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認知症の人の意思決定支援ガイドライン
厚生労働省の「認知症の人の日常生活・社会生活における 意思決定支援ガイドライン」によると、MMSE(※1)12点以上、HDS-R(※2)12点以上で、言葉の機能が保たれている場合は、認知症でも意思決定はできるとしてます。
当然、認知機能検査の点数に関係なく、「認知症の人は意思決定できる」という前提のもと支援を行わなければなりません。
認知機能障害を簡易的にスクリーニングするためのスケールです。
認知度は下記の点数で判断されます。
| 異常なし | 27〜30点 |
| 軽度認知症の疑いもある | 22〜26点 |
| 認知症の疑いが強い | 21点以下 |
日本で主流となっている認知症のスクリーニングテストです。
点数の目安は下記の通りです。
| 非認知症 | 20点±4 |
| 軽度 | 19点±5 |
| 中等度 | 15点±4 |
| やや高度 | 11点±5 |
| 非常に高度 | 4点±3 |

なお、このガイドラインでは、認知症の人が自分で意思決定するにあたり周囲の人が意思決定の支援方法や、基本的な考え、姿勢が記載されています。
私たちの心構え・姿勢
まずは、ケアを行う側の「心構え」「姿勢」を紹介します。
重要なのは下記です。
- 意思の尊重
- 意思決定能力への配慮
- 早期からの継続的支援
意思決定が困難と思われても、「本人の意思を尊重する」という姿勢を忘れてはいけません。
家族や支援者の意思ではなく、本人の意思を中心に考えます。
また、意思決定能力の配慮では、その人に残っている能力に合わせた支援や、能力が向上するように支援を行います。
早期からの継続的支援は、自宅にいるときから、先を見通した支援を続けるのが重要です。
意思決定が必要になった状況で、改めて決定を促すのではなく、日頃から継続して意思決定支援を行いましょう。

認知症の人は支援者の能力でも意思決定能力が変わるのを忘れてはいけません。
意思決定支援3つのポイント
意思決定支援は3つの柱で構成されています。
- 意思の形成
- 意思の表明
- 意思の実現
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.意思形成支援
意思形成支援は、意思・思いを形成する支援です。
ポイントは下記の通りです。
- 本人がわかるよう、情報は短文で
- 忘れるならその都度話す
- 「はい」「いいえ」で終わらせない質問方法
- 複数の条件から選ぶ場合は、本人が考えられるような説明を
意思決定のため、本人がわかる言葉で、忘れるならその都度話します。
認知症の人の意思決定は、本人がわかるよう1回ではなく何度も繰り返し話すのが重要です。
また、「はい」「いいえ」の形では、質問者が本人の意思を誘導できます。
できるだけ本人の言葉で語らせるような質問方法を選びましょう。
複数から選んでもらう場合は、本人が考えられるように比較の説明が必要です。
例えば「Aを選んだら〇〇のようになります」「Bを選んだら〇〇のようになります」など、わかりやすい言葉を選んで伝えます。
そのときに、写真や、絵などを用いるのも良いでしょう。

また、意思形成支援は、信頼のある人から説明するのが重要です。お互いの関係ができてから行います。
2.意思表明支援
意思表明支援は、意思・思いを表すための支援です。
ポイントは下記です。
- 支援者の態度・環境に配慮
- 焦らせない・時間をかけて
- 複数の支援者で思いを引き出す
支援者の態度は、言葉の速さ、大きさ、トーン、目線などを指します。
また、慣れない環境ではなく、日頃から過ごしている落ち着いた環境で、本人が自分の思いを表明できるよう支援します。
意思を聞くときは、場所、時間、人数、誰が聞くのかにも配慮しましょう。
複数の支援者で思いを引き出すのも重要です。医師や看護師、薬剤師、リハビリ職など複数の支援者で思いを引き出します。

また、どういった言葉で思いを表したのか、本人の反応や言動はありのままに残していきます。各職種で、症状や性格に合わせた関わりをしていくのが重要です。
3.意思実現支援
意思実現支援は、意思や思いの実現への支援です。
ポイントは下記です。
- 本人のできる能力を見つけて最大限に生かす
- 他職種協働による実現に向けた調整
意思実現には、本人が語っていた意思を支援者が代理で実現させるのではなく、本人が実現するよう支援することが重要です。
そのためには、多職種協働で、実現に向けた調整を行います。

例えば、退院の場面では、転院や、介護サービスなどのさまざまな社会資源を活用して、本人がどんな状況で過ごしたいのか、できるだけ本人の能力を引き出すよう支援します。
支援プロセスの振り返り
多職種で支援した場合、支援したプロセスの振り返りも重要です。
- 本人の能力を最大限に活かした決定になったのか
- 本人の人生観や価値観に合っているのか
上記や、前述した「意思の形成」「意思の表明」「意思の実現」を支援できたかを話し合い、記録に残します。

記録に残すのは、他の人の支援のための参考や、自分たちの学びのためでもあります。
意思決定支援のガイドライン
意思決定についての参考となるガイドラインはさまざまなものがあります。
下記の通りです。
- 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン
- 身寄りがない人の入院及び医療にかかる意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン
- 認知症の人の日常生活・社会生活おける意思決定ガイドライン
- 障害福祉サービス等の提供にかかる意思決定ガイドライン

意思決定の支援は難しいため、こうしたガイドラインに目を通して、本人にあったものに沿って意思決定支援を行いましょう。
認知症の人も自分で意思決定ができるよう支援しよう
今回は下記を解説しました。
- 意思決定支援を行うときの心構え
- 意思決定支援の3つの柱
- 意思決定支援のガイドライン
意思決定支援は難しい支援です。
しかし、経験を繰り返せば支援者の能力も高まります。

行き詰まったらガイドラインを確認して、本人にあった意思決定ができるよう多職種で支援を進めていきましょう。




















認知症の人の意思決定は、介護者や家族などの代理で行われるケースがほとんどです。
しかし、本当の意思決定の支援は認知症の人にも意思があるのを前提として、重症度に関係なく行わなければいけません。
今回は、認知症の人の具体的な意思決定の方法を解説します。
この記事を読めば、本人を中心とした意思決定支援が学べます。
ぜひ最後までご覧ください。