訪問看護におけるリハビリのおすすめの評価を紹介します!

訪問看護におけるリハビリでの評価に悩みを抱えている療法士さんは多いのではないでしょうか。

訪問リハビリは、とにかく時間に終われます。

利用者さんの体調のチェックをしながらリハビリを提供し、時には家族への対応も必要です。

そんな中で評価に多くの時間を割くのは難しいです。

今回は、短い時間で取り入れやすいリハビリでの評価方法について解説します。

 

訪問看護におけるリハビリで使えるおすすめの評価とは?

訪問看護におけるリハビリで使えるおすすめの評価は、以下の4つです。

  • 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)
  • Bedside Mobility Scale(BMS)
  • LSA(Life Space Assessment)
  • カナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure:COPM)

 

それぞれについて説明します。

 

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)

 

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)は、地域や施設等の現場において「保健師等が何らかの障害を有する高齢者の日常生活自立度を客観的かつ短時間に判定することを目的として作成したもの」です。

日常生活自立の度合いを4段階にランク分けしており、リハビリ専門職以外でも使用可能な評価です

評価に特別な物品は不要であり、対象者の普段の生活状況を参考に評価を行うため、特別な評価の時間も必要ありません。

 

引用)厚生労働省「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)

 

訪問リハビリでは定期的にリハビリテーション総合実施計画書を発行します。

その計画書内に日常生活自立度の記載欄が設定されていることがあります。

計画書等の書類作成時に必要となる情報であるため、わざわざ改めて評価時間を取る必要はなく、訪問看護のリハビリでも使い勝手のよい評価になります。

類似した評価として、認知症高齢者の日常生活自立度もあります。

 

引用)厚生労働省「認知症高齢者の日常生活自立度

 

Bedside Mobility Scale(BMS)

 

BMSは、対象者の動作能力を観察する評価です。

寝返りや立ち上がり、移動などの生活で必要な動作を0から4点で評価します。

訪問リハビリを利用している要介護者に対する信頼性・妥当性も検証されており、PTガイドライン第二版でも使用が推奨されるなど標準化された評価になります。

所要時間はほとんどなく、リハビリ中の動作を観察していれば評価できます。

また、評価に必要な物品はありません。

評価の視点を身につけるまでの慣れは必要ですが、慣れれば日頃のリハビリと同時進行で評価を終えることができ、時間をかけずに動作能力を評価できるという点で有益な評価になります。

 

参考)牧迫ら:「要介護者のためのBedside Mobility Scaleの開発」,理学療法学,35巻,3号,81-88,2008

 

LSA(Life Space Assessment)

 

個人の生活における生活範囲や離床頻度をみる客観的評価です。

対象者が日常的に外出した範囲を5段階120点満点で評定します。

質問数は15問であり、比較的短時間で評価を終えることができます。

居室内から、自宅周辺の外出距離まで、実際の生活範囲を確認することができます。

評価に必要な物品は評価用紙のみとなります。

在宅生活の移動に関しては、介助量を示すFunctional Independence Measure(以下FIM)でも評価をすることができます。

 

補足

FIMとは生活上に必要な介助量を各項目7点満点で示す評価になります。全項目を合計すると126点満点となります。

 

しかしFIMでは移動に関する詳細な問題点が分かりづらいです。

LSAを使用すれば、距離という観点から「移動したいけど、行けていない場所」など具体的な困り感の特定に紐づけることができます。

 

カナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure:COPM )

 

COPMは、作業療法領域で主に用いられる自己報告型の評価です。

半構造化面接を通して、対象者の「大切な作業」を特定し、重要度・遂行度・満足度を10段階にて質問します。

評価者が点数を付けるのではなく、対象者が主観的な点数をつけることが特徴となります。

所要時間は20-40分程度とされてます。

近年では脳性麻痺リハビリテーションガイドラインに表記され、かつ理学療法の実践報告でも使用される等、作業療法士に限らず多くのリハビリ職が利用できる評価になります

評価に最低限必要な物品は、重要度・遂行度・満足度の記載されたシートになります。

COPMは多くの対象者に適応となる評価ですが、使用者の熟達度合いにより、評価の所要時間や抽出できる情報の個人差が生まれやすいという特徴があります。

 

引用)COPMの活用で、当事者主体の作業療法を

 

まとめ

今回は訪問看護におけるリハビリで使えるおすすめの評価について、以下の4つの評価を解説しました。

 

  • 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)
  • Bedside Mobility Scale(BMS)
  • LSA(Life Space Assessment)
  • カナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure:COPM)

 

忙しい訪問看護におけるリハビリの中でも、短時間で簡単に使える評価を紹介させて頂きました。

病院のリハビリと違い、評価の時間をゆっくり取ることが難しいのが訪問看護のリハビリです。

しかし数値として一つでも評価を記録しておくと、「〇〇さん、ここがとても良くなりましたね!」など利用者さんへの成果報告にはとても役立ちます。

現実的に実施可能な評価を検討することは、リハビリ専門職として大切な視点かと思います。

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