経営者の皆さんは従業員に毎月渡し、管理者や従業員の皆さんは会社や病院から毎月もらう給与明細書。貰ったら封を開けずにそのままの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
筆者はそのタイプです!!
さて、そんな給与明細書ですが記載されている内容は大事なことばかりです。今回は給与明細書の見方、それぞれの項目を解説していきます
それでは参りましょう!
- 給与とは?
- 支給項目の説明
- 所定内給与の説明(家族手当、役職手当、資格手当、通勤手当等)
- 所定外給与の説明(時間外勤務給、休日勤務割増給等)
- 控除項目の説明(社会保険料、税金関係等)
- 勤怠項目の説明(欠勤日数等)
目次
給与とは
給与(きゅうよ、英: salary、サラリー)は、雇用契約に基づいて雇用主から従業員へ定期的に支払われる、労働の対価報酬。 なお、類似語として賃金があるが、労働基準法の用語である。
余談ですが、サラリーマンのサラリーは「給与」から来ています!
給与の全体像
給与の全体像は、以下の構成になっています。①、②の合計が、給与明細の『総支給額』です。
ここから『控除総額』を引いたものが、手取り額と呼ばれる『差し引き支給額』になります。
年収で見ると、③臨時給与も給与額に含まれます。
給与明細書のイメージ図
上記はある病院の給与明細書の一例です。難しい言葉が細かく記載されています。それぞれ解説していきます。
支給項目
支給項目には、支給額が項目ごとに記載されています。
基本給と諸手当を併せたものを所定内給与(明細書例の1段目)と呼び、残りの部分が所定外給与(明細書例の2段目)です。以下、それぞれの代表的なものを紹介していきます。
所定内給与
労働契約、就業規則等によって予め定められている支給条件、算定方法によって支給される給与のうち、超過勤務等に対する給与以外のものをいいます。
一般的には、「基本給」と、「手当」(家族手当、住居手当、役職手当など)のことです。
給与の基本の部分です。病院・会社ごとの給与規定により、年功給、職務給、年功給+職務給など、いろいろな決め方のパターンがあります。
基本給では充足できない部分を補う給与項目です。代表的なものを下記に示します。また、手当の呼び方はいろいろありますが、ここでは代表的な名称を使用します。
家族手当
家族を扶養している人に対して、家族の増加による生活費の増加を補う目的で支給される手当です。
役職手当
管理職・役付者に支払われるもので、管理職手当、職責手当などの呼称があります。この手当は、他の職員よりも職務遂行上の責任や役割が重いということに対して支給されるものです。
資格手当
看護師という資格について支払われる手当です。
交代勤務手当
夜勤手当とは別に、短い期間で昼夜の労働時間が目まぐるしく変わる看護職の過酷な労働に対して、病院によっては手当が支給されることがあります。
通勤手当
通勤の費用に対して支払われます。1か月10万円までの通勤手当は非課税となり、所得税・住民税がかかりません。ただし、マイカーや自転車通勤の場合は距離に応じて非課税限度額が定められています。
所定外給与
所定労働時間外の勤務を行ったことに対する給与です。一般には、「〇〇手当」の名称で呼ばれ、看護職の給与ではこの部分の支給額が多いのが特徴です。代表的なものを下記に示します。
法定労働時間(原則1週40時間、1日8時間)を超えて就労した場合、給与の25%増しの給与を支払うことが労働基準法で定められています。
計算方法
1時間当たりの給与(基本給+諸手当(住宅手当、家族手当、通勤手当を除く)÷所定労働時間 (160時間など))×1.25(1日8時間又は1週40時間を超える場合)×残業時間数
法律で定められた休日(法定休日)に就労する場合、給与の35%増しの給与を支払うことが労働基準法で定められています。法定休日以外の就労については、この計算か上記「時間外勤務給」の計算による支払いが必要です。
計算方法
1時間当たりの給与(基本給+諸手当(住宅手当、家族手当、通勤手当を除く)÷所定労働時間 (160時間など))×1.35×休日勤務時間数
午後10時から午前5時までに就労する場合、給与の25%増しの給与を支払うことが労働基準法で定められています。残業等が深夜にまで及んだ場合は通常の割増に深夜割増が加算されます。
計算方法
1時間当たりの給与(基本給+諸手当(住宅手当、家族手当、通勤手当を除く)÷所定労働時間 (160時間など))×0.25×深夜勤務時間数
控除項目
「控除」項目には、給与から差し引かれる額が項目ごとに記載されています。
社会保険料
健康保険料
私たちが加入する健康保険制度は、勤める病院・施設によって組合健康保険と全国健康保険協会健康保険(協会けんぽ)の2種類があります。健康保険料は、標準報酬月額(4・5・6月の給与の平均額)に保険料率(令和3年3月時点9.84%(協会けんぽ東京の場合)下図参照)を掛けて計算し、それを病院・会社と職員が折半して負担します。
標準報酬月額20万円×9.84%=19.680円(病院・会社と本人それぞれが9,840円ずつ負担します)
制度上は4月、5月、6月は残業代がつかないように等働き、収入を抑えて保険料を軽減することも可能です。
介護保険料
40歳以上になると保険料(保険料率(協会けんぽの場合):令和3年3月時点では1.8%)を負担します。介護が必要と認定されたときに、費用の一部(原則10%)を支払って介護サービスが利用できる制度です。病院・会社と職員が折半して負担します。
厚生年金保険料
病院や訪問看護ステーション等に勤める看護職は、年金制度の基礎部分となる国民年金と、お勤めする人のための上乗せ制度である厚生年金の二つの年金制度に加入しています。厚生年金の保険料は、標準報酬月額に18.003%(下図参照)を掛けて計算します。保険料は病院・会社と職員が折半して負担します。国民年金および厚生年金保険料を合わせて、厚生年金保険料という名称で毎月の給与から天引きされます。
標準報酬月額20万円×18.003%=36.600円(病院・会社と本人それぞれが18.300円ずつ負担します)
厚生年金基金(企業年金)
企業年金制度のひとつで、厚生年金の一部を国に代わって病院・会社が上乗せする制度です。また、この制度がある病院・会社では、国民年金・厚生年金・企業年金の三つの年金制度から年金が支払われます。就業規則などで詳細を確認できます。
雇用保険料
労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進を目的とした保険です。失業した場合は給付金(いわゆる失業保険)が支払われます。3年加入していると、教育訓練給付制度も利用できます。賃金総支給額×0.9%で、一般事業所の場合雇用者が0.3%、被雇用者が0.6%負担します(令和3年4月~)。
・社会保険料の合計
健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料の合計額です。所得控除となり、所得税・住民税の課税対象外となります。
※賞与からも、月給とほぼ同様に上記保険料が差し引かれます。
・課税対象額
給与から社会保険料や扶養控除などを控除した金額です。
税金関係
所得税
個人の所得に対してかかる税金。課税対象額に税率(又は税額表)を適用して税額を計算します。所得税は毎月の給与や賞与から源泉徴収され、12月あるいは年始の給与で過不足額の精算(年末調整)が行われます。
住民税
都道府県民税と市区町村住民税の総称。前年度の所得に応じた税額が徴収されます。
その他
財形貯蓄
非課税、天引きで貯蓄できる制度。さまざまな財形制度があり、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は非課税です。勤務先の病院・会社に財形貯蓄制度があれば利用できます。
勤怠項目
「勤怠」項目には、勤務の状況が記載されています。
欠勤日数
休んだ日数に応じて月給から給与が差し引かれます。一方、年次有給休暇(有休)を使って休んだ場合は給与の減額はありません。「欠勤」の定義は病院・会社によって異なり、就業規則に記載されています。
まとめ
今回は給与明細の見方、それぞれの項目について解説しました。
給与明細書には支給されるもの、控除されるものなどが一覧で記載されています。
ご自身で受け取っている給与。その詳細をより深く知ることで、前向きに仕事に取り組めるのではないでしょうか。
今後筆者は隅々まで給与明細書を確認したいと思います!
今回参考にさせていただいた記事:公益社団法人日本看護協会.5分で分かる給与明細























