訪問看護師が退院前カンファレンスで確認すべきこと6選

 

訪問看護師

明日は病院の退院前カンファレンスに参加する日。
カンファレンスではどんなことが話し合われるのだろう。
何を確認しておくのがいいんだろう?

 

退院前カンファレンスとは何を話し合うカンファレンスなのでしょうか。

また、訪問看護師として退院前カンファレンスに参加するとき、どんなことを話せば良いのか疑問に思ったことはないでしょうか。

退院前カンファレンスは、退院する前に今後の生活や治療方針などを話し合うために開かれるカンファレンスです。

参加者は、利用者さん、ご家族、医師、看護師、ソーシャルワーカーなどの病院のスタッフと、ケアマネージャーや訪問看護師、訪問診療医などです。

利用者さんの疾患や状況によっては、保健師やその他様々なスタッフが参加することがあります。

退院前カンファレンスを行うことで、スムーズに病院から在宅への生活に移行するための情報を共有することができます。

退院後、訪問を開始してから困らないためにも退院前カンファレンスの際に、現状や今後自宅で予想されることなどを確認することが大切です。

この記事では、訪問看護師が退院前カンファレンスで確認すべきことをまとめています。

 

訪問看護師が退院前カンファレンスで確認すること

 

現在の病状や今後の治療の予定

退院前カンファレンスでは、最初に病院の主治医が入院までの経過や入院中の治療内容、今後の治療について説明し、次に病棟看護師が入院中の看護経過を説明する場合が多いです。

情報提供書や看護サマリーにも経過などは書かれていますが、退院前カンファレンスは実際に主治医や看護師に質問ができるチャンスです。

今後の治療の見通しや、通院頻度、予想される症状が出現したとき、状態が悪くなったときの対応の方法なども確認しましょう。

また、利用者さんやご家族が病状や今後の治療についてどう考えているのかも伺い、病院スタッフとともに共有することが出来ると良いと思います。

退院後に自宅で困らないように、また困ったときにはどこに問い合わせれば良いかがはっきりしていると、私たち訪問看護師だけでなく利用者さんとご家族の安心にも繋がります。

 

利用者さんの気持ち

退院前カンファレンスも退院後の自宅での生活も、主役は利用者さんです。

疾患や病状により、どのような状況で退院するのかはそれぞれですが、訪問看護を必要とする状態で退院することは、利用者さん自身にも心配や不安があると思います。

それでも自宅に退院することを決めた理由や今の気持ち、心配な点などを聞いてみましょう。

事前に確認することで、訪問開始までに具体的な看護計画を考えることもできます。

 

家族の気持ち

利用者さんを支えるご家族の気持ちも大切です。

ご家族が同居しているのか、別居なのかによっても気持ちや不安の内容は変わってきます。

同居のご家族であれば、主介護になる可能性が高いため、利用者さん本人同様に退院後の生活についての心配があると思われます。

また、家族は不安が強いが、利用者さんがどうしても退院したいので自宅退院を決めた、または逆のケースもあるでしょう。

利用者さんとご家族の気持ちに相違があることも多々あります。

利用者さんと家族が同じ気持ちであることが大切なのではなく、違っているのならばどんな風に違うのか、その点が分かっていると退院後のご家族への支援も考えることができます。

 

退院後継続する処置とその方法

 

 

入院中に行っていた医療処置を自宅でも行う必要があるのか、行う場合は自宅で継続できるように調整されているのかも大切な確認事項です。

病院で行っていたやり方をそのまま自宅で継続することは難しいことが多いため、退院後の状況に合わせて本人、介護者に負担がかからないようにどれだけ簡略化できるかが大切です。

たとえば、胃ろうからの栄養剤の投与が必要な場合、入院中は看護師が1日3回の投与を行っていても、ご家族が日中不在になる場合は、自宅では家族による昼間の投与は出来ません。

投与回数を変更するために、栄養剤の量を変更するのか、昼間の投与を継続するためにサービス導入を検討するのかなど、自宅で継続できるようにアレンジする必要があります。

病院でも、退院に向け指導や準備を行ってくれていますが、在宅支援を専門とする訪問看護師として自宅の生活をイメージして、退院に向けた指導や管理の内容を確認しましょう。

 

家族の介護力・退院後に利用するサービス

退院後、主介護者が誰なのか、主介護者と周りの協力者を含めた介護力を確認します。

家族の介護力によって訪問看護師の支援の内容も変わります。

また、訪問看護以外のサービスを導入する予定があるのかも確認し、必要に応じて利用者、ご家族にサービス追加なども提案できるようにします。

介護力に関する情報は、上記にも記載した処置の継続の判断にも関わってきます。

 

在宅チームとの連携方法

 

 

退院後に、往診医や複数の訪問看護ステーションの介入がある場合、退院前カンファレンスは貴重な顔合わせの機会にもなります。

複数の訪問看護ステーションが関わる場合には、メインで関わる訪問看護ステーションはどこか、緊急時はどの訪問看護ステーションが対応するのか(基本的にはメインの訪問看護ステーションが対応)、訪問看護ステーション同士の連絡はどのように行うかなどを確認しましょう。

 

まとめ

訪問看護師が退院前カンファレンスで確認すべきことを6つ紹介しました。

 

・現在の病状や今後の治療の予定

・利用者さんの気持ち

・家族の気持ち

・退院後継続する処置とその方法

・家族の介護力、退院後利用するサービス

・在宅チームとの連携方法

 

実際には、退院前カンファレンスの短い時間で全ての内容を把握できないこともあります。

また、実際に退院してみたら、想像もしていなかった疑問が出てきた、事前に聞いていた内容と違っていたということもあります。

そんな時も、一度顔合わせをしていれば、病院スタッフへの問い合わせもしやすいと感じます。

なによりも、退院前カンファレンスで、退院後に関わるスタッフの顔を見ることができるのは、利用者さんとご家族の安心に繋がります。

初めての訪問の前に信頼関係を築く第一歩として、退院前カンファレンスを有効に活用しましょう!

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ABOUT US
清水 千夏ライター
東京都在住/看護師・保健師/ 卒業後大学病院9年勤務 その後、派遣看護師としてクリニックやデイサービス、訪問入浴などを経験。 現在は訪問看護ステーションの立ち上げメンバーとして奮闘中です。