- 訪問看護って過酷なの?
- どんなところが過酷?
- 訪問看護の過酷な場面を教えて!対策があるならそれも知りたい!
このような疑問を解決する記事です。
訪問看護は、利用者さんの生活の場であるご自宅に訪問し、看護を行う仕事です。
利用者さんやご家族に寄り添いながら看護を提供できる、とてもやりがいのある仕事な一方で、病院勤務とはまた違う大変さがあり「過酷だ」と感じる場面も少なからずあります。
この記事では、訪問看護の現場で特に「過酷だ!」と感じる場面を具体的に紹介し、それを軽減するための対策(関連記事)についても解説していきたいと思います。
- 訪問看護に興味がある
- 訪問看護のリアルをもっと知りたい
- 訪問看護の過酷な面を共有したい
このようなあなたはぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
訪問看護での過酷な場面7選
訪問看護での過酷な場面として、今回は以下の7つをお伝えしていこうと思います。
- 夏が暑すぎる
- 冬が寒すぎる
- 極端に不衛生なご自宅がある
- 道に迷う
- 困った時すぐ他の看護師に頼れない
- 他の看護師と比較されやすい
- 人間関係がきついと過酷
順番に解説します。
夏が暑すぎる
訪問看護の仕事は、看護師が利用者さんのご自宅を訪問して看護を行うため、夏はとても過酷です。
- 太陽が照りつける酷暑の中を移動する
- 利用者さん宅の室温管理もさまざまで、看護師にとっては暑いこともある
- 暑い中、寝たきりの方のケアを行ったり、入浴介助を行う など
真夏の太陽が照りつける中の移動はかなり過酷です。
車で移動する訪問看護ステーションの場合、エアコンが効く前の車内はものすごい暑さで、乗るたびに汗が吹き出ます。
しかし車移動の場合はまだよく、自転車移動の場合はさらに過酷で、炎天下の中の移動で体力をかなり消耗します。
汗だくで利用者さんのご自宅につきケアをしますが、利用者さん宅も暑いことも多々あり、病院などのような快適な室温ではないこともあります。
寝たきりの方のケアは看護師の負担もあり、ケア内容が入浴介助の場合は、滝のような汗をかきながら行います。
訪問看護でなにが過酷かと言われたとき、一番は「夏」ではないかと思うくらい夏は過酷です。
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冬が寒すぎる
訪問看護は、冬の寒さの影響も受けます。
- 移動時がとにかく寒くて過酷
- 雪国では雪かきが必須
- 路面状況によっては移動に時間がかかり、事故の懸念も増える など
夏は夏で過酷なのですが、冬もまた過酷なんです。
暑くて過酷だった夏の真逆の状況となり、冬は寒くて移動が過酷です。
筆者は自転車移動の冬の訪問看護の経験がありますが、とにかく厚着をして寒さ対策をしていました。
しかし、それを今度は利用者さんのご自宅で脱ぎ着するので、これまた大変でした。
室温と外気温の寒暖差を一日に何度も体験するので、体調管理も本当に大変です。
そして雪国の訪問看護。
雪国の訪問看護は本当に大変で過酷です。
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極端に不衛生なご自宅がある
訪問看護では、利用者さんが生活しているご自宅でケアを行うため、病院のように清潔で整った環境であるとは限らず、「過酷」と感じることがあります。
- ゴミや物が散乱している
- ホコリやカビが多い
- 生ゴミや排泄物の処理ができていない
- ゴキブリやハエなど虫がわいている など
靴下では上がれず、スリッパを着用させていただくこともあります。
あまりにホコリやカビが多いと、看護師自身もアレルギーや呼吸器症状が出ることもゼロではありません。
虫が苦手な方にとっては、虫が出たときなど気が気ではなく、ケアに集中できないということも…。
このような過酷さも訪問看護にはあります。
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道に迷う
訪問看護では、道に迷う過酷さもあります。
- 初めて行く場所がある
- 複雑な住宅街などがある
- マンモス団地がある
- ナビで正しく案内されない場合がある など
訪問看護では、お約束した時間に伺い、訪問が終わったあともまた次の利用者さんの訪問があります。
時間管理が必要な中、道に迷ってしまうとかなり焦ってしまい、過酷さを感じます。
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困った時すぐ他の看護師に頼れない
訪問看護では、病院とは違い、基本的に一人で利用者さんのご自宅を訪問します。
そのため、困ってもすぐに他の看護師に相談したり、手を借りたりすることができず、自分で判断・対応しなければなりません。
- 体調急変時の判断
- 転倒やけがなどの対応
- 点滴や採血などの医療技術 など
もちろん困ったときは、電話などで管理者やスタッフに相談することは可能です。
ただ、病棟のようにすぐ一緒の目で確認してもらったり、ルートが入らず交代してもらったりということはタイムリーにはできません。
困った場面があるときは「過酷」と感じることがあります。
一方で、判断力や対応力が求められる分、自身のスキルが向上しやすく、経験を積めば自信に繋がるメリットもあります。
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他の看護師と比較されやすい
訪問看護では、ひとりの利用者さんに対して複数の看護師が受け持ち、関わることがあります。
その際、ご自宅に訪問する訪問看護ならではの特色として「他の看護師と比較されやすい」といったことがあります。
- ケアのやり方の違いによる比較
- 相性による比較
- ご家族からの評価・比較 など
看護師ごとに声かけの仕方やケアの手順が違うと、利用者さんが「前回の看護師はこうしてくれたのに」と感じてしまうことがあります。
また、人対人なのでどうしても「この看護師さんは話しやすい」「あの人は少し冷たく感じる」など、相性の違いから評価が分かれることがあります。
ご家族からの視点では、「あの看護師さんはすごく丁寧にやってくれたのに、今回はちょっと雑に感じます」のように、看護師の対応に差を感じる方もいらっしゃいます。
もちろん改善すべき点があった場合は善処するよう努める必要がありますが、やはり大なり小なり「過酷だ…」と精神的な負担を感じることもあります。
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人間関係がきついと過酷
訪問看護では基本的に看護師一人でご自宅を訪問するため、悩むことや困ることが出てきます。
職場の人間関係が悪いと「相談しにくい」「質問しづらい」と感じてしまい、過酷な状況に追い込まれることがあります。
事業所内の人間関係が良ければ「帰ったらみんなに相談しよう」「悩みを共有しよう」と安心感を持てますが、人間関係が悪いと「帰っても誰にも話せない」「またひとりで考えないといけない」と感じてしまい、精神的な負荷がどんどん増す可能性があります。
スタッフ同士がよいコミュニケーションが取れている訪問看護ステーションでは過酷さはかなり軽減します。
人間関係がきついと過酷なことや対策がわかる記事!ぜひ合わせて読んでください
過酷な場面もあるけど訪問看護は素敵な仕事です!
今回は訪問看護での過酷な場面をご紹介しましたが、包み隠さずリアルなことをお伝えしたので、もしかすると訪問看護に不安を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、筆者は訪問看護に携わり10年以上になりますが、訪問看護の仕事がとても好きです。
訪問看護は、医療者としての知識や技術を在宅という現場で発揮し、利用者さんやご家族を笑顔にしたり安心感を与えることができる素晴らしい仕事だと思います。
過酷だったり、うまくいかず落ち込む日もあるかもしれませんが、それ以上に得るものも大きい仕事ですよ!
ビジケアマガジンには当記事の他にも訪問看護にまつわるお役立ち記事が多数あります。
ぜひいろいろ読んでみていただけると嬉しいです。