訪問看護を利用者さんに提供する際には、訪問看護計画書の作成が不可欠です。
では、訪問看護計画書は誰に提出する必要があるのか把握していますか?
今回は、「訪問看護計画書をケアマネに提出する必要があるのか?」という疑問にお答えします。
目次
訪問看護計画書とは?
訪問看護計画書とは、訪問看護を提供する際に利用者さんの状態に合わせた看護実施の計画を記載するものです。
また、訪問看護計画書は看護師、保健師が作成することが定められており、准看護師は作成することができません。
厚生労働省では、訪問看護計画書について以下のように示しています。
訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること。なお、既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること。
厚生労働省「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」より引用
上記のとおり、訪問看護計画書は以下の要点を踏まえて作成する必要があります。
- 主治医の交付する訪問看護指示書に基づいた計画であること
- ケアプランの内容に沿った計画であること
- 利用者さんの希望や目標を踏まえた計画であること
訪問看護計画書は誰に提出する?
さて、前項にある要点を守り作成した訪問看護計画書は、誰に提出するのでしょうか。
厚生労働省「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」によると、以下の記載があります。
主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと。
このように、訪問看護計画書は訪問看護指示書を交付する主治医へ提出することが義務付けられています。
訪問看護計画書を作成する頻度については「定期的に」との記載はありますが、明確な定めはありません。
しかし、主治医との密な連携を図るためには、訪問看護計画書は月に1回の頻度で提出するのが望ましいでしょう。
毎月の提出をしない場合には、初回訪問時に立案した訪問看護計画書は、少なくとも利用者さんの状態に変化があったときや訪問看護指示書に変更があったとき、ケアプランが更新・変更されたときには提出を行いましょう。
また、利用者さんやご家族に訪問看護計画書に立案した内容を説明し、同意を得る必要があります。
看護師等は、訪問看護計画書の作成に当たっては、その主要な事項について利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得なければならない。
看護師等は、訪問看護計画書を作成した際には、当該訪問看護計画書を利用者に交付しなければならない。平成十一年厚生省令第三十七号「居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」七十条
訪問看護計画書をケアマネに提出する必要があるのか?
では、訪問看護計画書はケアマネジャーに提出する必要があるのでしょうか。
「令和3年版 訪問看護実務相談Q&A」によると、以下のように記載されています。
居宅介護支援事業所に提出する義務はない。
なお、居宅サービス計画に基づき訪問看護を行い、担当のケアマネジャーから訪問看護計画の提供の求めがあった場合は、提供に協力するよう努めるものとされている。
「令和3年版 訪問看護実務相談Q&A」より引用
このように、ケアマネジャーへの訪問看護計画書の提出は義務付けられていません。
しかし、初回訪問時に作成した訪問看護計画書や、訪問看護計画書に変更があった際には主治医だけでなくケアマネジャーへも共有することで適切な連携を図ることができます。
ケアマネジャーへの訪問看護計画書の共有頻度については、事業所でよく話し合うと良いでしょう。
訪問看護とケアマネジャーが十分に情報共有を図ることで、利用者さんへのスピーディなサービス提供ができ、利用者さんにとって良い結果を生み出すことができます。
まとめ
今回は、訪問看護計画書をケアマネジャーに提出する必要があるのか、という疑問にお答えしました。
訪問看護計画書や訪問看護報告書の内容や提出についてのルールは、混同しがちです。
それぞれのルールを把握し、適切な書類提出を行いましょう。
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