立ち上げ準備シリーズ2「訪問看護を開設する地域を考える」

訪問看護を開設する際には、どの地域を選べば良いのでしょうか。

訪問看護の立ち上げ準備について、上記のようにご質問をいただくことがあります。

今回は、訪問看護事業所の立ち上げに向けて、「訪問看護の開設する地域を考える」というテーマでエリアマーケティングについて解説していきます。

また、シリーズを順に辿っていくことで、訪問看護の立ち上げに向けた準備を行うことができます。

訪問看護事業所を立ち上げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

目次
  1. 訪問看護のエリアマーケティングとは?
  2. 地域の状況を知る
  3. どんな事業所が地域で求められているかを考える
  4. 開設したい事業所の強みと地域のニーズが合っているか評価する
  5. まとめ

 

訪問看護のエリアマーケティングとは?

訪問看護の事業所を開設するには、各都道府県知事による指定申請の受諾が必要となります。

指定申請の受諾がされた場合には、訪問看護事業所を開設することができます。

しかし、事業所を長く存続させるためには、地域のニーズに合ったサービスを提供し続けなければなりません。

そのためには、地域の状況やニーズを十分に把握し、その地域で事業所を存続させることができる根拠を持っておくことが大切です。

エリアマーケティングとは、地域情報に基づき行うマーケティング手法で、地域の市場特性を分析することで競争優位に立つため有効な方法です。

エリアマーケティングの方法を知っておくことで、訪問看護事業所開設後の運営に役立つものとなります。

また、今後作成する創業計画書にも根拠のある数字として示すことができるため、最新の地域情報を収集していきましょう。

今回は、訪問看護のエリアマーケティングについて順を追って解説していきます。

 

地域の状況を知る

まずは、訪問看護事業所の開設を予定している地域の特性を調べる必要があります。

具体的に調べていただきたい内容は、以下の通りです。

 

  • 全体の人口、人口密度
  • 高齢者人口
  • 障害者児人口
  • 世帯数
  • 医療機関の数(大学病院、総合病院、クリニック、訪問診療など)
  • 地域包括支援センターの数
  • 居宅介護支援事業所の数
  • 看護師数
  • 訪問看護事業所の数

 

上記の内容を一覧表にしてみると、地域の状況が分かりやすくなります。

人口10万人に対し、訪問看護事業所6~8ヶ所が平均となっているため、それ以上の訪問看護事業所が設置されている場合には利用者さんの獲得競合が多いと言えます。

訪問看護事業所が飽和状態の地域で新規事業所設立を行うには、存続のハードルが高くなることが考えられます。

このように、地域の状況を知ることで訪問看護サービスの需要や可能性を検討していくことができます。

 

どんな事業所が地域で求められているかを考える

地域の状況が分かりましたら、次は地域の訪問看護事業所について詳しく調べていきます。

次のような内容を調べていきましょう。

 

  • 各事業所の開設年度
  • 事業所の所在地
  • 営業日(土日祝日の営業状況)
  • 営業時間
  • 訪問範囲
  • 看護職員の常勤換算
  • リハビリ職員の人数
  • 事業所の特色、特化しているもの
  • 介護報酬の加算状況
    • 緊急時訪問看護加算の算定有無
    • 特別管理加算の算定有無
    • ターミナルケア加算の算定有無
    • 看護提供体制強化加算の算定有無
    • サービス提供体制強化加算の算定有無
  • 要介護度別利用者数
  • 法人ホームページの有無、内容
  • 利用者受け入れ状況

 

上記の情報を一覧にして、どのような事業所が地域に存在しているのかを確認します。

これらの情報は、独立行政法人福祉医療機構が運営する「WAM NET」や市区町村のホームページから確認することができます。

隣接した地区に同じような特色の事業所を開設した場合、安定的な利用者さんの獲得には苦難する可能性が高くなります。

反対に、開設を検討する地区に自社の特徴と重なる事業所がない場合には、自社をアピールできるチャンスでもあります。

例えば、精神科訪問看護に特化した事業所がない地域で精神科訪問看護をメインとした事業所を開設した場合には、利用者さんの獲得に優位になることができます。

また、土日祝日の営業を行っていない事業所が多い地域では、土日祝日でも受け入れ可能な事業所を開設した場合には、多くの依頼をいただくことができるでしょう。

地域の訪問看護事業所をしっかりと下調べして、どの地区にどのような事業所が求められているのか考えていきましょう。

 

開設したい事業所の強みと地域のニーズが合っているか評価する

地域の状況や他社の運営状況を把握できたら、次に開設したい自社の事業所の強みと地域のニーズが合っているか評価していきます。

当シリーズの前回記事「事業の目的、理念を考える」で検討した事業所の方向性を踏まえ、その地域で自社の需要があるのかを検討していく必要があります。

また、訪問看護は地域の変化と共に成長していかなければなりません。

そのためには、地域が今後どのような発展を計画しているのかを知り、現状と併せてその先の予測と自社の展望が合致しているか見比べていくことが大切です。

事業所を開設するからには、訪問看護サービスを長く続けていくことのできる事業所にしていきたいと考えていらっしゃると思います。

事業所の開設地域の選択は、事業存続において重要なポイントとなります。

十分な情報収集を行い、事業所を開設する地域を精査してみてくださいね。

 

まとめ

 

今回は、訪問看護立ち上げ準備シリーズ2「訪問看護の開設する地域を考える」というテーマでエリアマーケティングについて解説しました。

訪問看護のエリアマーケティングにおけるポイントは以下の通りです。

 

  • 地域の人口や訪問看護を必要としている人の数を知る
  • 地域の訪問看護ステーションの詳細を知る
  • 地域のニーズと自社の強みが合っているか評価する

 

訪問看護事業所の設立場所の選定は、皆さん悩まれることと思います。

肌感覚で訪問看護事業所を設立することは、とてもリスクが大きいです。

「訪問看護への熱意を持っていても、設立した場所によって新規利用者さんの獲得が思うようにいかず事業所を閉鎖せざるを得ない!」

そんな結果にならないよう、一緒に働くスタッフや利用者さんを守るために適切な地域選びをしてください。

ビジケアでは、訪問看護事業の立ち上げから開設後の運営まで丁寧にサポートしています。

訪問看護事業の開設を目指す方は、お気軽にご相談ください。

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ABOUT US
石澤 明日香
埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションで5年半勤務。令和4年9月に訪問看護ステーションアスエイドを開設、代表取締役兼管理者を務める。そのほか重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ