訪問看護を利用される患者さんが入院中に、入院先の医師や看護師等と患者さんの在宅での療養上に必要な指導を行うことがあります。
退院前カンファレンスといい、訪問看護ステーションに勤める皆さんも参加したことがあるのではないかと思います。
この時に発生する加算を「退院時共同指導加算」といいます。
では、私たち訪問看護ステーションは退院時共同指導加算を算定しますが、入院先の医療機関や同席した訪問診療医等はどのような算定を行っているかご存知ですか?
今回は、退院時共同指導料の医療機関と訪問看護ステーションの関係について詳しく解説します。
訪問看護と関連する医療機関の診療報酬について学びを深めることで、より連携を図ることができます。
訪問看護ステーションの管理者さんや、訪問看護の算定を学んでいる方はぜひご一読ください。
なお、この記事で示される看護師等とは、保健師、助産師、看護師、准看護師をいいます。

目次
退院時共同指導料とは?
退院時共同指導料とは、入院中の患者さんが退院後の在宅療養を行う際に必要な説明と指導を、入院先の主治医や医療従事者と退院後の在宅療養における関係者で行った場合に算定する料金です。
退院後の在宅療養を担当する保険医療機関は「退院時共同指導料1」、入院している保険医療機関は「退院時共同指導料2」、訪問看護では、「退院時共同指導加算」という名称で算定します。
算定する場合には、説明と指導を行った内容を利用者さんに文書により情報提供する必要があります。
では、それぞれの算定要件について詳しく見ていきましょう。
退院時共同指導料1とは?
退院時共同指導料1は、退院後の在宅療養を担当する保険医療機関が、入院している保険医療機関と共同指導を行った場合に算定するものです。
退院後に在宅療養を担当する保険医療機関(在宅療養担当医療機関)とは、在宅診療を行う病院や診療所、歯科医療機関、保険薬局を指します。
それぞれの診療報酬は以下のようになっています。
訪問診療など在宅療養支援診療所の場合
在宅療養支援診療所(在支診)とは、在宅療養をされる患者さんの生活を支えるため、24時間対応や他職種連携などの条件を満たし地方厚生局長に届出をして認可が下りている診療所(クリニック)をいいます。
在支診の退院時共同指導料1の診療報酬は、1,500点となります。
在支診の保険医または当該保険医の指示を受けた看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、もしくは社会福祉士が退院後の在宅療養上必要な説明及び指導を行った上で、文章による情報提供を行った場合に算定できます。
なお、在支診の届出をしていない病院や診療所の場合には、上記の条件で900点の算定を行います。
歯科医療機関の場合
在宅療養支援歯科診療所(厚生労働大臣の定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長に届け出たもの)の場合には、退院時共同指導料1として900点を算定します。
在宅療養支援歯科診療所の歯科医師またはその指示を受けた歯科衛生士が、退院後の在宅療養上必要な説明及び指導を行った上で、文章による情報提供を行った場合に算定できます。
なお、在宅療養支援歯科診療所の届出をしていない歯科医療機関の場合には、上記の条件で500点の算定を行います。
保険薬局の場合
退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局の場合には、退院時共同指導料として600点を算定します。
入院中の患者さんの指定する保険薬局の保険薬剤師が、退院後の在宅療養上必要な薬剤に関する説明及び指導を行った上で、文章による情報提供を行った場合に算定できます。
退院時共同指導料2とは?
退院時共同指導料2とは、退院時共同指導料1や退院時共同指導加算に対応するものとして入院している保険医療機関が算定するものです。
退院時共同指導料1を算定できる入院先の関係者は?
入院中の保険医療機関と在宅療養担当医療機関が共同して説明、指導を行う際には、保険医療機関の保険医または当該保険医に指示を受けた看護師等、訪問看護ステーションの看護師等(准看護師除く)、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、もしくは社会福祉士の参加が認められています。
診療報酬は?
通常は400点を算定します。
しかし、入院中の保険医療機関の保険医と在宅療養担当医療機関の保険医が共同して指導を行った場合には、300点を追加します。
ただし、多機関共同指導加算を算定する場合には、追加の300点は算定できません。
多機関共同指導加算とは?
多機関共同指導加算とは、入院している医療機関の保険医または看護師等と以下のうち3者以上と共同して退院後の在宅療養上必要な説明及び指導を行った場合に算定します。
他機関共同指導加算の診療報酬は2,000点となります。
- 在宅療養担当医療機関の保険医もしくは看護師等
- 保険医である歯科医師もしくはその指示を受けた歯科衛生士
- 保険薬局の保険薬剤師
- 訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)、理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士
- 介護支援専門員
- 相談支援専門員
退院時共同指導加算とは?
退院時共同指導加算は、退院後に訪問看護を担当する事業所の看護師等(准看護師を除く)、理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が入院中の患者さんに対し入院先の保険医または看護師等と退院後の療養について共同で指導、説明を行った際に算定する加算です。
上記に出てきた退院時共同指導料と同様に、共同して指導を行った内容を文書により利用者さんに提供する必要があります。
訪問看護を利用する際に、医療保険で介入する利用者さんの場合には1回につき8,000円を算定します。
特別管理加算が算定できる状態の利用者さんに対しては、特別管理指導加算として追加で2,000円を加算します。
介護保険で介入する利用者さんの場合には、600単位を算定します。
退院時共同指導料の医療機関と訪問看護ステーションの関係とは?
退院時共同指導料の医療機関と訪問看護ステーションの関係を図式にまとめると、以下のようになります。
退院時共同指導料および退院時共同指導加算は、入院中1回まで算定することができます。
ただし、厚生労働省大臣が定める疾病、状態に該当する場合に限っては2回まで算定することができます。
退院時共同指導を行うことができる施設は?
退院時共同指導を行うことができる施設は、病院だけではありません。
病院の他にも、特別な関係にある病院や診療所に入院している患者さん、介護老人保健施設または介護医療院に入所中の患者さんが退院(退所)する場合に退院時共同指導を行うことができます。
ビデオ通話での参加も可能?
対面での共同指導が原則ではありますが、患者さんの同意を得た上でビデオ通話での参加も算定可能です。
ただし、3者以上の関係者が参加する場合には、2者以上は対面での指導、説明に出席する必要があります。
まとめ
今回は、退院時共同指導料の医療機関と訪問看護ステーションの関係について解説しました。
関係する医療機関の診療報酬を知ることで、退院を控えた患者さんの在宅療養にとってより良い提案ができたり、他職種との連携を図ることができます。
ぜひ今回のように他医療機関と共同して算定する加算については、知識を深めて日々の訪問看護に役立ててくださいね。
























退院時共同指導料とは?
退院時共同指導料1とは?
退院時共同指導料2とは?
退院時共同指導加算とは?
退院時共同指導料の医療機関と訪問看護ステーションの関係とは?
退院時共同指導を行うことができる施設は?
オンライン参加も可能?