
目次
症例紹介
VS:HR98回/分(整) BP100/60(72)mmHg SpO2 93% RR24回/分 BT37.5°C JCS0 GCS4/5/6
VS + ABCD評価を行い、緊急性を判断し、ショック+〇〇停止であれば、 即緊急コールを行いましょう。また、救急搬送までに、急変対応を行いましょう。
息切れ(呼吸困難)とは
- Common(一般的)な主訴
- 呼吸が不快だという主観的な体験であり、様々な強さの質的に異なる複数の感覚(吐きづらいのか、吸いづらいのかなど

ABCDアプローチを行い、安定化を試みましょう。
低酸素血症を認めていなくても、呼吸数や努力呼吸で代償している可能性があるため、安易にサチュレーションの値が正常だからといって安心しないようにしましょう。
フィジカルアセスメントの原則
息切れは、ABCD評価のA、Bを中心にみていく必要があります。
問診は下記のOPQRSTを用いて、聴いていきます。
息切れとCOVID -19
息切れで思い浮かべていただきたい疾患は、呼吸器の疾患、心血管の疾患、組織の低酸素、心因性の4つです。
突然の発症
1番怖いのは突然の発症です。胸痛編で解説した気胸や肺梗塞、心筋梗塞(心不全症状)が考えられます。
また、突然の発症として考えられることに上気道狭窄もあります。上気道狭窄は、吸気性、呼気性の2種類があります。
吸気性は吸う時に喘鳴(ストライダーと呼ばれる連続性の副雑音)が聴こえることが特徴です。アナフィラキシーが起こった際に、喉が腫れ気道が狭くなることで生じることがあります。他に上気道狭窄を起こすものとして、急性喉頭蓋炎もあります。
呼気性の喘鳴(ウィーズ、笛声音)は、喘息発作が考えられます。喘息発作は急速に進行します。
緩徐に進行するものは、肺炎、慢性心不全、COPD増悪、貧血がありあます。
増悪
突然、気胸が発症して増悪すると緊張性気胸になります。循環も一瞬で破綻し生命に関わります。ショックの兆候をあわせて観察することが大切です。
起座位で緩和
起座位で緩和することが特徴の疾患は、呼吸器系の疾患と心不全があります。
呼吸器系の疾患では、頭を起こすことで横隔膜が下がるので、息がしやすくなります。
心不全は、血液を送る力が弱くなっているため肺に水がたまりやすい状態(肺水腫)になっています。そのため、頭をあげると心臓に還ってくる血液が少なくなるため肺水腫の症状が少し緩和します。
随伴症状
咳と発熱では、肺炎や気管支炎の可能性があります。動悸とめまいからは、貧血や頻脈、胸痛では狭心症や心筋梗塞、肺梗塞などが考えられます。不安がありパニック障害等の精神疾患の既往があれば心因性の可能性も考慮します。
この他、海外渡航歴や都市部などからの県外移動がないかも確認します。
COVID -19
※以下の情報は2021年10月以前の情報を基にしています。
症状
息切れがある際は、COVID -19の可能性も考慮します。
息切れの他、発熱、咳、筋肉痛、嗅覚味覚障害などの症状がないかも確認します。
年齢層による臨床像の比較
各年齢層により発症率が違うので、年齢もリスクファクターとして考えておくと良いでしょう。
18〜64歳では、無症状の割合が20%のため症状がないからと言って安心しないようにしましょう。
COVID -19の特徴としては、SpO2が低くても無症状で、急激に状態が悪化することがあるので、その点も留意しておきましょう。
症状の経過
約80%が軽症で、発症〜1週間程度でかぜ症状や嗅覚味覚障害がでます。
約20%が、発症1週後に肺炎症状が増悪し入院することがあります。
約5%が超重症となり、集中治療室でNPPVマスクや挿管をしたり、ECMO(人工肺とポンプを用いた体外循環による治療)で治療を行います。

発症様式と経過を知っておくことが大切です
重症化リスク
上記の重症化リスクもおさえておきましょう。
重症化した場合の対応
重症化しSpO2が93%を切った際、酸素化が保てない場合は挿管管理をします。
陰圧個室の場合は、リザーバー付きマスクやネーザルハイフローなどで管理し、それでもSpO2が保てない時に挿管管理となります。

重症化する前に早期に発見し対応することが大切になります
まとめ
- 息切れは、ABの異常を疑い、その後C、Dの異常も考える
- 呼吸器、心血管、組織の低酸素、心因性を随伴症状から思い浮 かべる
- コロナは念頭におくけど、それ以外の疾患を見落とさない
- 息切れはとっても恐怖
動画で勉強する
























今回から、息切れ(呼吸困難)編の解説をしていきます。
学習目的は、よくある症状の中の息切れのアプローチについて知ることで、緊急対応につなげることができることです。