がいって何だろう?」という基礎的な内容は終わりになります。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

精神障がいについて、何となくイメージを持つことができたでしょうか?

次回は、精神科訪問看護における看護師の在り方、取り組む姿勢について解説していきます。

 

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