訪問看護師が福祉用具専門員と上手く関わる4つのコツを紹介します

訪問看護を行なっていく上で、利用者さんの足りない能力を補う手段や介助者の負担を軽減する目的で、福祉用具は非常に重要です。

昨今では、ロボット型の介助用具やリモコン1つで臥位の状態から起立まで行えるものなど、年々進歩しています。

その中で、それらを取り扱う福祉用具業者と、上手関わっていく必要があります。

今回は、訪問看護師が福祉用具専門員と上手く関わる4つのポイントをご紹介します。

 

訪問看護師が福祉用具専門員と上手く関わる4つのコツ

 自分自身の知識を高める

どんなことでも、知識がないと相手とはうまくコミュニケーションをとることが難しいです。

福祉用具に関しても、年々進歩してはいますが、基礎的なところは大きく変わりません。

福祉用具について相手とコミュニケーションを図るためには、福祉用具に関する知識を養う必要があります。

まずは、何からはじめていいか分からない方も多いと思います。

私も同じように悩むことがありました。

そこで、私は福祉住環境コーディネーター」の資格を取ることにしました。

 

この「福祉住環境コーディネーター」は、1999年頃から東京商工会議所が認定する公的資格として全国で知られています。

1から3級があり、3級は福祉住環境整備の基礎的な内容です。

2級は、実務的な内容まで含まれる実践的なもので、1級は高難度なものとなります。

まずは、2級まで取得できると、福祉用具に関する知識とともに手すりの取り付け位置など、福祉用具専門員と対等に話し合えるレベルになると言われています。

 

その他に毎年、東京国際展示場で行われる「国際福祉機器展」への参加をお勧めします。

世界中で行われている本イベントは、最新の福祉用具が多数出展され、多くの企業が宣伝を兼ねて説明してくださいます。

そこで、積極的に質問していきながら、多くの福祉用具と触れ合うことが、知識を高めることにもつながっていきます。

また、そこで知りえた情報を福祉用具専門員との会話の中で、話題の1つとして用いることも、親密度が増すキッカケとなります。

資格をとる、展覧会に足を運ぶ

 

利用する福祉用具業者の情報収集をしておく

福祉用具業者も昨今は、数が増えているのが現状です。

その中で、規模が大きいところから、小さいところまでありますが、独自の冊子を出している業者もあります。

そういうところに関しては、お会いする前にその冊子を一通りみておき、あたりを付けておくことが重要です。

そうでないところに関しては、一般的な冊子で情報を得ておく必要があります。

 

どんな祉用具業者でも、福祉用具のレンタルの仕組みは概ね同じです。

そのため、1つの福祉用具冊子を覚えておけば、どんな福祉用具業者ともスムーズにコミュニケーションを取ることが可能です。

福祉用具の冊子に目を通しておく

 

利用者さんの日常生活状況を詳細に伝える

基本的にケアマネージャーは月に1回、福祉用具業者は、貸し出しのタイミングとメンテナンス時など、利用者さんに会う頻度が少なく、状況変化をこまめに把握することが難しいと言えます。

そのため、毎週の訪問看護の状況をお伝えすることが極めて重要となります。

ご家族に日常生活状況を確認して、福祉用具を決めてしまうケアマネージャーもいますが、看護師・リハビリスタッフなどの専門的知見での状況伝達は、より正確なものを選定するためには重要です。

利用者さんが住み慣れた場所で、安全・安楽に生活するための福祉用具を選定し、安定した生活が送れるようになることは、利用者さんは生きがいに、訪問スタッフはやりがいになります。

また、利用者さんやケアマネージャーなど、周囲の方々からの感謝や信頼につながります。

そのためにも、訪問看護での身体状況の知識・福祉用具専門員の福祉用具の知識がマッチすると、信頼関係を築くのが早いです。

訪問看護での情報が重宝される

 

利用者さん目線での情報収集を図る

福祉用具も利用者負担が1から3割でお金がかかります。

中には、介護度によって、介護保険を利用してのレンタルができないものまであります。

利用者さんに必要なものをお伝えして、福祉用具業者に品物を紹介してもらうことは無料ですが、借りるものが増えていき、毎月この金額はキツイと言われた経験は何度もあります。

利用者さんの経済状況と、生活するうえで必要なものを天秤にかけて、何を借りるべきか吟味するのも訪問看護・福祉用具業者の仕事です。

どの程度の生活レベルを望むのか、この品物をレンタルすることで生活の質が上がるのか、同じような機能でも金額が半額のものがあるなど、考えることは多岐にわたります。

福祉用具を導入することでどのくらいの金額が毎月かかるのか、福祉用具業者と話す前に利用者さんに確認しておくことで、話し合いの際にスムーズに事が進み、利用者さんからも福祉用具業者からも信頼度がグンと上がります。

1番身近に触れ合っている訪問看護スタッフの意見は重宝されるので、利用者さんの立場に立って、

必要なもの・そうでないものをはっきりと伝えていくことが重要です。

利用者さんの情報伝達

 

まずは知るところから

今回は、訪問看護師として、福祉用具専門員と上手く関わる4つのコツについてお伝えしました。

在宅の現場を経験していく上で、自然と学んでいけることも多いですが、まずは、どんなものがあるのかを知るところから、始めていけると、利用者さんのお宅に行った際に新たな発見が多くあると思います。

そのためにも、行動をしていきましょう。

資格をとる、展覧会に行く、利用者さん周囲の状況を把握するなど、身近にできることは沢山あります。

まとめ

病院では、あまり使用する頻度が少ないものや馴染みのない福祉用具がたくさんあると思います。

私自身も在宅の現場に来て、はじめて触れ合った物ばかりでした。

その時に初めに抵抗を持ってしまうと苦手意識が生まれて、避けるようになってしまう方も多いと思います。

今回の訪問看護師が福祉用具専門員と上手く関わる4つのポイントを駆使していただいて、利用者さん・福祉用具業者の方と上手く関わっていき、利用者さんの安定した在宅生活を確保していきましょう。

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ABOUT US
H.F理学療法士/ライター
埼玉県で訪問看護ステーションの所長をやっております。 規模拡大できるよう尽力しています。 ライターとしても、駆け出しですが、 知識を深めるためにも頑張っていきます。