訪問看護に就職する際には、採用面接を受けます。
採用面接は事業所の求めることを知るだけでなく、自身の勤務可能な条件をすり合わせする場面でもあります。
無理なく働くために、採用面接でよくある質問を知り、自身の希望やライフスタイルに合った働き方ができるように伝えたい内容を準備しておきましょう。
目次
訪問看護の面接を受ける前に
応募する訪問看護の理念を知る
「訪問看護の現状とこれから2021年版」公益財団法人日本訪問看護財団の資料によると、訪問看護ステーションの開設主体は以下のようになっています。
医療法人が開設主体である事業所や、営利法人が開設主体である事業所など母体は様々あります。
特に営利法人は医療とは異なる会社である場合もあり、企業理念や看護理念はそれぞれ異なります。
どのような訪問看護を行っているか、またどんな人物像を求めているか、年収や手当などの情報についても事業所のホームページや求人サイトで確認しておきましょう。
訪問看護の仕事の内容を理解しておく
訪問看護の仕事は、病院や施設と共通する部分もあれば異なる部分も多い仕事です。
細かなルールは事業所ごとに異なりますが、大きな仕事の概要は同じです。
ビジケアの関連記事に記載されているような訪問看護の概要を確認しておきましょう。
訪問看護の面接でよくある質問とは?
訪問看護の採用面接で聞かれることの多い質問を見ていきましょう。
併せて自分なりの返答も考えてみてくださいね。
看護師としての経験年数、経験内容
訪問看護は、在宅療養をする上で看護を必要とするすべての人が対象となります。
専門の診療科のように限られた疾患のみを対象とするわけではありません。
事業所により利用者さんが抱える疾患や年齢層は様々であり、実際に提供する看護ケアや医療処置も事業所によって異なります。
面接者は事業所にとって必要な知識や技術を身につけているかを聴取します。
新人サポートや教育体制が整っている事業所では、現状の知識や技術に自信がなくても入職後に研修を受けられる場合もあります。
不安なことがある場合には、隠さずにまずは相談してみましょう。
訪問看護への就職の志望動機
訪問看護師は全体の看護師の中で、5%に満たない数少ない存在です。
全国的に看護師不足が叫ばれており、訪問看護も例外ではありません。
事業所としては、お互いのニーズを満たし、長く働いてもらいたいと考えています。
そのため、面接者は意欲的であり事業所のカラーに合った人材であるかを見ています。
前項で事前に確認した企業理念や、看護理念について自分自身が貢献できる箇所や共感する箇所を志望動機として挙げると意欲が伝わりやすいです。
給与や休暇などを志望動機で挙げることはあまりお勧めしません。
仕事に見合った対価や休暇は労働者の権利ではありますが、雇う側は最初から自身の権利の主張が強い人にはいい印象を持てないようです。
ぜひ、訪問看護で働いてみたいと思った素直な気持ちをお伝えしてみてくださいね。
勤務形態、オンコール対応の可否
訪問看護では、常勤でも時短常勤や週4常勤など多様な働き方ができる事業所が増えています。
事業所では、職員の方が働きやすい方法を提案するため、応募者の希望を聴取します。
自身が希望する勤務日数や勤務時間を相談してみてください。
また、24時間対応を行う事業所も多く、オンコール対応の可否も問われます。
オンコールは、事業所によって待機回数や出動回数が異なります。
オンコールの詳細についても面接時に確認し、自身の生活の中で対応が可能であるのか検討してみてください。
自宅から事業所の訪問エリアまでの移動手段、通勤時間
訪問看護は利用者さんの居宅に伺って看護を提供する仕事です。
利用者さんの居宅までの移動手段は地域差があり、自転車や公共交通機関で訪問する場合もあれば、社用車や自家用車で訪問する場合もあります。
事業所が管轄にしている訪問エリアや移動手段については、面接時に確認しておく必要があります。
事業所によって、朝は事業所に出勤する場合や直行直帰を行う事業所もあります。
1日の業務の流れと自宅からの通勤方法がどのようになるか、事業所と共有しておきましょう。
前職の退職理由
一般企業の採用面接でも聞かれるのが、前職の退職理由です。
「訪問看護アクションプラン2025」の資料によると、常勤換算従事者数が3〜5人の事業所が多く、病院や施設のように大人数で働く事業所はわずかです。
1人の退職が事業所へ与える影響は大きく、事業所としてはできる限り退職につながらないようにするため前職での退職理由が解決できるものか事情を聴取します。
「給与が低い」「休みが取れない」「人間関係が合わなかった」など退職した理由は人それぞれあると思います。
しかし、採用面接で上記のように直接的な表現にしてしまうとマイナスイメージが強くなりがちです。
前職の退職理由はポジティブな言い換えを行うことと、志望動機につながる内容にすることをお勧めします。
まとめ
今回は、訪問看護の面接でよくある質問についてご紹介しました。
全国で年々事業所数は増加傾向であり、訪問看護師として働くためには自分に合った事業所探しも重要になります。
面接では事業所の概要だけでなく、職場の雰囲気や働く環境についても見てきてください。
また、自身のライフワークバランスを保てる働き方ができるのか、面接者の方と話し合う機会でもあります。
ぜひ長く続けられる職場を見つけ、訪問看護師としての仕事を楽しんでくださいね!