精神科訪問看護は何をする?精神科訪問看護の実際を解説します

精神科訪問看護師の仕事に興味はあるけど、実際何をするの?

 

上記のように考えている看護師さんも多いのではないでしょうか? 

精神科訪問看護では実際何を知らずに入職する場合も多いと思います。

しかし、事前にある程度知っておいた方が入職後のズレもなくなり、早期離職の危険性も減ります。 

今回は、現役の精神科訪問看護師の視点から、精神科訪問看護師は何をするのかを解説します。

これから精神科訪問看護への入職を考えている看護師さんは、ぜひ参考にしてくださいね。 

 

誰でも精神科訪問看護師として働けるの?

実は、正看護師及び准看護師の資格だけでは精神科訪問看護師として働くことができません。

精神科訪問看護師として訪問看護を提供し、提供した看護を保険算定するには以下の条件のいずれかを満たす必要があります。 

 

 

  1. 精神科(病棟、外来勤務)した経験が1年以上 
  2. 精神科訪問看護の経験が1年以上 
  3. 精神保健福祉センターまたは保健所で精神保険に関する業務の経験が1年以上 
  4. 研修(20時間以上)を修了している人 

 

どれか1つでも条件を満たしていれば、精神科訪問看護師として働くことができます。

研修は短期間であり、比較的すぐに修了することができます。 

経験がなくてもまずは精神科訪問看護の事業所に入職してから研修受講できることが多いです。 

実際私が勤務している事業所でも未経験から入職し、研修を受けて精神科訪問看護を実践している看護師がいます。

そのため、精神科に携わったことがない未経験の看護師さんでも問題なく働くことができます。

 

パソコン

 

精神科訪問看護は訪問日数、訪問時間に決まりはあるの?

 精神科訪問看護においては、以下のように訪問日数や訪問時間に決まりがあります。

訪問日数  訪問時間 
週3回まで  基本30分以上90分未満 
精神症状が悪化して、週3回以上の訪問が必要な場合は、医師の特別指示書が必要になります。  本人の調子に合わせて、場合によっては、90分以上訪問することも稀にあります。 

 

精神科訪問看護はどのような場所に訪問するの?

精神科訪問看護では、利用者さんの自宅に訪問することが多いです。 

自宅以外では、グループホームなどの施設も訪問することもあります。 

利用者さんの自宅、プライベートな空間にお邪魔をするのが、病院との大きな違いですね。 

あくまでもお邪魔させてもらっているという意識を持たないと、「もう来ないでくれ」となる可能性があります。 

 

精神科訪問看護は何をする?

精神科訪問看護では、以下のようなケアを行うことが多いです。

 

  1. バイタルサイン測定
  2. 服薬管理
  3. 食事摂取状況に基づく体重管理、排泄管理
  4. 日常生活のサポート
  5. 精神症状の把握
  6. 他職種との連携
  7. 家族との悩み共有、意見交換

 

次項より詳しく解説していきます。

 

1.バイタルサイン測定

体温、血圧、脈拍、酸素飽和度の測定を行います。 

利用者さんは、高齢の方や基礎疾患を抱えている人も多くいるので、 訪問の際は必ずバイタルサイン測定をします。 

特に感染症の罹患はどの利用者さんにもあり得ることなので、発熱、風邪症状には注意が必要です。

体調変化が見られる場合には適切な対応をとる必要があります。 

 

2.服薬管理

服薬管理はとても重要です。

拒薬する利用者さんもいるため、利用者さんの服薬管理状況を十分に観察します。

訪問時は薬を自己の判断で破棄し、「飲み忘れなく飲んだ」とあっけらかんと発言する場合もあります。 

今の精神状況、生活環境を観察しながら、服薬の状況も把握していく必要があります。 

 

3.食事摂取状況に基づく体重管理、排便管理

抗精神病薬の影響もあり、副作用から体重の増加や便秘傾向になる利用者さんもいます 

そのため、便秘症状がある腹部症状の観察や腹部マッサージを行います。 

便秘が続くようであれば、看護師から主治医に下剤の調整を提案する場合もあります。 

食事摂取量や体重の増減についても重要な観察ポイントとなります。

薬の効果と合わせて身体症状の観察をする点では、一般的な訪問看護と共通した部分です。

 

4.日常生活のサポート

利用者さんが日常生活で困っている事について話を聞き、セルフケア向上に努めます。 

些細なことでも、できない事があればその出来ない理由を聞きどうして難しいのかアセスメントします。

また、どのようにしたら解決するのかを一緒に考えサポートしていきます。

 

5.精神症状の把握

身体的な異常を把握することも大切ですが、精神科訪問看護師は、精神症状の把握が特に重要になってきます。

  • 利用者さんの精神症状が悪化する引き金はなんなのか?
  • 調子が悪化したときの対処方法はあるのか?
  • 調子が、悪くなったときはどのような症状が現れるのか?

本人とコミュニケーションを図りながら把握していくことが、重要だと考えます

 

6.他職種との連携

退院後や精神症状が悪化している場合、他職種のカンファレンスを開く場合があります。

主治医、生活相談員、ヘルパー、ケアマネージャーなど、様々な職種の人が集まります。

そして、利用者さんの現状や今後の方向性を会議の中で考えていきます。

会議以外でも情報共有のために、他職種連携は活発に行われます。

訪問で利用者さんの状態で気になる所があれば、他職種に報告するのも重要な役割です。 

 

7,家族との悩み共有、意見交換

家族とのコミュニケーションを行う役割も、精神科訪問看護師において大切です。 

一番近くで支援している家族のよき理解者となることができると、家族の負担軽減にもつながります。

精神疾患を抱える母が、誰にも打ち明けられず、唯一精神科訪問看護の介入時に思いや悩みを打ち明けられるような場合もあります。

精神科訪問看護師は、利用者さんだけでなくその周囲を取り巻く関係者との架け橋となることも少なくないのです。

 

 

訪問以外での業務はあるの?

精神科訪問看護では、訪問業務以外にも行う業務があります。

一般的な訪問看護と同様に、書類業務は切り離せない仕事です。

では、看護記録や報告書の作成について、詳しく解説していきます。

 

1.日々の看護記録 

本日、訪問した利用者の精神科訪問看護記録を記載します。 

訪問時に記載するのか、事務所に戻って記載するのか、それは事業所の方針によって様々です。 

いずれであっても、他の職員と利用者さんの状況が共有できるよう記録を行う必要があります。

また、月に1度GAF尺度での精神面の評価を行います。

そのため、GAF尺度についても詳しく把握しておくことをお勧めします。

 

 

2.精神科訪問看護計画書、精神科訪問看護報告書の作成 

精神科訪問看護計画書とは、精神科訪問看護をどのように行う計画であるか詳細に示した書類です。

必ず利用者さんに同意を得ることと、主治医に提出する義務があります。

精神科訪問看護師はこの計画書に基づき、精神科訪問看護を提供します。

また、利用者さんの一月の状態をまとめて精神科訪問看護報告書に記載します。 

精神科訪問看護報告書についても、主治医に提出する義務があります。

厚生労働省に定められたルールに基づき、書類作成を行っていく必要がありますので注意しましょう。

 

 

3.その他雑務 

 駐車場代金の計算、主治医から届いた指示書のファイリング、車のメンテナンスなどがあります。 

雑務の多さは訪問ステーションに事務員が常駐しているか、いないかで大きく変わると考えられます 

小規模だと、どうしても雑務は増える印象があります。 

 

終わりに

今回は、精神科訪問看護は何をするのか、という疑問に対し詳しく解説しました。

精神科訪問看護と一言に言っても、なかなか想像することは難しいですよね。

精神科看護が未経験である場合には、尚更想像は容易ではないと思います。

この記事が、精神科訪問看護に少しでも興味がある看護師さんの参考になることを願っています。

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ABOUT US
石澤 明日香
埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションで5年半勤務。令和4年9月に訪問看護ステーションアスエイドを開設、代表取締役兼管理者を務める。そのほか重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ