訪問看護で準備しておくべきマニュアル一覧を紹介します!

訪問看護では、どんなマニュアルを準備するといいですか?

病棟では当たり前のように置いてあったマニュアルですが、訪問看護ステーションでも用意しているでしょうか。

マニュアルは、事業所内で共通認識を持つことのできる手順書であり、事故の防止やケアの質の維持に役立てることができます。

今回は、訪問看護で準備しておくべきマニュアル一覧をご紹介します。

新規立ち上げの事業所に関わる看護師さんや経営者さん、マニュアルを作成しようと考えている管理者さんはぜひ参考にしてください。

 

訪問看護におけるマニュアルとは?

訪問看護を運営していく際には、複数のさまざまな経験を持った看護師さんが訪問業務に当たります。

訪問看護は病院やクリニック、介護施設などの経験を経て入職する方が多くいます。

そのため、それぞれの基準が異なっていたり、訪問看護の仕事に初めて携わるという方も少なくありません。

訪問看護におけるマニュアルとは、業務にあたる職員が統一した認識を保ち、一貫したサービスの質の維持に役立つものです。

訪問看護の現場で活用できるマニュアルは、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 事業所運営マニュアル
  • 在宅看護マニュアル
  • 災害時マニュアル
  • 感染対策マニュアル
  • 接遇マニュアル
  • 社用車運用マニュアル

     

    訪問看護のマニュアルはどんな時に作るのか?

    では、訪問看護のマニュアルとは、どのような時に作ることが望ましいのでしょうか。

    まずは、訪問看護の開所の際にマニュアルを作成すると良いでしょう。

    立ち上げに関わる管理者さんだけでなく、スタッフとして働く看護師さんも一緒に検討しながらマニュアル作りに参加できると実際の業務に活かしやすくなります。

    また、訪問看護の運営が開始された後には、インシデントが発生した時やサービストラブルが生じた際にもマニュアルの作成や修正に適した時期と言えます。

    なぜインシデントやトラブルが発生したのか検証し、今後同様のことが起こらないよう事業所としての対応を考えます。

     

    訪問看護で準備しておくべきマニュアルとは?

     

    では、各マニュアルにはどのような内容を記載しておくといいのでしょうか。

    日本訪問看護協会による資料も併せて掲載していますので、参考にしてください。

     

    事業所運営マニュアル

    事業所運営マニュアルには、事業所のルールを記載します。

    事業所には就業規則をどのスタッフでも見ることができるように保管しています。

    事業所運営マニュアルには就業規則に基づき、スタッフに周知しておきたい内容を記載しておくと良いでしょう。

    例えば、有給休暇の申請方法やオンコール担当時のルールなどをまとめておくと、一貫したルールに基づいてスタッフが動きやすくなります。

     

     

    在宅看護マニュアル

    在宅看護マニュアルには、実際の現場で行う看護技術や医療機器の取り扱いについてまとめておきます。

    訪問看護業務では、服薬管理や点滴、注射などがあります。

    事業所によって点滴や注射など、ダブルチェックを行う場合もあります。

    各利用者さんによって環境は異なりますが、一定のルールを持っておくことで医療事故のリスクを最小限にできます。

    また、主治医やケアマネジャーへの報告や他職種との連携の方法をまとめておくと、新しく入職したスタッフにも説明しやすく便利です。

     

     

    災害時マニュアル

    災害時マニュアルには、地震などの災害時に行う連絡経路や確認項目をまとめて記載します。

    事業所によって利用者さんの重症度や医療依存度は異なります。

    自身の事業所の利用者さんにとって、災害時の備えや実際に災害が起こったときの対応を全スタッフで把握しておく必要があります。

    社団法人全国訪問看護事業協会で作成した災害時マニュアルも、参考にしてみてください。

     

    感染対策マニュアル

    感染対策マニュアルには、事業所が取り入れるべき感染対策をまとめたものです。

    近年では新型コロナウィルス感染症の拡大により、訪問看護ステーションでも感染対策が重要視されています。

    以下の感染予防対策マニュアルを参考に、自身の事業所でも感染対策マニュアルを作成してみてはいかがでしょうか。

     

     

    接遇マニュアル

    接遇マニュアルには、利用者さん宅でのマナーをまとめて記載したものです。

    病院では経験したことのないビジネスマナーも必要になることがあります。

    訪問看護では、豊富な知識や経験を持っていても利用者さんへの対応にマナー違反があれば、サービスを打ち切られてしまう可能性があります。

    また、医療機関やケアマネジャーとの関わりでも、丁寧な対応が必要です。

    事業所の中で1人でも不適切な対応を行うことで、事業所の評価は変わってきてしまうものです。

    接遇マニュアルを作成し、事業所として望ましい対応方法を共有しましょう。

     

    社用車運用マニュアル

    社用車運用マニュアルは、社用車を使用する事業所では作成しておくと便利です。

    ガソリン給油時の支払い方法や、車両点検時期の把握、冬季のタイヤ交換の手順などまとめておくといいでしょう。

    車の管理に詳しくないスタッフも多いため、わからなくなったら適宜確認することができます。

    また、利用者さん宅付近で駐車許可証を申請する場合には、警察署が提示するルールに則って注射する必要があります。

    駐車許可証を申請して許可を得ていても、ルール違反の駐車の仕方をしていると違反に当たり罰則を受けることになります。

     

    まとめ

     

    今回は、訪問看護で準備しておくべきマニュアルをご紹介しました。

    一度に全てを準備することは難しいですが、徐々に事業所の方針を精査しまとめておくことでスタッフの増員にも対応できます。

    ぜひ事業所の皆さんと、手分けをしてマニュアルを作成してみてくださいね。

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    ABOUT US
    石澤 明日香
    埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションで5年半勤務。令和4年9月に訪問看護ステーションアスエイドを開設、代表取締役兼管理者を務める。そのほか重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ