そのように感じている人も多いのではないでしょうか。
実際、精神科訪問看護師は利用者さんとのコミュニケーションをとれば良いという訳ではありません。
今回は実際働いている経験から、精神科訪問看護におけるコミュニケーションのコツ5選を紹介させてもらいます。是非参考にしてくださいね。
目次
精神科訪問看護におけるコミュニケーションのコツ5選
1.妄想は否定しない
精神科訪問看護の利用者さんの疾患は、統合失調症、鬱や双極性障害、パニック障害、覚醒剤やアルコール依存症など様々あります。
症状として妄想が表れて日常生活に支障をきたしてしまう事もあります。
ある利用者さんは、「自分の隣にいつも綾瀬はるかがいる。話しかけると返事が返ってくるんや。」と言うのです。
なんともユニークだなと思います。
ですが、本人は至って真剣な表情で、真面目に答えるのです。本人の中には、本当に存在しているのです。
それを訪問者が、「綾瀬はるかなんか隣にいないですよ。」なんて言ってしまえば、本人からすれば、自分の言っていることを否定された!!と感じてしまい、看護師に不信感を抱いてしまう場合があります。
本人の言っていることは否定せず。なぜそのような妄想が出現しているのかを考えることが大切なのです。
2.向かい合っては座らない
私は訪問しているときは、向かい合っては座らないことを心がけています。
向かい合って座るとお互い妙な緊張感が生まれることが多いです。
私自身も向かい合って座っていたことはありますが、利用者さんが緊張して話ずらそうにされていると感じました。
精神科訪問看護は在宅で生活するなかで、日常生活で抱える不安や問題などをサポートするのも重要なので役割なので、相手が身構えてしまうと上手く援助が出来なくなります。
部屋が狭くどうしても向き合って座らないといけない状況以外では、座らないようにしています。
3.相手は写し鏡である
訪問看護をしていて本当に相手は写し鏡だなぁと痛感されられます。
毎日5、6件訪問していると、私自身に全く心を開かず、警戒し受け入れてくれない利用者さんも中にはいます。
そのような利用者の訪問は、どうしてもこちらも身構えて緊張感が出てしまうものです。
相手も敏感なのでこちらが身構えていることはすぐに気付き、余計に受け入れが悪くなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
これでは、いつまでもうまく看護が出来ないと思い、考え方を変えるようにしました。
相手が警戒しているのではなく、私自身が勝手に警戒しているだけだと思うようにしたのです。
そのように感じてから私の中で、警戒を解き、まずは自分から心を開こうと決めコミュニケーションを図りました。
すると利用者の方も徐々に警戒を解き色々と話してくれるようになりました。
4.言葉遣い、接遇マナーはきちんと守る
精神科訪問看護は、言葉遣い、マナーはとても重要です。
病院の患者さんも言葉遣いは大切では?
そう感じる人もいると思います。ですが、病院と違い自宅で生活している人の家では相手のテリトリーに足を踏み入れることになります。
余計に警戒する人だっています。
精神科訪問看護では年配の利用者さんも多いので、病院で働いている時以上に言葉遣いは注意する必要があると考えます。
また自宅に置いてある物などを移動する場合などは不用意に移動させるのは避けたほうがいいです。
なぜならば、本人のこだわりがある可能性もあると予測できるからです。
まずは利用者に確認をとってから行動する必要があります。
そうする事で相手も不快に感じる事なくコミュニケーションも取りやすくなります。
5.精神症状が悪化する兆候(サイン)を見つける
これは慣れていなければ少し難しいかもしれません。
精神科訪問看護の訪問時間は約30分のことが多いです。
限られた時間の中で、利用者さんの現在の精神症状を把握する必要があります。
利用者さんの自宅に訪問した際、夜間寝れず、早口で落ち着きがない利用者がいました。
その時は、原因はなんだろうか?と考えました 。
ある時気付いたことは、精神症状が不安定のときはいつも実母と会っている次の日だったのです。
話を聞く中で実母との関係性が非常に悪かったと知ることになります。
精神症状が悪化する兆候を知ることができれば、どのようにすれば、その状況を抜け出すことが出来るのかを考えやすくなります。
まとめ
今回は、精神科訪問看護のコミュニケーションのコツ5選を紹介させてもらいました。
精神疾患は本当に人それぞれあり、その人に合った対応が大切です。
ですので、一概にその対応が正しいというのは大変難しいと思います。
正解がない分利用者さんにとって何が正しいのか、試行錯誤しながら関わっていけるやりがいもあります。
今回紹介した内容が参考になれば幸いです。