訪問看護では、オンコールという24時間365日いつでも利用者さんからの電話相談を受け、必要時には緊急訪問を行うという仕事があります。
夜間・早朝でも電話をすれば看護師という専門職に相談が可能なため安心感があり、在宅療養をする利用者さんにとっては、大変ありがたい制度でもあります。
しかし、オンコールはとてもハードルが高いと感じている看護師さんも少なくありません。
「オンコールに気づかなかったらどうしよう。」という不安を抱える看護師さんにとって、すぐに役立てることのできる対処法を解説していきます。
目次
訪問看護のオンコールとは?
訪問看護では、管轄の都道府県知事に届出を行っている事業所の場合、利用者さんの希望により24時間365日緊急時の対応を行います。
全国の訪問看護ステーションの8割以上が24時間対応体制をとっており、事業所ごとにオンコール当番の方法を検討し昼夜問わず利用者さんの安全や安心を守っています。
厚生労働省 意見交換 資料-3参考1 29.3.22 「【テーマ2】訪問看護 参考資料」より引用
オンコールに気づかなかったらどうなる?
オンコールの電話を持っていて、「気づかなかったらどうしよう」という不安を抱く看護師さんは少なくありません。
オンコールに気づかないことで、利用者さんの急を要する状態変化への対応が遅れてしまう危険性があります。
また、利用者さんやご家族、主治医やケアマネジャーからの不信感に繋がる可能性も高くなります。
オンコール電話を持って待機している際には、じっと電話の前で待っているのではなく家事や入浴、トイレなど日常的な生活は継続して行います。
そのため、オンコールの着信にすぐに出ることが出来ない場合もあります。
実際に私も、入浴中で着信音に気が付かず、浴後に折り返したということもありました。
幸いにも急を要する内容ではなかったため数分後の折り返しでも混乱なく対処することが出来ましたが、肝を冷やしたのは言うまでもありません。
では、このような事態がないように行う対処法はあるのでしょうか。
オンコールに気づかなかった!そうならないための対処法とは?
着信音の設定を工夫する
オンコールの着信音は、普段聞き慣れないメロディに設定しておくことで反応しやすくなります。
スーパーでの買い物中などは周りの雑音から着信音が聞き取りにくいため、カバンやポケットから出しておくと安心です。
また、オンコール用の1台の携帯電話を複数のスタッフが交代で持っている場合には、着信音の設定についても確認が必要です。
人によって着信音の設定を下げていることもあり、オンコール待機開始時には必ずチェックするようにしましょう。
充電が不十分で電源が切れてしまうと、着信できなくなってしまうため充電もしっかりとしておきます。
定期的に着信の確認をする
オンコール待機中、私は携帯電話の着信を定期的に確認します。
時折、双方の電波状況の影響か定かではありませんが、短い着信ですぐに切れてしまうことがありました。
その場で着信が取れなかった場合には、すぐに折り返し連絡し状況を確認します。
そのため、起きている間、1〜2時間に1回程度は着信の有無をチェックすることで自身も安心して過ごすことが出来ます。
夜間就寝時には定期的なチェックは難しいため、自分が聴こえる着信音の設定がされていることを確認し、リラックスして休むようにしましょう。
緊急連絡先を複数設定する
オンコールに気づかない可能性があることに強くプレッシャーを感じる場合には、管理者に相談して緊急連絡先を複数設定することを提案してみましょう。
よくある方法としては、メインのオンコール待機者に加えサブのオンコール待機者を配置する方法です。
2人体制のオンコール待機を行う場合には、緊急時の対応についても相談することができるため特にオンコール初心者の看護師さんにとっては安心です。
「オンコールに気づかなかったらどうしよう」と不安に思う看護師さんの場合には、緊張して待機していることが多くオンコールに気づかない可能性はとても低いと考えられます。
反対に、緊張感が続くことで疲弊してしまい、オンコールを含めた訪問看護業務に嫌気がさしてしまうことの方が心配です。
まずは正直な気持ちを管理者に相談し、無理なく業務を遂行できる方法がないか一緒に検討してみることが大切です。
まとめ
今回は、「オンコールに気づかなかった!」とならないための対処法をお伝えしました。
訪問看護のオンコールは、在宅療養を行う利用者さんを守り、責任の伴う重要な業務です。
そのため、オンコールを持つ看護師さんにとってもプレッシャーの大きい業務と言えます。
「こうなったらどうしよう」と言うプレッシャーを一つでも減らし、オンコールを持っても普段通り業務を行えるよう工夫していきましょう!
ビジケアでは、全国の訪問看護ステーションの管理者や従事者が集い、情報交換を行っています。
今回の記事のように、日々の業務の対策について悩みや困りごとがある方は、ぜひ一度ビジケアにご相談ください。