経営を把握して分析できる 「損益分岐点」について学んでみよう!

訪問看護ステーションを開設しようと思うのですが、売り上げの数字をみたりするのって難しいですよね?

 

 

Ns上妻

経営の状況を把握するための損益分岐点というものがあります。

これが分かると目標も立てやすくなりますので勉強してみましょう!

 

これから開設される方はもちろん、現在管理者や経営者の方も復習を兼ねて読んでいただきたいです。

 

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損益分岐点とは

損益分岐点とは、管理会計上で用いられる概念です。

  1. 売上高
  2. 費用

 

この2つの値が等しくなる点が損益分岐点と呼ばれ、収益が±0円の状態となります。

利益も損失も出ず、収支が同じになる売上高や売上数量のことを言います。

つまり、収益ゼロである損益分岐点を超える売上高を上げることができれば利益となり、損益分岐点を下回る売上高であれば損失となるということになります。

 

こちらは損益分岐点のグラフです。

 

 

横軸に沿って右に行くほど、売上が上がっているということになり、縦軸が費用です。

サービスの提供が増えれば増えるほど(右へと進むほど)、売上線は右上へと伸びていきます。

そして固定費と変動費を合計した値である総費用を上回った時点から、利益の幅が徐々に大きくなります。

 

損益分岐点からわかること

プラスマイナス0のギリギリの経営状態では会社にお金が残らない状態で、新たに車や自転車を準備したり、人を雇ったり、何か急な出費の時にも困ってしまう状態になりますよね。

損益分岐点を知ることによって、最低いくらの売上が必要なのか、余裕のある経営状態にしておくための売上はいくらなのか、を把握できるようになります。

そこから自身の事業所における売上の目標を立てていきましょう。

訪問看護事業では、その目標のために「およそ何件の訪問必要にいけばよいか」を数字として把握・予測することができるようになります。

そのため、損益分岐点を把握することは経営には不可欠だといえるでしょう。

 

 

損益分岐点の計算方法

こちらが損益分岐点の計算方法です。

 

損益分岐点の計算方法

損益分岐点=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

 

損益分岐点の計算には費用を「固定費」「変動費」の2種類に分ける必要があります。

利益を考える上でその内容を把握しておくことが必要となります。

では、2つの費用について確認していきましょう。

 

固定費

売上が増えてもそれほど比例せずに増えない費用のことを固定費といいます。

  • 家賃
  • 保険料
  • 通信費
  • 人件費(基本給)

などが該当します。

 

変動費

売上に比例して額が変動する費用のことを変動費といいます。

  • 医療材料費
  • ガソリン代
  • 広告宣伝費
  • 水道光熱費
  • 残業代

などが該当します。

 

以上が2種類の費用となりますが、固定費と人件費をしっかり分けることに拘らなくても大丈夫です。

大切なのは、費用がどれくらいかかっているかを知り、分析することです。

売り上げの推移表を立て、金額がほとんど変わっていない費用を固定費、月によって変動があるものを変動費としてみてください。

変動費の中でも月によって大きく差があるものは1年平均を割り出して、月での計算時に使用してみて構いません。

 

 

実際に例題を計算して解いてみましょう。

 

A社の場合

以下がA社の収支の状況です。

  • 売上高 500万円
  • 固定費 300万円
  • 変動費 100万円

 

Q
A社の損益分岐点を求めてください。

 

A

固定費÷{1-(変動費÷売上高)}=損益分岐点

ですので、それぞれ当てはめてみます。

300÷{1-(100÷500)}=300÷(1-0.2)

375(損益分岐点)

 

以上のようになります。

 

損益分岐点を下げるということ

損益分岐点が下がると、少ない売上でも黒字となりやすい状況となります。

その損益分岐点を下げ、経営状態を良くするためには以下の方法があります。

 

「固定費」「変動費」を下げる

経費のほとんどは人件費ですので、給与自体を大きく変えることは難しいですよね。

変動費に関しては訪問の経路を考慮し、効率よく訪問に回れるようにすることなどによって経費を減らせる場合があります。

移動時間や移動距離、訪問件数やガソリン代などに気を配っていきましょう。

業務改善により細やかではありますが様々な費用を下げることができますので、小さなことから工夫してみてはいかがでしょうか。

 

「売上」を上げる

費用を抑えた状態で訪問件数が増えていくことで、事業としての利益がさらに積み重なっていきます。

並行して営業活動なども積極的に行い、訪問件数が増えてこれば新しいスタッフを雇用するなどの投資ができるようになります。

この場合、事務所の家賃や通信費などの固定費は基本的に変わらずですので、看護師やセラピストの人数が多く、件数が確保できていれば売り上げが増えていくという流れになります。

損益分岐点と2つの費用である変動費と固定費、この3つを理解すると、いくらの売上で利益が出るようになるのか、目標利益を出すにはいくらの売上が必要なのかが分かってきます。

訪問看護事業は保険事業ですから、訪問件数・内容に対し決まった収入が入ってきます。

入退院や無くなる訪問もありますので、読めない部分もありますが、金額がおおよそ決まっている分、件数の目標は立てやすくもなります。

黒字と赤字の分かれ目を理解しながら、適切なサービスを提供することによって利益を上げることができます。

 

 

まとめ

Ns上妻
損益分岐点について理解は深まりましたでしょうか?

ぜひご自身の事業所の損益分岐点を計算してみてください。

数字を見ることは最初は難しいと思って敬遠してしまいがちですが、目に見える評価基準ですから、大切なものです。

損益分岐点の他にも重要な経営指標となるものがたくさんありますので引き続きご紹介していきます。

経営者としてぜひ日頃から数字と向き合ってみてください。

 

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ABOUT US
山口 ゆき
看護師・介護初任者研修講師・心理カウンセラー・ファイナンシャルプランナー/ブログ「カンゴとカイゴにサチアレ」運営/救急医療・ICU等にて8年勤務後、留学先のオーストラリアで在宅医療に関わる。帰国後訪問看護にて管理者として勤務。現在看護師として現場で働く傍ら、法人のブログ執筆やイベント企画・コンサルティングも行う。/愛知県在住