訪問看護師って大変だと感じた瞬間を5つ紹介します!

 

看護師

訪問看護って何だか大変そうだな

どんなところが大変なんだろう

 

「訪問看護=大変」そんなイメージはありますか?

もちろんどんな仕事にも大変なところがあります。

病院で看護師として勤務をしていても様々な大変な瞬間がありますよね。

この記事では、訪問看護ならではの大変さをお伝えします。

この記事を読むと、以下のことが分かります。

 

・実際の経験を通して、訪問看護師で大変だと感じたこと

・大変さを乗り越えて得られるもの

 

訪問看護師で大変だと感じた瞬間

 

私が訪問看護師として働いて、訪問看護師で大変だと感じた瞬間は以下の5つです。

 

・悪天候の日の訪問

・夜間の緊急訪問

・限られたスペースでの入浴介助

・決められた時間内での訪問

・衛生環境の悪いお宅への訪問

 

1つずつ解説していきます。

 

悪天候の日の訪問

訪問看護は、自転車や車などで利用者さんの自宅に行き看護を提供します。

悪天候の日はいつも以上に運転に注意が必要です。

また、レインコートなどを着用するため荷物も増えます。

以下は、慣れない雪の影響を受け大変だと感じた経験談です。

 

経験談

東京都内の訪問看護ステーションに勤務し、自転車で訪問をしていました。

雪が降った翌日。

前日の雪はほとんど溶けていましたが、凍結している箇所があり地面が滑りやすくなっていました。

自転車で滑って転ばないように、訪問にも遅れないように注意しながら1日の訪問を終えました。

無意識に運転中に体に力が入っていたようで、翌日筋肉痛になり、天候の影響を受ける訪問看護は大変だなと感じました。

 

 

夜間の緊急訪問

 

訪問看護ではオンコール体制を取り入れている訪問看護ステーションが多くあります。

オンコールとは、利用者さんの急変など緊急時に備えて24時間365日対応ができるように体制を整えて待機することです。

オンコール当番の日は、夜間や休みの場合でも緊急電話が鳴り急遽訪問に出かける可能性があります。

以下は、夜間の緊急訪問をしたときの経験談です。

 

経験談

オンコールを担当するように鳴り、まだ日が浅い頃でした。

深夜に緊急電話がなり、終末期の利用者さんから訪問要請がありました。

初めての夜間の訪問で、利用者さんのお宅までの距離が昼間より長く感じました。

訪問を終え利用者さんのお宅を出る頃には、空が明るくなってきていました。

翌日も勤務日だったため、自宅に帰り少し休んでから出勤しました。

睡眠時間が短かったこともあり、翌日は昼休みに仮眠をとって1日を乗り切りました。

夜中の訪問の大変さを感じました。

 

 

限られたスペースでの入浴介助

訪問看護では入浴の介助を行うことも多いです。

病院の浴室は介助をしながら入浴をするために十分なスペースが設けられています。

一方で、自宅では介助をしながら入浴するには狭いと感じる浴室も多くあります。

利用者さんも訪問看護師も安全で、かつ利用者さんに心地よく入浴をしてもらうには物品の工夫や入浴方法の検討が必要です。

 

経験談

先天性の股関節の変形がある利用者さんのお宅に、入浴介助のために訪問をしていました。

浴室内の洗い場は、大柄な利用者さんと訪問看護師が入ると引き戸の開け閉めが困難になるほどのスペースでした。

洗い場ではシャワーチェアを使用し、股関節の変形により動作制限があるため、安全に浴槽をまたぐためにバスボードを使用していました。

大きめの福祉用具を使用していたこともあり、狭いスペースで安全に入浴介助を出来るようになるまでに時間がかかりました。

病院では、入浴介助が必要な場合は、ストレッチャーやシャワー用車いすを使用して、広い浴室で介助を行うことが当たり前だったため、限られたスペースで安全に入浴介助を行うことはとても大変だと感じました。

 

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決められた時間内での訪問

 

 

訪問看護では、利用者さんのお宅に滞在する時間(提供時間)はあらかじめ決められており、時間内でケアを行います。

具体的には以下のように決まっています。

 

介護保険:ケアプランに沿って、①20分未満、②30分未満、③30分以上1時間未満、④1時間以上1時間30分未満

医療保険:30分~90分

 

決められた時間内で必要な支援を行う必要がありますが、訪問したときの状況によっては時間内に全て行うことが難しい場合もあります。

 

経験談

利用者さんは、80歳代の独居の女性でした。

体調確認と内服薬の配薬のために週1回、60分の訪問をしていました。

訪問中に、数日間便が出ておらず腹部の不快感があると訴えがありました。

便の貯留が確認できたので、利用者さんが持っていたイチジク浣腸を実施しました。

多量の排便が出た後も少量ずつ排便が続き、何度もトイレと部屋を往復しました。

便による洋服の汚染もあり更衣も行い、落ち着いたころに訪問時間が終了しました。

内服薬の配薬を行えなかったため、近所に住んでいるご家族に状況を報告し、次回訪問日までの配薬をお願いしました。

訪問時の状況で、時間配分やケア内容の変更をその場で考えなければいけないことに大変さを感じました。

 

 

衛生環境の悪いお宅への訪問

訪問するお宅の環境は利用者さんによって様々です。

散らかっている、衛星環境が悪いと感じるお宅もあります。

環境が整っていないから訪問しないという選択はもちろん出来ません。

訪問看護師が安全に訪問出来るように必要な対策をしながらお宅にうかがいます。

 

経験談

利用者さんは、50歳代の女性で生活保護を受けている方でした。

高次機能障害による認知機能の低下があり身の周りの整容や環境整備が難しい状況でした。

室内には食べ終えた食事の残りや、使用したままの食器などが散乱していて衛生環境が悪い状況でした。

畳の汚染もあったため、室内履きを持参し訪問バックは玄関先に置き、必要物品のみを室内に持ち込み訪問をしていました。

体調確認の他に、清潔ケアを行い、室内清掃・食器洗浄などを促し少しずつ環境を整えられるように関わりました。

時には、ゴキブリの退治なども行いました。

訪問の時は、毎回ドアの前で気合を入れて呼び鈴を鳴らしていたことは忘れられません。

 

 

訪問看護の大変さを乗り越えると価値観の幅が広がる

 

訪問看護で大変だと感じた瞬間を5つ挙げました。

どんな仕事にも大変なことはあります。

訪問看護の大変さも挙げればきりがありません。

訪問看護は、看護を提供する場所がクリニックや病院ではなく利用者さんのお宅であるという特徴があります。

様々な利用者さんの生活の場に訪問し、様々な価値観をもつ利用者さんの意志を尊重しながら近い距離で関わることが、訪問看護を大変だと感じる原因の1つだと思います。

私は、提供する看護や関わり方に絶対の正解はないと思っています。

訪問看護師と利用者さんの関係によって、同じ看護を提供しても利用者さんの反応は異なることがあります。

そのため、どれだけ経験を積んだ訪問看護師でも変さに直面することがあると思います。

ですが、その大変さを乗り越えると自分自身の価値観や、看護師としての経験の幅が広がります。

大変さに直面したときは、「これを乗り越えたらどんな風にステップアップできるだろう」と考えてみても良いかもしれません。

もちろん、大変な時は1人で抱え込まずに同僚や管理者、主治医や利用者さんに関わる他職種の方にも相談してみましょう。

ビジケアでも、訪問看護で悩んだときに解決のきっかけになるような記事をたくさん配信しています。

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ABOUT US
清水 千夏ライター
東京都在住/看護師・保健師/ 卒業後大学病院9年勤務 その後、派遣看護師としてクリニックやデイサービス、訪問入浴などを経験。 現在は訪問看護ステーションの立ち上げメンバーとして奮闘中です。