機能強化型訪問看護管理療養費4とは|要件と料金を解説

「機能強化型4という区分ができたらしいけれど、1〜3と何が違うのかわからない」「精神科訪問看護に力を入れているステーションなら関係あるはずだけど、うちは対象になるの?」——令和8年度診療報酬改定で新設された機能強化型訪問看護管理療養費4について、こうした疑問を持つ管理者・事務担当者は少なくありません。

機能強化型4は、これまでの機能強化型1〜3とは対象とするステーションの性格が根本的に異なる区分です。この記事では、機能強化型4ができた背景・料金・機能強化型1〜3との違いを、一次情報にもとづいて整理します。

この記事でわかること
  • 機能強化型訪問看護管理療養費4が新設された背景
  • 機能強化型1〜3と機能強化型4の根本的な違い
  • 機能強化型4の料金(訪問看護管理療養費の単価)
  • 機能強化型4を目指す場合に押さえておきたいポイント

機能強化型訪問看護管理療養費4ができた背景

訪問看護管理療養費には、通常の区分に加えて「機能強化型」という上位区分があります。機能強化型1〜3は、いずれも常勤看護職員数や重症利用者の受け入れ実績、24時間対応体制、他機関との連携実績など、訪問看護ステーション全般を対象とした基準で評価される区分です。

これに対して機能強化型4は、精神障害を有する利用者を中心に受け入れる訪問看護ステーションを対象とした区分として整理されています。地域包括ケアシステムの中で精神科訪問看護に求められる機能(支援ニーズの高い利用者の受け入れ、24時間対応、地域の関係機関との連携)を評価する趣旨で位置づけられており、機能強化型1〜3が「全ステーション向け」であるのに対し、機能強化型4は「精神科訪問看護を専門的に提供するステーション向け」という違いがあります。

看護師 上妻
看護師 上妻

機能強化型1〜3の「体制の手厚さ」を評価する視点と、機能強化型4の「精神科訪問看護への専門性」を評価する視点は、そもそも狙っている方向が違います。自事業所がどちらを目指すべきかは、利用者層をよく見て判断したいところですね。

機能強化型訪問看護管理療養費4の施設基準

機能強化型4を算定するには、地方厚生局長等への届出が必要です。厚生労働省の告示では、機能強化型1〜4を算定するステーションについて「別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションに限る」と定められており、いずれの区分も個別の施設基準を満たした上での届出制であることが明記されています。

機能強化型4に関する施設基準としては、以下のような要件が求められるとされています。実際の届出にあたっては、必ず所轄の地方厚生局が公表する最新の届出様式・要件を確認してください。

  • 常勤の看護職員(保健師・助産師・看護師・准看護師)が一定数以上配置されていること
  • 看護職員の占める割合が一定以上であること
  • 24時間対応体制加算の届出を行い、休日・祝日を含めた計画的な訪問看護を実施していること
  • 特掲診療料の施設基準等別表第7・別表第8に該当する利用者や、重点的な支援を要する精神障害を有する利用者を一定数受け入れていること
  • 退院時の共同指導の実施など、保険医療機関との連携実績があること
  • 地域の保険医療機関・訪問看護ステーションを対象とした研修の実施、地域住民への情報提供・相談対応などの実績があること
注意

上記の具体的な数値要件(看護職員数・割合など)は、事業者向けの実務資料で広く紹介されている内容ですが、本記事作成時点で該当する告示・通知の該当条項を逐一確認できたわけではありません。実際に届出を検討する際は、所轄の地方厚生局に最新の要件を必ず確認してください。

機能強化型訪問看護管理療養費4の料金

訪問看護管理療養費(月の初日の訪問の場合)の単価は、機能強化型の区分ごとに以下のとおり定められています。

区分単価(月の初日の訪問)
機能強化型訪問看護管理療養費113,760円
機能強化型訪問看護管理療養費210,460円
機能強化型訪問看護管理療養費39,030円
機能強化型訪問看護管理療養費49,030円
上記以外(機能強化型なし)7,710円

機能強化型4の単価は機能強化型3と同額の9,030円です。機能強化型1・2と比べると単価は低くなりますが、精神科訪問看護に特化したステーションにとっては、体制の手厚さで機能強化型1・2の基準を満たすよりも、機能強化型4の基準を満たすほうが現実的な選択肢になり得ます。

なお、月の2日目以降の訪問(訪問看護管理療養費)については、機能強化型か否かにかかわらず、単一建物居住利用者の人数や訪問日数に応じた別区分の単価が適用されます。機能強化型の単価差は、あくまで「月の初日の訪問」における単価の違いである点に注意してください。

看護師 上妻
看護師 上妻

単価だけを見ると機能強化型3と同じなので「わざわざ4を取る意味があるのか」と思うかもしれません。でも、精神科訪問看護中心のステーションにとっては、機能強化型1・2の基準(重症度の高い利用者の受け入れ実績等)を満たすより、機能強化型4の基準の方が現実的に届出しやすいケースがあります。

機能強化型訪問看護ステーションの全体像

機能強化型の区分は、訪問看護管理療養費の単価だけでなく、24時間対応体制加算や特別管理加算など、他の加算の算定可否にも関わってきます。自事業所がどの区分を目指すか検討する際は、単価の差だけでなく、実際に必要な体制整備のコスト(人員配置・研修・地域連携の実績づくり等)とのバランスで判断することが大切です。

区分主な評価の対象想定される利用者層
機能強化型1常勤看護職員数・24時間対応体制・重症利用者の受け入れ実績が最も手厚い幅広い疾患・重症度の利用者を受け入れる大規模ステーション
機能強化型2機能強化型1に準じた体制(要件はやや緩やか)機能強化型1に準じる中規模ステーション
機能強化型3他の訪問看護ステーションとの連携や、居宅介護支援事業所との一体的な運営実績等地域連携・多機関連携に強みを持つステーション
機能強化型4精神科訪問看護の受け入れ実績・24時間対応・地域連携精神科訪問看護を専門的に提供するステーション

このように、機能強化型1〜3は「体制の規模・実績の手厚さ」という同じ軸の中でグラデーションがある区分であるのに対し、機能強化型4は評価の軸そのものが異なります。自事業所が精神科訪問看護に力を入れているのであれば、無理に機能強化型1・2の基準を目指すのではなく、機能強化型4の要件を満たせるかどうかを先に検討したほうが、体制整備の負担と得られる単価のバランスが取りやすいケースもあります。

POINT

機能強化型4を届け出るには、24時間対応体制加算の届出が前提条件の一つになっています。まだ24時間対応体制加算の届出をしていない場合は、まずそちらの体制整備から着手する必要があります。

あわせて読んでおきたい関連記事

機能強化型1〜3を含めた全体像を先に押さえておくと、機能強化型4の位置づけがより理解しやすくなります。

機能強化型1〜4の要件解説を読む

よくある質問

機能強化型4と機能強化型1〜3は同時に届け出ることができますか?

訪問看護管理療養費は、届け出た区分に応じた単価がステーションごとに1つ適用される仕組みです。複数の区分を同時に算定するものではなく、自事業所の体制がどの区分の基準を満たすかを踏まえて、いずれか1つの区分で届出を行うことになります。

機能強化型4はどのような訪問看護ステーションが対象になりますか?

支援ニーズの高い精神科訪問看護利用者を受け入れ、24時間対応体制を整え、地域の関係機関と連携する体制を持つ訪問看護ステーションが対象として想定されています。精神障害を有する利用者を中心に受け入れているステーションに関係が深い区分です。

機能強化型4の届出に必要な具体的な要件はどこで確認できますか?

具体的な施設基準は厚生労働省の告示・通知に定められており、届出は地方厚生局長等に対して行います。要件は改定のたびに見直される可能性があるため、届出を検討する際は所轄の地方厚生局が公表する最新の資料を確認することをおすすめします。

機能強化型4の単価は機能強化型3と同じですか?

はい。月の初日の訪問における訪問看護管理療養費の単価は、機能強化型3・機能強化型4いずれも9,030円で同額です。機能強化型1(13,760円)・機能強化型2(10,460円)と比べると単価は低くなります。

機能強化型4を届け出るために、まず何から着手すればよいですか?

前提となるのが24時間対応体制加算の届出です。この体制ができていない場合は、まず24時間対応体制の整備から着手する必要があります。そのうえで、精神障害を有する利用者の受け入れ実績や地域の関係機関との連携実績を積み重ね、届出に必要な要件を満たしているかを地方厚生局に確認しながら進めるとよいでしょう。

出典・参考

機能強化型4の具体的な施設基準の細目(看護職員数・割合等の数値)は、事業者向けの実務資料で広く紹介されている内容にもとづき記載しています。実際の届出にあたっては、所轄の地方厚生局が公表する最新の告示・通知・届出様式を必ずご確認ください。

まとめ|機能強化型4は精神科訪問看護に特化した区分

機能強化型訪問看護管理療養費4は、令和8年度診療報酬改定で新設された、精神科訪問看護に特化したステーションを対象とする区分です。機能強化型1〜3とは評価の軸が異なるため、自事業所の利用者層や強みに合わせて、どの区分を目指すかを検討することが大切です。単価だけを見て「機能強化型3と同額だから魅力が薄い」と早合点せず、自事業所の体制と照らし合わせて、どちらの基準の方が無理なく満たせるかという観点で判断することをおすすめします。

この記事のまとめ
  • 機能強化型4は精神科訪問看護に特化したステーション向けの区分
  • 機能強化型1〜3が「体制の手厚さ」を評価するのに対し、機能強化型4は「精神科訪問看護への専門性」を評価する
  • 単価は月の初日の訪問で9,030円(機能強化型3と同額)
  • 具体的な施設基準は改定で見直されるため、届出前に必ず地方厚生局の最新情報を確認する

自事業所がどの機能強化型区分を目指すべきか迷ったら、単価の差だけでなく、必要な体制整備の実現性もあわせて検討しましょう。

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機能強化型の算定でよくある疑問点は、厚生労働省の疑義解釈のQ&Aでも確認できます。あわせてご覧ください。

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上妻 裕弥看護師/MBA取得
株式会社ビジケア代表取締役/看護師・MBA取得。これまで200社以上の訪問看護事業所へ経営コンサルティング・BPOサービスを実施。経営者・管理者のサロン等も含めると500社を超える。単月黒字化から複数拠点展開、事業承継まで支援し、看護師の視点で「続く経営」をつくる。別法人にて自身でも全国に訪問看護ステーション展開している。