
目次
前回のおさらい
気胸について
気胸のポイント
- 気胸の中でも最も危険なものは緊張性気胸
- バイタルサインが不良ならば、酸素吸入下でただちに胸腔穿刺(脱気)が必要
- 気胸は、自然気胸、外傷性気胸、緊張性気胸に分類される
自然気胸
原発性気胸
- ブラ(肺の表面にできる嚢胞が破れること)が原因で起きる。
- 高身長、痩せ型の男性に起きやすい。
続発性気胸
- 気管喘息、肺繊維症、子宮内膜症などの基礎疾患がある人に起きやすい。
- 喫煙歴がある人に起きやすい(COPDや肺繊維症の可能性があるため)。
緊張性気胸

緊張性気胸は、めちゃくちゃ気胸が増悪した状態です。
気胸が増悪した状態とはどのような状態かというと、上のイラストのように、肺が破れていると空気が入り、肺が萎みガス交換ができなくなるため低酸素状態になります。それに加え循環の状態も悪化します。
上のレントゲン画像のように、半分が気胸になっている状態では、空気の圧により胸腔の圧が上がります。そうなると、心臓を圧迫し、下肢から心臓に血液を還す下大静脈を圧迫します。そのことにより、閉塞性ショックが起きます。最悪、心停止するため、兆候を見逃さないことが大切です。
気胸(緊張性気胸)の対応
問診
- 突然発症が多いですが、軽度では数日前から症状を自覚している場合があります。徐々に増悪しているという訴えがあれば要注意です。
- 年齢、性別、外傷の有無、気胸の既往歴、喫煙歴、女性であれば月経歴を確認します。
身体所見
- 突然起こる胸痛(背部痛もあるが、背部痛は大動脈解離も想定する)
- 呼吸困難
- 乾性咳嗽
- 胸郭の左右差(水平に観たり、触診で片方だけ上がっていないか確認)、打診(鼓音)、聴診:呼吸音減弱
- 頚静脈怒張(静脈環流の阻害による)
- ショック徴候、チアノーゼ
対応
- 酸素投与:2L/min〜(SpO2を94%程保てるように)
- 鎮痛薬投与(ボルタレン)、鎮咳薬(コデインリン酸塩酸)
- 保存的治療
軽度:安静による穿孔の閉鎖治癒を待つ
中等度以上:持続ドレナージ または穿刺脱気法(16G針第2~4肋間、鎖骨中線上)
- 緊張性気胸によるショックによる心停止:心肺蘇生法
レントゲンによる重症度

自然気胸の重症度は虚脱によって分類されます
重症度分類
軽度(I度):肺尖が鎖骨 or 頭側
中程度(II度):軽度と高度の間
高度(III度):全虚脱 or 虚脱率50%以上 → さらに増悪(緊張性気胸)
まとめ
まとめ
- 緊張性気胸を見逃さない
- バイタルサイン不良なら酸素吸入下で、直ちに胸腔穿刺(脱気)が必要
- 胸痛、胸郭運動・呼吸音の左右差、ショック兆候に注意
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今回は気胸について解説していきます。