「訪問看護師として働き続けたいけれど、子育てとの両立に自信が持てない」——そんな悩みを抱えていませんか。オンコール当番や急な子どもの発熱、時間に追われる毎日の中で、「このまま続けられるだろうか」と不安になるのは、決してあなただけではありません。
訪問看護は夜勤がなく、直行直帰や時短勤務など柔軟な働き方を選びやすい職種である一方、子育て中ならではの悩みも存在します。この記事では、現場でよく聞かれる5つの悩みと、実際に子育てをしながら働く訪問看護師が実践している具体的な対策を紹介します。
- 子育て中の訪問看護師が直面しやすい5つの悩み
- オンコール対応と子育てを両立させる工夫
- 時間不足・体調管理の悩みへの具体的な対策
- 職場の人間関係で困ったときの相談先
- 子育てしながら働きやすいステーションの見極め方
目次
訪問看護と子育ては両立できる?まず知っておきたい前提
結論からいえば、訪問看護は子育てとの両立がしやすい働き方のひとつです。病棟勤務と異なり夜勤がなく、日中の決まった時間帯に利用者宅を訪問する形態のため、保育園の送り迎えなど家庭の予定に合わせたシフト調整がしやすい職場が多いのが特徴です。また、直行直帰を採用しているステーションでは、事業所への出退勤の移動時間そのものを減らせるというメリットもあります。

とはいえ「両立しやすい」というのは制度や仕組みの話。実際の現場では、子育て中ならではの具体的な悩みにぶつかる場面が少なくありません。まずはどんな悩みが起きやすいのか、一つずつ見ていきましょう。
子育て中の訪問看護師が抱えやすい悩み5選
子育てをしながら訪問看護師として働く中で、多くの人が共通して直面する悩みを5つに整理しました。自分に当てはまるものがないか、確認してみてください。
悩み1:オンコール(緊急時待機)対応
訪問看護ステーションの多くは、利用者の急変時に24時間電話相談・緊急訪問に対応できる体制を整えています。この体制を評価する仕組みとして、医療保険には「24時間対応体制加算」があり、届出をしているステーションは少なくありません。オンコール当番の日は、夜間や休日に呼び出される可能性があるため、「子どもを誰に預けるか」「一人で留守番させられる年齢ではない」といった不安が付きまといます。
オンコール対応そのものが必須ではないステーションもあります。就職・転職時には「オンコール免除制度の有無」「当番の頻度」「バックアップ体制」を必ず確認しましょう。
悩み2:時間に追われる毎日
仕事・家事・育児のすべてを限られた時間でこなす必要があるため、朝の準備でトラブルが起きただけで一日のスケジュールが崩れてしまうことがあります。帰宅後も記録業務や家事が待っており、「自分の時間が全く取れない」と感じる人も多いようです。
悩み3:子どもの体調不良による急な休み
保育園に通い始めたばかりの子どもは、感染症や発熱を繰り返しやすいものです。朝は元気でも訪問中に呼び出しの連絡が入る、1週間ほどまとまった休みが必要になるなど、予定が読めないことへの不安やご利用者・同僚への申し訳なさを感じやすい悩みです。
悩み4:自分自身の体調管理の難しさ
仕事と育児の両方に追われる中で、自分の不調には気づきにくくなりがちです。特に出産後はホルモンバランスの変化や睡眠不足が重なりやすく、子どもからもらった風邪の症状が長引くこともあります。「自分のことは後回し」になりやすい時期だからこそ、意識的なケアが必要です。
悩み5:職場の人間関係・情報共有への気兼ね
急な休みや早退が続くと、「周りに迷惑をかけているのでは」という罪悪感から、報告・相談をためらってしまうことがあります。結果として、利用者情報の共有が遅れたり、疑問点を聞けないまま業務にあたってしまったりする悪循環に陥るケースもあります。

悩みを乗り越えるための具体的な対策
それぞれの悩みに対して、現場で実践されている対策を紹介します。完璧を目指すのではなく、「できることから取り入れる」という姿勢が長く続けるコツです。
対策1:オンコールは「ステーション選び」で大きく変わる
オンコール対応への不安は、勤務先の体制次第で大きく軽減できます。子育て中の職員に対してオンコール当番を免除・軽減している事業所や、管理者や他職員がバックアップに回る体制を整えている事業所もあります。転職・就職活動の段階で、こうした制度の有無を具体的に確認することが、悩みそのものを減らす近道です。
「オンコールなし」を謳っていても、実際には緊急時に誰かが対応する仕組みが必要です。制度の名称だけでなく、「自分が当番に入る頻度」「急な呼び出し時に子どもを預けられる先があるか」まで具体的に確認しておきましょう。
対策2:時短勤務・直行直帰など働き方の選択肢を活用する
訪問看護には、時短勤務やパートタイム勤務など、フルタイム以外の働き方を選べる事業所が多くあります。直行直帰の制度を活用すれば、事業所への移動時間を子どもの送迎や家事にあてることもできます。「予定通りに進まないのが育児」と割り切り、家族や職場の協力を早めに得ておくことも大切な備えです。
対策3:子どもの体調不良に備えた事前準備
感染症の流行期には、手洗い・うがい・消毒を子どもと一緒に習慣化することで、体調不良の頻度を減らせる場合があります。また、急な休みに備えて「誰にどこまで相談するか」をあらかじめ職場と共有しておくと、いざというときの気まずさが軽減されます。病児保育やファミリー・サポート・センターなど、地域の子育て支援サービスを事前に調べておくのもおすすめです。
対策4:自分の体調にも意識を向ける
「疲れたら休む」という当たり前のことを、意識的に実践することが大切です。パートナーや両親、地域の子育て支援サービスなど、頼れる先を複数持っておくと、いざというときの負担を分散できます。自分の不調に早く気づくためにも、定期的な体調チェックの習慣を持ちましょう。
対策5:一人で抱え込まず、相談できる関係を作る
急な休みや早退について、罪悪感を抱えたまま一人で抱え込む必要はありません。職場の上司や同僚に早めに相談することで、情報共有の遅れやコミュニケーション不全を防げます。相談しにくい場合は、外部の相談窓口やキャリア相談サービスを活用するという選択肢もあります。

子育てしながら働きやすいステーションを見極めるポイント
同じ「訪問看護」でも、事業所によって子育て支援の充実度は大きく異なります。転職・就職を検討する際は、以下の点をチェックしてみてください。
- オンコール免除・軽減制度の有無と、実際の運用実績
- 時短勤務・扶養内パートなど、複数の勤務形態が選べるか
- 子育て中のスタッフが在籍しているか、実際の働き方を聞けるか
- 急な休みへの理解・フォロー体制があるか
- 直行直帰など、移動負担を減らす仕組みがあるか

訪問看護ステーションには、子育てがひと段落したベテラン看護師が多く在籍している職場も少なくありません。同じ経験をしてきた先輩がいる環境は、急な休みへの理解も得やすく、心強い味方になってくれますよ。
働き方別に見る、子育て中に選びやすい勤務形態
子育て中の訪問看護師には、フルタイム勤務以外にもいくつかの選択肢があります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の家庭の状況に合った働き方を選ぶことが、無理なく長く続けるための第一歩です。
| 勤務形態 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 常勤(フルタイム) | 収入・キャリア形成の面で安定しやすいが、オンコール当番が回ってくる事業所が多い | 家族や職場のサポート体制が整っている人 |
| 時短勤務 | 1日の勤務時間を短縮しながら常勤として働ける制度。保育園の送迎に合わせやすい | 子どもが未就学〜低学年で送迎の負担が大きい人 |
| パート・非常勤 | 週の勤務日数・時間を調整しやすく、オンコールが免除される事業所も多い | 子どもの体調不良が多い時期や、家庭を優先したい人 |
どの働き方を選ぶ場合でも、「今の自分にとって何を優先したいか」を明確にしたうえで事業所に相談することが大切です。同じパート勤務でも、事業所によってオンコールの有無や訪問件数の融通のきかせ方は大きく異なります。
よくある質問
オンコール対応は子育て中でも必ずやらなければいけませんか?
必須ではありません。ステーションによってはオンコール免除・軽減制度を設けている場合や、子育て中の職員を当番から外す運用をしている場合があります。就職・転職時に制度の有無と実際の運用実態を確認することをおすすめします。
子どもの急な発熱で休むことが多く、周りに申し訳なく感じます。どうすればいいですか?
一人で抱え込まず、早めに職場へ相談することが大切です。多くのステーションでは、子育て中のスタッフ同士でお互いに助け合う文化があります。また、病児保育やファミリー・サポート・センターなど地域の子育て支援サービスを事前に調べておくと、いざというときの選択肢が増えます。
訪問看護は夜勤がないと聞きましたが本当ですか?
多くの訪問看護ステーションは日中の時間帯に利用者宅を訪問する形態のため、病棟勤務のような夜勤はありません。ただし、24時間対応体制を整えているステーションでは、夜間・休日のオンコール当番が発生する場合があります。オンコールと夜勤は別の仕組みですので、求人票や面接で確認しておきましょう。
時短勤務やパート勤務でも訪問看護師として働けますか?
働けます。訪問看護ステーションでは、フルタイムだけでなく時短勤務や週数日のパート勤務など、複数の勤務形態を用意している事業所が増えています。子育ての状況に合わせて勤務時間を相談できるかどうかは、就職・転職時の重要な確認ポイントです。
自分の体調管理がおろそかになりがちです。何に気をつければいいですか?
仕事と育児の両方に追われる時期は、自分の不調に気づきにくくなります。「疲れたら休む」ことを意識的に実践し、パートナーや両親、地域の子育て支援サービスなど頼れる先を複数持っておくことが負担の分散につながります。
まとめ|悩みを一人で抱え込まず、両立しやすい環境を選ぼう
子育てと訪問看護の両立には、オンコール対応や時間不足、子どもの体調不良など、いくつもの悩みがつきものです。しかし、これらの多くは個人の努力だけでなく、職場の制度や周囲のサポート体制によって大きく軽減できるものでもあります。

- 子育て中の悩みは「オンコール」「時間不足」「子どもの体調不良」「自分の体調」「人間関係」の5つに整理できる
- オンコールへの不安は、免除・軽減制度があるステーション選びで大きく軽減できる
- 時短勤務や直行直帰など、柔軟な働き方の選択肢を早めに確認しておく
- 一人で抱え込まず、職場や外部の相談先を頼ることが長く続けるコツ
完璧な両立を目指す必要はありません。使える制度と周囲のサポートを味方につけながら、自分に合ったペースで訪問看護師としてのキャリアを続けていきましょう。























