口腔機能向上加算とは!?【看多機】

QOL(クオリティーオブライフ)を維持、向上するために重要と言われている口腔機能。

口腔内の清潔維持は肺炎の予防に繋がったり、嚥下機能の向上で栄養状態が改善したりと口腔機能の評価は重要です。

令和3年4月の介護報酬改定で看護小規模多機能型居宅介護にも新設となった口腔機能向上加算について解説していきますね!

 

この記事でわかること

①口腔機能向上加算の概要

②口腔機能向上加算の単位数

③口腔機能向上加算の算定要件

④口腔機能向上加算の留意点

⑤口腔機能向上加算の実地指導対策

⑥口腔機能向上加算のQ&A

「口腔機能向上加算の概要」

 

口腔機能向上加算の概要は以下になります。

 

概要

口腔機能が低下している利用者又はそのおそれのある利用者に対して、当該利用者の口腔機能の向上を目的として、口腔清掃又は摂食・嚥下機能に関する訓練の指導若しくは実施等を行った場合に算定できる。

 

「口腔機能向上加算単位数」

 

口腔機能向上加算の単位数は以下になります。

 

(1)口腔機能向上加算(Ⅰ) →150単位/回

(2)口腔機能向上加算(Ⅱ) →160単位/回

※3月以内の期間に限り、1月に2回を限度とする。

 

「口腔機能向上加算の算定要件」

 

口腔機能向上加算の算定要件は以下です。

 

イ 口腔機能向上加算(Ⅰ)

次に掲げる基準のいずれにも適合すること。

(1)言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員を1名以上配置していること。

(2)利用者の口腔機能を利用開始時に把握し、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、 生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画を作成して いること。

(3)利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従い言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が口腔機能向上サービス(指定地域密着型サービス介護給付費単位数表の看護小規模多機能型居宅介護費のヌの注に規定する口腔機能向上サービスをいう。以下同じ。)を行っているとともに、利用者の口腔機能を定期的に記録していること。

(4)利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画の進捗状況を定期的に評価していること。

(5)通所介護費等算定方法第11号に規定する基準のいずれにも該当しないこと。

 

ロ 口腔機能向上加算(Ⅱ)

次に掲げる基準のいずれにも適合すること。

(1)イ⑴から⑸までに掲げる基準のいずれにも適合すること。

(2)利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画等の内容等の情報を厚生労働省に提出し、口腔機能向上サービスの実施に当たって、当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。

 

「口腔機能向上加算の留意点」

口腔機能向上加算の留意点は以下になります。

① 口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスの提供には、利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として行われることに留意すること。

② 言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員を1名以上配置して行うものであること。

③ 口腔機能向上加算を算定できる利用者は、次のイからハまでのいずれかに該当する者であって、口腔機能向上サービスの提供が必要と認められる者とすること。

イ 認定調査票における嚥下、食事摂取、口腔清潔の3項目のいずれかの項目において「1」以外に該 当する者

ロ 基本チェックリストの口腔機能に関連する(13)、(14)、(15)の3項目のうち、2項目以上が「1」に 該当する者

ハ その他口腔機能の低下している者又はそのおそれのある者

④ 利用者の口腔の状態によっては、医療における対応を要する場合も想定されることから、必要に応じて、 介護支援専門員を通して主治医又は主治の歯科医師への情報提供、受診勧奨などの適切な措置を講じることとする。なお、歯科医療を受診している場合であって、次のイ又はロのいずれかに該当する場合にあっては、加算は算定できない。

イ 医療保険において歯科診療報酬点数表に掲げる摂食機能療法を算定している場合

ロ 医療保険において歯科診療報酬点数表に掲げる摂食機能療法を算定していない場合であって、介 護保険の口腔機能向上サービスとして「摂食・嚥下機能に関する訓練の指導若しくは実施」を行っていない場合

⑤ 口腔機能向上サービスの提供は、以下のイからホまでに掲げる手順を経てなされる。

イ 利用者ごとの口腔機能を、利用開始時に把握すること。

ロ 利用開始時に、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が中心となって、利用者ごとの口腔衛生、 摂食・嚥下機能に関する解決すべき課題の把握を行い、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して取り組むべき事項等を記載した口腔機能改善管理指導計画を作成すること。作成した口腔機能改善管理指導計画については、口腔機能向上サービスの対象となる利用者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、地域密着型通所介護においては、口腔機能改善管理指導計画に相当する内容を地域密着型通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって口腔機能改善管理指導計画の作成に代えることができるものとすること。

ハ 口腔機能改善管理指導計画に基づき、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員等が利用者ごとに口腔機能向上サービスを提供すること。その際、口腔機能改善管理指導計画に実施上の問題点があれば直ちに当該計画を修正すること。

ニ 利用者の口腔機能の状態に応じて、定期的に、利用者の生活機能の状況を検討し、おおむね3月 ごとに口腔機能の状態の評価を行い、その結果について、当該利用者を担当する介護支援専門員や主治の医師、主治の歯科医師に対して情報提供すること。

ホ 指定地域密着型サービス基準第37条において準用する第3条の18に規定するサービスの提供の記 録において利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従い言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が利用者の口腔機能を定期的に記録する場合は、当該記録とは別に口腔機能向上加算の算定のために利用者の口腔機能を定期的に記録する必要はないものとすること。

⑥ おおむね3月ごとの評価の結果、次のイ又はロのいずれかに該当する者であって、継続的に言語聴覚士、 歯科衛生士又は看護職員等がサービス提供を行うことにより、口腔機能の向上又は維持の効果が期待できると認められるものについては、継続的に口腔機能向上サービスを提供する。

イ 口腔清潔・唾液分泌・咀嚼・嚥下・食事摂取等の口腔機能の低下が認められる状態の者

ロ 当該サービスを継続しないことにより、口腔機能が低下するおそれのある者

厚生労働省への情報の提出については、LIFEを用いて行うこととする。LIFEへの提出情報、提出頻度等については、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」を参照されたい。サービスの質の向上を図るため、LIFEへの提出情報及びフィードバック情報を活用し、利用者の状態に応じた口腔機能改善管理指導計画の作成 (Plan)、当該計画に基づく支援の提供(Do)、当該支援内容の評価(Check)、その評価結果を踏まえた当該計画の見直し・改善(Action)の一連のサイクル(PDCAサイクル)により、サービスの質の管理を行うこと。提出された情報については、国民の健康の保持増進及びその有する能力の維持向上に資するため、適宜活用されるものである

 

「口腔機能向上加算の実地指導対策」

口腔機能向上加算の実地指導対策は以下になります。

 

必要書類を必ず用意し、内容が記載されているかきちんと確認しておきましょう。

①利用者さんごとの口腔機能改善管理指導計画、また、説明・同意がわかる書類や記録等

②言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員を1名以上配置していることが証明できる書類

③認定調査票

④基本チェックリスト

⑤LIFEへの提出状況がわかるもの

 

「口腔機能向上加算のQ&A」

口腔機能向上加算のQ&Aは以下です。

 

Q1

18.5.2介護制度改革information vol.102平成18年4月改定関係Q&A(VOL4)

それぞれ別の通所介護・通所リハビリテーション事業所にしている場合、それぞれの事業所で同時に栄養マネジメント加算又は口腔機能向上加算を算定することはできるのか。

それぞれ別の通所介護・通所リハビリテーション事業所にしている場合、それぞれの事業所で同時に栄養改善加算又は口腔機能向上加算を算定することはできるのか。

※令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)(令和3年3月26日)問33で修正

 

A1

御指摘の件については、ケアマネジメントの過程で適切に判断されるものと認識しているが、①算定要件として、それぞれの加算に係る実施内容等を勘案の上、1事業所における請求回数に限度を設けていること、②2事業所において算定した場合の利用者負担等も勘案すべきことから、それぞれの事業所で栄養マネジメント加算又は口腔機能向上加算を算定することは基本的には想定されない。

御指摘の件については、ケアマネジメントの過程で適切に判断されるものと認識しているが、①算定要件として、それぞれの加算に係る実施内容等を勘案の上、1事業所における請求回数に限度を設けていること、②2事業所において算定した場合の利用者負担等も勘案すべきことから、それぞれの事業所で栄養改善加算又は口腔機能向上加算を算定することは基本的には想定されない。

※令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)(令和3年3月26日)問33で修正

 

Q2

21.4.17介護保険最新情報vol.79 平成21年4月改定関係Q&A(vol.2)

口腔機能向上加算について、歯科医療との重複の有無については、歯科医療機関又は事業所のいずれにおいて判断するのか。

 

A2

歯科医療を受診している場合の口腔機能向上加算の取扱いについて、患者又はその家族に説明した上、歯科医療機関が患者又は家族等に提供する管理計画書(歯科疾患管理料を算定した場合)等に基づき、歯科医療を受診した月に係る介護報酬の請求時に、事業所において判断する。

 

Q3

21.3.23介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1)

口腔機能向上加算を算定できる利用者として、「ハ その他口腔機能の低下している者又はそのおそれのある者」が挙げられているが、具体例としてはどのような者が対象となるか。

 

A3

例えば、認定調査票のいずれの口腔関連項目も「1」に該当する者、基本チェックリストの口腔関連項目の1項目のみが「1」に該当する又はいずれの口腔関連項目も「0」に該当する者であっても、介護予防ケアマネジメント又はケアマネジメントにおける課題分析に当たって、認定調査票の特記事項における記載内容(不足の判断根拠、介助方法の選択理由等)から、口腔機能の低下している又はそのおそれがあると判断される者については算定できる利用者として差し支えない。同様に、主治医意見書の摂食・嚥下機能に関する記載内容や特記すべき事項における記載内容(不足の判断根拠、介助方法の選択理由等)から、口腔機能の低下している又はそのおそれがあると判断される者については算定できる利用者として差し支えない。同様に、主治医意見書の摂食・嚥下機能に関する記載内容や特記すべき事項の記載内容等から口腔機能の低下している又はそのおそれがあると判断される者、視認により口腔内の衛生状態に問題があると判断される者、医師、歯科医師、介護支援専門員、サービス提供事業所等からの情報提供により口腔機能の低下している又はそのおそれがあると判断される者等についても算定して差し支えない。なお、口腔機能の課題分析に有用な参考資料(口腔機能チェックシート等)は、「口腔機能向上マニュアル」確定版(平成21年3月)に収載されているので対象者を把握する際の判断の参考にされたい。

 

Q4

21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1)

口腔機能向上サービスの開始又は継続にあたって必要な同意には、利用者又はその家族の自署又は押印は必ずしも必要ではないと考えるが如何。

 

A4

口腔機能向上サービスの開始又は継続の際に利用者又はその家族の同意を口頭で確認し、口腔機能改善管理指導計画又は再把握に係る記録等に利用者又はその家族が同意した旨を記載すればよく、利用者又はその家族の自署又は押印は必須ではない。

 

Q5

18.3.22 介護制度改革information vol.78 平成18年4月改定関係Q&A(vol.1)

言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が介護予防通所介護(通所介護)の口腔機能向上サービスを提供するに当たっては、医師又は歯科医師の指示は不要なのか。(各資格者は、診療の補助行為を行う場合には医師又は歯科医師の指示の下に業務を行うこととされている。)

 

A5

介護予防通所介護(通所介護)で提供する口腔機能向上サービスについては、ケアマネジメントにおける主治の医師又は主治の歯科医師からの意見も踏まえつつ、口腔清掃の指導や実施、摂食・嚥下機能の訓練の指導や実施を適切に実施する必要がある。

 

Q6

18.3.22 介護制度改革information vol.78 平成18年4月改定関係Q&A(vol.1)

(口腔機能向上加算関係)言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員の行う業務について、委託した場合についても加算を算定することは可能か。また、労働者派遣法に基づく派遣された職員ではどうか。

 

A6

口腔機能向上サービスを適切に実施する観点から、介護予防通所介護・通所リハビリテーション事業者に雇用された言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員(労働者派遣法に基づく紹介予定派遣により派遣されたこれらの職種の者を含む。)が行うものであり、御指摘のこれらの職種の者の業務を委託することは認められない。(なお、居宅サービスの通所介護・通所リハビリテーションにおける口腔機能向上加算についても同様の取扱いである。)

 

Q7

24.3.16事務連絡 介護保険最新情報vol.267
「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24 年3 月16 日)」の送付について

栄養改善加算及び口腔機能向上加算は、サービスの提供開始から3ヶ月後に改善評価を行った後は算定できないのか。

 

A7

サービス開始から概ね3月後の評価において、解決すべき課題が解決されていない場合であって、当該サービスを継続する必要性が認められる場合は、3ヶ月以降も算定できる。

なお、サービスを継続する場合であっても、アセスメント、計画作成、評価の手順に従って実施する必要があるが、課題解決に向けて効果が得られるよう、実施方法及び実施内容を見直す必要がある。

 

Ns上妻

複雑な加算ですが、口腔機能の向上は大切であり、近年言語聴覚士や歯科衛生士と連携する事業所も増えてきています。

連携しながら、積極的に算定していきましょう!

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ABOUT US
野代 龍平看護師
訪問看護ステーションと看護小規模多機能型居宅介護の元管理者。訪問看護10年目。精神科訪問看護、腹膜透析の件数多く受けています。認知症初期集中支援チーム員。群馬県在住。レセプトもこなすマルチプレイヤー。調子に乗るのがたまにキズ。株式会社のびしろ運営しています。