訪問看護のオンコールのマニュアルにどうぞ!現役訪問看護師がオンコールの不安を緩和します

訪問看護に入職したけど、日に日にオンコールへの不安が大きくなってきました。

 

このように悩む新人訪問看護師さんは少なくないと思います。

特に入職して1ヶ月〜3ヶ月頃には日中の業務を1人で行うようになり、オンコール当番を初めて行う時期でもあります。

 

今回は、訪問看護のオンコールのマニュアルとして使える記事を作成してみました。

初めてオンコールに臨む訪問看護師さんの不安を軽減する内容になっていますので、ぜひ参考に読んでみてください。

 

 

訪問看護のオンコールはマニュアルがあると安心!

24時間365日対応を行う訪問看護には、オンコールという業務があります。

オンコールというと、1人で急変時の対応を完璧にこなすようなイメージを持たれがちです。

訪問看護に一歩踏み出せない看護師さんからは、「1人で判断する自信がない。」との話がよく聞かれます。

主に夜間であるオンコール業務となると、尚更上記のような不安は大きくなるのではないでしょうか。

しかし、オンコール業務は大まかな対応はいくつかのパターンに分けられており、そのパターンを把握しておくだけでも落ち着いて行動できます

利用者さん毎のマニュアルを準備することは難しいですが、大まかなパターンをマニュアル化しておくことで、オンコールを担当する看護師さんの精神的な負担は軽減できるのです。

 

 

訪問看護のオンコールの流れ

訪問看護のオンコールは、主に営業時間終了時間から翌営業開始時間までとされています。

私の働く訪問看護ステーションでは、平日8時30分から17時30分までが営業時間となっているため、オンコールは17時30分から開始します。

翌8時30分までの15時間、代表電話への着信を社用スマホに転送します。

その間、自宅へ帰宅し家事や育児を行っています。

もちろん自身の入浴なども行いますが、常に社用スマホの着信には気づくようにしています。

オンコールで利用者さんから連絡があった場合には、緊急連絡が必要である状況を聴取して適宜対応します。

電話での相談で対応できる場合もありますし、緊急で訪問が必要な場合もあります。

オンコールを担当する際には、次のような点に注意しています。

 

訪問看護のオンコールを担当する際の注意点とは?

 

事前の情報収集が肝となる

緊急の連絡は、医療機器を使用している方や日中から体調が不安定である方、転倒リスクの高い状況にある方、退院直後である方から特に多く見られます。

24時間対応体制加算または緊急時訪問看護加算を算定している利用者さん全員が、危機的な状況にあるわけではありません。

まずは、医療的な管理を要する利用者さんや状態の変わりやすい利用者さんから優先して、情報収集をしておくといいでしょう。

 

利用者さんの情報を暗記する必要はない

利用者さんの情報を、事細かに暗記する必要はありません。

どのような疾患で、どのような医療機器を使用しているのか、医師からの指示はどのようになっているのか目を通しておくだけで大丈夫です。

カルテのどこを見れば必要な情報が載っているのか、把握しておくことが重要です。

触れたことのない医療機器が導入された場合には、パンフレットや取扱説明書を確認しておくといざというときに慌てないで済みます。

また、訪問したことのない利用者さんの場合には、実際に訪問した看護師さんからどのような利用者さんなのか聞いておくと、具体的にイメージすることができます。

もしチャンスがあるなら、お会いしたことのない利用者さんには積極的に同行をさせてもらうと、緊急時にも対応がしやすくなります。

緊急電話が来たときに、一切の情報がない状態で利用者さんからの話を聴取してもイメージが湧きにくいため、自身も焦ってしまいがちです。

焦らず対応するためにも、新規利用が始まった利用者さんの情報収集をその都度しておくことが大切です。

 

物品類の補充は十分に行う

日頃の訪問時にも物品類の補充は大切ですが、オンコールの際に自宅から直行する事業所の場合には訪問バッグの中をよくチェックしておくと安心です。

緊急訪問となった際には、身体状況を確認するためにディスポ手袋を装着する場合があります。

また、簡単な創処置が必要となった場合にはガーゼ類やテープを使用するかもしれません。

普段から持ち運んでいるものが補充されているか、十分に確認しておきましょう。

 

移動手段について確認をする

事業所によってオンコールで緊急出動する際の手順は異なります。

社用車で自宅から直行する事業所や、一度ステーションに寄って出動する事業所、タクシー移動の事業所、自転車を使用する事業所など様々です。

自身の勤める事業所のルールを確認しておきましょう。

 

サポート体制について確認をする

初めてオンコールを担当する際には、先輩訪問看護師さんがフォローにあたってくださる事業所がほとんどだと思います。

しかし、いつまでも先輩訪問看護師さんがついているわけではありません。

独り立ちしてもしばらくは、自身の判断が正しいか迷ってしまうことも少なくありません。

そのように判断に迷う際に、管理者さんや先輩訪問看護師さんなど、どなたに相談していいのか確認しておきましょう。

相談した上で判断することは、自身の安心だけでなく利用者さんにとっても有益なことが多いです。

オンコールに慣れて、緊急対応のパターンを習得するまでは、遠慮せず管理者さんや指導にあたる訪問看護師さんにフォローを依頼してみましょう。

 

すぐに出動できる準備をしておく

オンコールの当番日は、急な訪問が必要となることがあります。

飲酒は控え、不要な外出の予定は組まないようにします。

物品類を整えた訪問バッグや、訪問時に着ていくユニフォームなど準備しておきましょう。

すぐに出動できる準備ができていれば、あとはリラックスして過ごしていて問題ありません。

訪問看護では、子供がいるお母さんも多く働いています。

私も子供が小さいうちからオンコールを担当していましたが、事前の準備で無理なくこなすことができています。

下記の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。

 

 

電話対応or緊急訪問の判断

 

事前に各項目の確認や準備を済ませ、オンコールの待機を開始します。

待機していて電話が鳴ると、とても緊張します。

でも、慌てることはありません。

まずは電子カルテや情報を確認できるものを開き、利用者さんからの訴えを十分に聴取します。

 

 

聴取する内容

 

  • 利用者さんの名前(フルネーム)
  • 電話している人は誰か
  • 現在の状況
  • 本人の意識があるか
  • 本人の訴え(疼痛、呼吸苦、嘔気嘔吐、外傷など)
  • いつから症状が出現したか
  • 現在どのような状態で連絡しているか(ベッドに臥床している、床に倒れているなど)

 

 

上記の情報収集ができたら、緊急訪問が必要か、電話での対応でその後が安全に過ごせるかを判断します。

利用者さんやご家族が「見に来て欲しい。」と求める場合には、緊急訪問して必要な処置や、療養上の安全を確認します。

判断に迷うのは、利用者さんやご家族から「来てもらわなくても大丈夫だと思うんですけど念のため…。」と言われる場合です。

看護師自身の目で確認しなければ安全と言い切れない場合には、ご家族や利用者さんに必要性を説明して同意をいただき緊急訪問をさせていただく場合もあります。

 

電話対応の際のポイント

オンコールで利用者さんやご家族からの相談を受けた際、次の訪問が近日中であり緊急性の低い内容である場合や、ご家族での対処が可能と考えられる場合には電話での対応を行います。

電話でご家族に対処を依頼する場合には、ご家族の介護力や理解力も十分に配慮し、ご家族の理解力に合わせた説明を心がけます。

オンコールの電話対応の際には、上記のように具体的な情報収集を行い、利用者さんやご家族に現状考えられる事や症状の改善に向けた対策、今後起こりうるリスクを説明する必要があります。

「どのような状態になったら再度連絡が必要である。」といった一定のラインをお伝えしておくことで、利用者さんも安心して療養することができます。

電話対応を行った場合には、時間をおいて訪問看護から利用者さんに連絡しその後の状態を確認します。

訪問看護指示書を交付している主治医にも、一連の対応を報告し情報共有しておくことで、その後状態変化があった際に連携が図りやすくなります。

 

 

電話対応の際のポイント

 

  • 具体的な情報収集を行う
  • 現状起こっている事象を説明する
  • ご家族に対処を依頼する場合、介護力、理解力に合わせた説明をする
  • 今後起こりうるリスクを説明する
  • 再度連絡が必要となるラインをお伝えする
  • 時間をおいて状態確認をする
  • 主治医へ一連の対応とその後の経過を報告する

 

 

緊急訪問の際のポイント

オンコールで利用者さんやご家族から連絡を受け、緊急での対応が必要と判断される場合には、どの程度の時間で到着するかお伝えします。

安全な方法でお待ちいただくことも合わせてお伝えできるといいでしょう。

例えば、嘔吐の症状がある利用者さんの場合には顔を横に向け嘔吐物での窒息を予防したり、起き上がることができない利用者さんの場合には現状から無理に動かずにお待ちいただくなど具体的に説明します。

外来通院をしている利用者さんの意識レベルの低下や呼吸停止など急を要する内容であれば、連絡してきたご家族にすぐに救急要請をしていただくようお伝えします。

訪問診療など往診をする主治医がいる利用者さんの予測されない急変の場合には、往診の往診医に連絡します。

現場に到着したら、利用者さんのバイタルサインや全身状態の観察を行います。

必要な情報を集めたら、訪問看護指示書を交付している主治医へ報告し指示を仰ぎます。

また、医師から事前に提示されている約束指示がある場合には、その指示に則って対応します。

主治医への報告は情報を整理し、落ち着いて報告できるように慣れるまでは報告用の記入用紙などを利用すると便利です。

【Wordデータダウンロードはこちらから】緊急対応時の記入用紙

 

主治医の指示で必要な対応を行い、改めて対応後の報告を行います。

時には緊急訪問をしている訪問看護師が救急要請をすることがありますので、救急搬送の手順も合わせて確認しておきましょう。

参考:総務省消防庁 救急お役立ちポータルサイト「救急車利用リーフレット」

 

緊急訪問の際のポイント

 

  • 利用者さんやご家族に到着時間をお伝えする
  • 到着までに行っていただきたい対処をお伝えする
  • 必要な場合にはご家族に救急要請をしていただく
  • 到着したら全身状態を観察し主治医へ報告する
  • 主治医の指示に従って対応し、その後の経過を報告する
  • 救急搬送の手順を確認しておく

 

 

電話対応及び緊急対応は訪問看護記録の記載をする

 

医療保険でオンコール対応をするための24時間対応体制加算の算定要件では、利用者さんから電話相談を受けた際に電話での対応をしたり、緊急訪問を行った際には訪問看護記録にその日時や内容、対応状況を記録することが定められています。

介護保険でのオンコール対応をするための緊急時訪問看護加算の算定要件では、上記の文言は記載されていませんが、看護を提供したことには変わりないため同様に訪問看護記録の記載は必要であると言えます。

訪問看護記録に詳細を記載しておくことで、他のスタッフとも対応について情報共有を図ることができます。

病院での急変時の看護記録と同様に、その都度記録を残しておきましょう。

 

まとめ

 

今回は、訪問看護のオンコールについてマニュアルとして活用いただける内容をお伝えしました。

記事の中にある報告用の記入用紙も、ぜひ使ってみてください。

訪問看護のオンコール業務は、病院での急変と異なり利用者さんの元へ駆けつけるのにも時間を要すため電話を受けた時点での判断が実はとても重要です。

業務に慣れるまでは心身ともに緊張が続いてしまい、訪問看護自体を続けていくことが難しくなってしまう方もいるかもしれません。

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ABOUT US
石澤 明日香
埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションの管理者として立ち上げから3年半勤務。現在は訪問看護ステーションで常勤スタッフとして勤務しながら、重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ