訪問看護指示書の依頼方法とは?誰が・どう依頼するかを解説

「訪問看護を始めたいけれど、訪問看護指示書はどうやって依頼すればいいの?」新規で訪問看護を導入するとき、多くのケアマネジャーやご家族、そして訪問看護ステーションの担当者がつまずくのが、この指示書の依頼方法です。

この記事では、訪問看護指示書の依頼方法を、初回依頼と利用継続時の依頼に分けて、介護保険・医療保険それぞれのケース、直接訪問・郵送・電話やFAXでの具体的な依頼手順まで詳しく解説します。「そもそも訪問看護指示書とは何か」「誰が依頼するのが正しいのか」を先に確認したい方は、記事内の関連リンクもあわせてご覧ください。

この記事でわかること
  • 初回・利用継続それぞれの依頼のタイミングと流れ
  • 介護保険・医療保険での依頼方法の違い
  • 直接訪問・郵送・電話やFAXでの具体的な依頼手順
  • 依頼時に準備しておくべき書類・情報
  • 依頼から交付までにかかる期間の目安と注意点

訪問看護指示書の依頼とは?基本の考え方

訪問看護指示書は主治医が交付する書類ですが、交付を受けるための「依頼」は、訪問看護ステーションやケアマネジャー側から医療機関へ働きかけて行うのが実務上の一般的な流れです。医師から自発的に指示書が送られてくることは基本的にないため、依頼のアクションを誰かが起こさなければ訪問看護は始められません

依頼のプロセスを整理すると、大きく「①依頼のきっかけを作る」「②依頼書・指示書用紙を医療機関へ送る」「③交付された指示書を受け取り、内容を確認する」の3段階に分かれます。特に①の段階は、ケアマネジャーやステーション、病院の退院支援担当者など複数の関係者が絡むため、誰がいつ動くのかを事前に決めておくことがスムーズな依頼のカギになります。

訪問看護指示書そのものの役割や記載事項について詳しく知りたい方は、以下のピラー記事で全体像を確認しておくとスムーズです。

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訪問看護指示書の基本(記載事項・有効期間・種類)をまとめて確認したい方はこちら。

訪問看護指示書とは?基本から種類・注意点までを読む
看護師 上妻
看護師 上妻

依頼する主体(ケアマネジャーなのかステーションなのか)は場面によって変わります。誰が依頼すべきかで迷う方は「訪問看護指示書は誰が依頼する?」の記事もチェックしてみてくださいね。

初回の訪問看護指示書は誰が・いつ依頼する?

新規の利用者に訪問看護を導入する場合、初回訪問の前に指示書の依頼〜交付までを終えておく必要があります。介護保険・医療保険で依頼の起点となる関係者が異なる点に注意しましょう。

区分依頼の起点になりやすい関係者ポイント
介護保険での利用ケアマネジャー、または訪問看護ステーションケアプランの作成と並行して依頼を進める
医療保険での利用退院支援を行う病院の医療ソーシャルワーカー、または訪問看護ステーション退院前カンファレンスの場で依頼を確定させることが多い
注意

初回依頼が遅れると、サービス開始日そのものが後ろ倒しになってしまいます。ケアプランの原案ができた時点、または退院日が決まった時点で、できるだけ早く依頼のアクションを起こしましょう。

利用継続時の依頼|有効期間が切れる前に更新依頼を

訪問看護指示書には1〜6か月の有効期間があるため、継続して訪問看護を利用する場合は、期限が切れる前に更新の依頼が必要です。この更新依頼は、初回とは異なり、訪問看護ステーションの管理者や担当看護師が主体となって行うのが一般的です。

更新依頼のタイミングが遅れると、有効期間の切れ目に訪問看護を提供できない空白期間が生じ、その期間は報酬算定ができなくなります。有効期間満了の2〜3週間前を目安に更新依頼を出す運用にしておくと安心です。

医療機関によって依頼のしやすさが異なる理由

依頼先の医療機関の種類によって、依頼のしやすさや対応スピードには差があります。在宅療養支援診療所のように訪問看護との連携に慣れている医療機関であれば、依頼書のフォーマットも決まっており、スムーズに交付まで進むことが多いです。一方、訪問看護との連携経験が少ないクリニックや、外来患者数の多い病院の場合は、依頼書の書き方や必要書類について事前に問い合わせが必要になることもあります。

特に急性期病院からの退院時は、担当医が訪問看護指示書の記載に不慣れなケースもあるため、依頼書に記載してほしい項目をあらかじめ具体的に示しておくことで、やり取りの往復を減らせます。

依頼書に記載しておくべき項目

依頼書自体の様式はステーションごとに異なりますが、以下の項目を盛り込んでおくと、医師側が指示書を作成しやすくなります。

項目記載しておく内容
利用者の基本情報氏名・生年月日・住所・保険証情報(介護保険被保険者番号または医療保険情報)
現在の病状・治療状況主傷病名、直近の治療経過、服薬状況
希望する訪問看護の内容訪問頻度の希望、必要な処置(褥瘡ケア、点滴管理等)の有無
依頼元の連絡先担当ケアマネジャーまたはステーションの氏名・電話番号・FAX番号
希望する交付方法・期限いつまでに交付してほしいか、返送方法(郵送・FAX)の希望
看護師 上妻
看護師 上妻

依頼書に「いつまでに」を明記しておくと、医療機関側も対応の優先順位をつけやすくなります。曖昧なまま送るより、期限を添えたほうが結果的にスムーズに進むことが多いですよ。

訪問看護指示書の具体的な依頼方法

依頼の方法には主に3つのパターンがあります。医療機関ごとに対応可能な方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。

  1. 直接医療機関に依頼するケアマネジャーやステーション担当者が医療機関の窓口・地域連携室へ直接出向き、依頼書と指示書用紙を渡す方法です。医師と直接顔を合わせて経過を伝えられるメリットがあります。
  2. 郵送で依頼する依頼書・指示書用紙・返信用封筒を同封して医療機関へ郵送する方法です。もっとも一般的な方法で、多くのステーションがこの形を採用しています。
  3. 電話やFAXで依頼するまず電話で依頼の意思を伝え、指示書用紙をFAXで送付する方法です。急ぎで依頼したい場合や、特別訪問看護指示書のように短期間での交付が必要な場合に用いられます。
POINT

いずれの方法でも、依頼書には利用者の基本情報、現在の病状、依頼したい訪問看護の内容(週の回数・時間帯の希望など)を明記しておくと、医師が指示書を作成しやすくなり、やり取りの往復を減らせます。

依頼から交付までの期間の目安と、依頼がスムーズに進まないときの対処

依頼から指示書の交付までは、医療機関の事務処理の混み具合にもよりますが、おおむね1〜2週間程度を見込んでおくとよいでしょう。特別訪問看護指示書のように急を要する場合は、電話で直接依頼し、あわせてFAXで書類を送るなど、迅速な方法を選ぶ必要があります。

依頼をしても主治医の多忙などでなかなか交付されない、返信が来ないといったケースも実務では起こり得ます。督促の連絡を入れるタイミングとしては、依頼から1週間程度が経過しても反応がない場合が目安です。電話での催促がしにくい場合は、ケアマネジャーを経由して確認してもらう方法もあります。そのような場合の具体的な対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。

また、精神科の訪問看護を依頼する場合は、通常の訪問看護指示書とは別に精神科訪問看護指示書が必要になるなど、依頼先や様式が異なる点にも注意が必要です。

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精神科訪問看護指示書の依頼・記載内容について詳しく知りたい方はこちら。

精神科訪問看護指示書についてわかりやすく解説!【医療保険】を読む

よくある質問

訪問看護指示書の依頼は誰がするのが一般的ですか?

初回は介護保険であればケアマネジャー、医療保険であれば病院の医療ソーシャルワーカーが起点になることが多く、利用継続時の更新依頼は訪問看護ステーション側が主体となるのが一般的です。

依頼から指示書交付までどのくらいかかりますか?

医療機関の事務処理状況によりますが、おおむね1〜2週間程度を見込んでおくとよいでしょう。急を要する場合は電話とFAXを組み合わせた方法が有効です。

依頼方法に決まった様式はありますか?

依頼書自体の様式はステーションごとに異なりますが、指示書用紙は厚生局公表の様式に準じたものを使用するのが一般的です。依頼書には利用者情報・病状・希望する訪問看護の内容を明記しておくとスムーズです。

郵送で依頼する場合、返信用封筒は同封したほうがよいですか?

切手を貼った返信用封筒を同封するのが一般的なマナーとされています。医療機関側の事務負担を減らせるため、交付までのスピードにもよい影響があります。

特別訪問看護指示書のように急いで依頼したい場合はどうすればよいですか?

病状の急性増悪時など緊急性が高い場合は、まず電話で医師またはクリニックの窓口に直接依頼の意思を伝え、あわせて指示書用紙をFAXで送付する方法が最も早く対応してもらいやすい方法です。郵送のみに頼ると交付までに数日を要するため注意しましょう。

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そもそも「誰が依頼すべきか」を役割別に詳しく知りたい方はこちら。

訪問看護指示書は誰が依頼する?を読む

まとめ|依頼のタイミングと方法を押さえてスムーズな指示書交付につなげよう

訪問看護指示書の依頼は、初回と利用継続で起点となる関係者が異なり、方法も直接訪問・郵送・電話やFAXの3パターンがあります。どの方法を選ぶ場合でも、依頼書に必要な情報を過不足なく記載し、期限を明確に伝えることが、交付までの期間を短くする最も確実な方法です。

この記事のまとめ
  • 初回依頼は介護保険ならケアマネジャー、医療保険なら病院側が起点になりやすい
  • 利用継続時の更新依頼は訪問看護ステーション側が主体で行う
  • 依頼方法は直接訪問・郵送・電話やFAXの3パターン
  • 依頼から交付までは1〜2週間程度を見込み、早めに動く
  • 依頼書には利用者情報・病状・希望内容を明記するとスムーズ

依頼の役割分担や、指示書がもらえない場合の対処法、精神科訪問看護指示書との違いは、関連記事もあわせてご確認ください。

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上妻 裕弥看護師/MBA取得
株式会社ビジケア代表取締役/看護師・MBA取得。これまで200社以上の訪問看護事業所へ経営コンサルティング・BPOサービスを実施。経営者・管理者のサロン等も含めると500社を超える。単月黒字化から複数拠点展開、事業承継まで支援し、看護師の視点で「続く経営」をつくる。別法人にて自身でも全国に訪問看護ステーション展開している。