
「ただでさえ業務に追われていて、リーダーシップを意識して動くことができていないかもしれない」や、「部下の事を気にしてはいるのだけれど、なんとなくうまくいっていない」なんて悩みを聞くことが多くあります。
リーダーシップについては、国内外で様々な研究がなされていますが、今回はその中から、優秀なリーダーがどのような動きや考え方をしているのか、リーダーシップの行動研究「ミシガン研究」を参考に6つのポイントでご紹介していきます。
訪問看護ステーションの運営や組織作り、リーダー育成などの参考にしてみてください。
目次
ミシガン研究とは
1940-1950年に企業のリーダーシップを持つ人の行動と企業業績との関係を示したもの。
経営の行動科学を研究したリッカートをリーダーとし、ミシガン大学社会調査研究所がプルデンシャル生命本社の何人かのリーダーに対して、人間関係と業績のどちらを重視しているのかを調査しまとめたものです。
リッカートは組織開発の創始者としても知られています。
好業績チームと低業績チームのリーダーの行動を比較
この研究では、業績の良いチームと悪いチームを比較して組織を調査したのですが、仕事、会社、給与、待遇に関しては従業員に満足度の違いはありませんでした。
しかし監督者、つまりリーダーの行動に違いがあったのです。
下の表は高業績部門と低業績部門のリーダーの行動を比較したものです。
従業員志向とは人間関係を重視する行動、生産志向型とは仕事の技術面、あるいはタスク面を重視する行動のことを言います。
高い業績を上げるチームのリーダーは生産性よりも従業員に配慮し、人間関係を大切にしていることが分かります。
リーダーの行動様式を4つに分類
さらに、ミシガン研究ではリーダーのマネジメントによる組織の機能を4つのシステムとしてに分けています。
- システム1:独善的専制型 生産性志向>>>従業員志向
トップダウンタイプ
- システム2:温情的専制型 生産性志向>従業員志向
一応人の言うことは聞くが、結局自分で決めてしまうタイプ。
- システム3:参加強調(相談)型 生産性志向=従業員志向
基本方針や全般的決定権以外の個別問題は部下に任せる。
- システム4:集団参画型 生産性志向<従業員志向
リーダーは部下を全面的に信頼し、広範囲な意思決定が組織全体で行われる。
下のグラフにこの4つのシステムを従業員志向と生産性志向のベクトルで入れ込んでみました。
この4つの行動様式を持つリーダーを比較し、長期間業績を評価していくと、従業員志向の強い集団参画型の業績がもっともよいと研究の結果が出ました。
人間関係がいいチームを作るための重要条件だということが分かります。
ミシガン研究を参考にした優秀なリーダーの行動6つのポイント。
ミシガン研究を参考に優秀なリーダーの行動のポイントを5つにまとめてみました。
①スタッフの参加のもと、意思決定をする。
部下を全面的に信頼し、意思決定を同等な立場でできるようにすることは、優秀なリーダーの特徴のひとつといえるようです。
自身も会話に参加しながら、スタッフが意見を言えるように雰囲気を作ることが役割となりそうです。
リーダーが部下の言うことを聞き入れ、良い意見が現場にどんどん反映されていくことは利用者さんのためになる事はもちろん、スタッフ自身の自己肯定感を向上させることに繋がります。
一人一人がしっかり話し合いに参加して、自分も話し合いに参加して決めたことだからしっかりやらなくては、と思ってもらうことが重要です。
②スタッフとの時間を大切にして、部下の思いや気持ちの理解をする。
日ごろからの人間関係がチームワークに大きな影響を与えていることが多いです。
何かあった時に聞きやすい、報告しやすいようにするためにも普段からコミュニケーションを密に取っておきましょう。
いいことも悪いことも、受け止めてしっかりと向き合っていくことで、部下も色々な話をしてくれるのではないでしょうか。
③スタッフのミスを責めない、一緒に振り返り、学びとする。
人間はミスをしてしまう生き物というのは当然のことながら、人の命を扱う医療業界、ミスはなるべく起こしたくはありません。
しかし、起こってしまったミスを上司がきつく責めてしまっては、部下が落ち込んでしまうのは当然。しかし、大切なことは同じようなミスが今後なくなること。
取り返しのつくミスは、失敗してしまった部下や、その他のスタッフのためにも、学びとして受け入れ振り返り、一緒に原因や対策を考えましょう。
叱る・起こる・責める、をしてしまうと、自分自身も嫌悪感に苛まれることになりますのでなるべく避けましょう。
また、一人のスタッフにミスや問題が集中してしまうような時には、個別で対策を考える必要があるかと考えます。
④スタッフを信頼して詳細まで観察しない。
スタッフ自身も自分で考え、実行する力があります。
個人プレイを容認するということではなく、スタッフを信頼して任せることが大切です。
能力や考え方、理解度を普段の様子から把握して、可能と判断した範囲で任せることを行っていきましょう。
上司がきちんと評価してくれることにより、自分の存在価値を感じ、本人の自信になり、よいチーム作りにつながります。
逐一細やかに状況を確認することは積極的にはせず、困ったときに相談しやすい状態を取る、結果を報告してもらう、という方法により評価・フィードバックもできます。
⑤スタッフと同じ動きをし過ぎない。
スタッフのフォローや全体の把握をするためには、自身が現場に入りすぎていてはいけません。
人員の調整が許せば、必要時以外は監督の役割に徹することが必要でしょう。
その役割の大切さを普段の行動からスタッフに理解してもらうことも必要です。
⑥経営者・管理者だからと上下関係をつけすぎない・抱え込まない。
経営者として、管理者としてしっかりしなくては、と常に気を張っておられると思います。
しかし、同じ人間であり、疲れてしまうこともあります。
そして、その反面、知らず知らずのうちに威圧的に接してしまっていることもあるかもしれません。
リーダーのコンディションはチームに敵面に影響してしまいますので、最も重要な要素です。
自分だけの仕事はを持ちすぎずに、役割をスタッフへ振れるようにしておきましょう。

一人一人が別々に現場に行く訪問看護だからこそ、強いチームワークが求められ、そのチームリーダーがどのような人であるかによってチームはまったく変わってくるのではないでしょうか。
「ミシガン研究」では組織全体で動くということがポイントであったと思います。
それぞれの職場環境の中で応用できる部分からぜひ参考にしてみてください!























