訪問看護で行うストーマケアの内容を分かりやすく紹介します

新人訪問看護師

入院中にストーマを作った方のお宅に、ストーマケアのために訪問することになりました。

訪問看護ではどんなストーマケアを行うのでしょうか。

 

現在日本では20万人以上の方が、ストーマを造設していると言われています。

ストーマを造設するとストーマやストーマに付随する装具の管理が必要になります。

ストーマを造設している人の中には、年齢や疾患、ストーマ管理をサポートする人の有無など、様々な理由で1人では管理を継続していくことが難しいため、訪問看護を利用する方もいます。

この記事では、訪問看護で行うストーマケアの内容を分かりやすく紹介していきます。

 

ストーマとは

 

ストーマとは、手術によって腹部に作られた、便や尿の排泄の出口のことを言います。

便の排泄口である人工肛門は、小腸ストーマ(イレオストミー)と結腸ストーマ(コロストミー)の2種類があります。

尿の排泄口である人工膀胱はウロストミーと呼ばれています。

消化管や尿管の経路を変更し、直接お腹から排泄物が排泄できるようにするため、自分の意志で便意や尿意を調整することができません。

そのため、ストーマにパウチを付けて排泄物を受け止められるようにします。

 

訪問看護で行うストーマケアの内容

手術でストーマを造設した後は、自宅へ退院するためにストーマの管理が行えるように練習をする必要があります。

入院中にストーマ管理についての指導を受け、練習をしますが退院までに完璧に出来るようになるとは限りません。

また、ストーマを造設する人の年齢や、状況によっては、一緒に暮らす家族が管理をすることもあります。

入院中の限られた時間の中で家族がストーマ管理の方法を取得することは難しい場合もあります。

利用者さんとご家族を支援するために、訪問看護で行うストーマケアの内容は、以下の5つです。

 

  • 装具交換
  • 皮膚トラブル対応
  • 日常生活支援
  • 精神的支援
  • 外部との連携

 

詳しく解説していきます。

 

装具交換

 

ストーマ装具とは、ストーマから排出された排泄物や分泌物をためる専用の道具のことです。

ストーマ装具は排泄物をためておくストーマ袋(パウチ)と、ストーマ袋をお腹に粘着させる面板から構成されています。

排泄物がパウチにたまるため、定期的にたまった排泄物を破棄します。

また、面板は長期間お腹に貼付しておくとふやけてしまうため、パウチを安定して貼付しておくためにも定期的に交換する必要があります。

交換の手順は以下の通りです。

 

パウチ交換の手順

  1. 必要な物品を準備する
  2. パウチを剥がす
  3. 剥がした後の皮膚を洗浄し水滴が残らないように拭きとる
  4. 必要時、皮膚保護剤を使用
  5. 新しいパウチを貼付する
  6. 使用した物品の片付け、ゴミを破棄する

全てを訪問看護師が行うのではなく、装具交換を行う人が手技を確立することができるように、指導をしながら装具交換のサポートを行います。

また、装具交換を行いながらストーマの状況を観察し、使用している装具が利用者さんの身体の状況やストーマに適したものかをアセスメントします。

ストーマの観察は可能であれば、利用者さんや家族と一緒に行い、異常があれば早期に発見できるように指導をします。

 

皮膚トラブル対応

ストーマ周囲の皮膚は、様々な原因からトラブルが起こる可能性があります。

トラブルが起きた時は、場所や皮膚の状況を観察し、原因を推測していきます。

主な観察ポイントは以下の5つです。

 

皮膚トラブル発生時の観察ポイント

  1. 部位や範囲はどこか

  2. 発症はいつからか

  3. どのような変化か

  4. 装具は何を使用しているか

  5. 装具の交換頻度

 

以上のポイントを観察し、アセスメントをして対策を検討していきます。

皮膚トラブルの状況や、アセスメントを利用者さんに直接伝えることで、利用者さんの安心にも繋がります。

 

日常生活支援

退院後、自宅に戻って生活をすることで、入院中には考えていなかった日常生活に関する疑問が出てくることがあります。

ストーマとともに日常生活を送る上で生じる心配事や問題を、利用者さんの日々の生活を踏まえて解決できるように支援をすることは訪問看護師の大切な役割です。

例えば、食事や入浴、外出に関することは実際に自宅で生活をしてみて、疑問が生じることがあります。

食事内容が排便の状況を左右することがありますが、食事を作る人や準備をする人が誰なのか、普段どのように食事をしているのかなどを踏まえた上でアドバイスをする必要があります。

 

精神的支援

 

ストーマを造設すると、排泄の方法が変わります。

お腹に排泄口ができ、排泄物をためるパウチを装着するため見た目も変わります。

自分がストーマを造設したことを受け入れられない方も少なくありません。

入院中は、検査や手術、手術後の生活と慌ただしく過ごし、退院していざ落ち着いたときに改めてショックを受けるという人もいます。

利用者さんのストーマ造設や管理に対する思いや羞恥心を受け止め、心理面の支援をすることもケアの1つです。

また、利用者さんだけでなくストーマ管理を共に行う家族にも負担がかかりすぎていないか確認をすることも大切です。

訪問看護では、利用者さんと家族がストーマ管理を自立して行うことができるように促しますが、その時の心理状況によっては支援が逆効果になることもあります。

利用者さんの精神面の変化にも気を配っていきましょう。

 

多職種との連携

ストーマケアや皮膚トラブルに対して、多職種と共に対応する際に、連携をはかることも訪問看護師の役割です。

病院によっては、皮膚排泄ケア認定看護師が専門の外来(WOC外来)を設け、ストーマのケアを行っています。

利用者さんが外来受診をする前に現在の排泄やストーマの状況、皮膚状態などを報告することで、外来受診がより有益な機会になり外来と連携をすることができます。

ケアマネージャーや、その他のサービス提供者とも必要な情報が共有できるように連携をすることも大切です。

 

まとめ

 

訪問看護で行うストーマケアの内容を5つ紹介しました。

 

  • 装具交換
  • 皮膚トラブル対応
  • 日常生活支援
  • 心理的支援
  • 外部との連携

 

訪問看護では様々な利用者さんのお宅に伺います。

家族の人数や家族形態、部屋の広さや使用する物品なども様々です。

装具交換のやり方ひとつでも、それぞれの利用者さんに適したやり方があります。

専門知識に基づいてストーマ管理の自立に向けて支援をすることはもちろん大切ですが、完璧に管理ができるということだけを求めず、利用者さんの状況や生活の中で出来る範囲で継続できる方法を一緒に考えていくことが大切だと思います。

このケアの方法が絶対に正しいという答えはありません。

訪問看護は、利用者さんと長期間関わることが出来るので、色々なやり方を試してうまくいかなければまた別の方法を探していくことが出来ます。

利用者さんへの支援を通して、訪問看護師として成長していくことが出来るように、これからも皆さんと一緒により良いケアを探求していきたいです。

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ABOUT US
清水 千夏ライター
東京都在住/看護師・保健師/ 卒業後大学病院9年勤務 その後、派遣看護師としてクリニックやデイサービス、訪問入浴などを経験。 現在は訪問看護ステーションの立ち上げメンバーとして奮闘中です。