
目次
虫垂炎の基礎
虫垂炎は、虫垂に感染と炎症が起きた状態です。
糞石(消化管内容物が固化したもの)や異物などにより虫垂内部が閉塞し、感染を起こします。
穿孔や腹腔内膿瘍を生じると腹膜炎から敗血性ショックに至ることがあります。
症状は、37〜38℃の発熱、嘔気、腹痛(右下腹部痛)があります。
痛みは、心窩部痛から始まり、炎症が広がるにつれ右下腹部に痛みが移動します。
治療法は手術と保存療法(抗菌薬)があります。
女性の場合、下腹部痛は、骨盤内腹膜炎や子宮外妊娠も疑いましょう。

持続した痛みが移動している際は要注意です。
問診と身体所見
問診
痛みに関しては、いつから始まったのか、突然痛くなったのか、痛みの移動はあるかを確認しましょう。
発症初期は軟便〜下痢がみられ、増悪すると腸管麻痺となるので、排便状況や便秘の有無を確認します。
家族に虫垂炎の既往があれば発症する確率が10倍になると言われているため、家族歴の確認もしましょう。
高齢者、糖尿病やステロイド内服中の人は、症状が弱いことがあるため注意が必要です。
- 腹痛の出現時期
- 腹痛の発症様式
- 疼痛部位の移動の有無
- 排便状況
- 便秘の有無
- 家族歴
- 既往歴
身体所見
触診では、上の図のマックバーニー点を圧迫して痛みの有無を確認します。
腹部の聴診で腸蠕動音の低下の有無を確認しましょう。
前回の総論で解説したHeeldrop testも行いましょう。
腹膜炎の合併がある場合、モンロー点の反跳痛や、筋性防御、圧痛範囲の広がりがみられます。
ショック兆候も見逃さないよう抹消の冷感や温感、血圧低下、脈拍上昇、意識レベルの低下、呼吸数の増加などもあわせて観察しましょう。
- 発熱
- 腹痛(マックバーニー点、ランツ点)
- 腸蠕動音の低下(腸管麻痺)
- Heeldrop test(虫垂炎の感度93%)
- 腹膜炎合併(反跳痛、筋性防御、圧痛範囲の広がり)
- ショック兆候
虫垂炎の対応
ショックの兆候があったり、我慢できない痛みや嘔吐があれば救急要請を検討します。
緊急性がなければ、近医の受診を促しましょう。
病院での対応
虫垂炎の検査は、血液検査(穿孔や潰瘍形成があればWBCの増加、CRPの上昇)、画像検査(腹部エコー、腹部CT)があります。
安静にして絶食、輸液管理、症状に応じて解熱、鎮痛、制吐薬を使用します。
治療は、上の表の虫垂炎のスコアを用いて重症度の判定をし、保存的治療なのか外科的治療なのかを検討していきます。
まとめ
- 発熱(37〜38℃)、嘔気、腹痛(右下腹部)は虫垂炎を疑う
- 心窩部痛から始まり、右下腹部へ腹痛部位が移動する
- 穿孔や腹腔内膿瘍を生じると腹膜炎から敗血症性ショックに至る
- ショック状態であれば必ず緊急コール
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今回は臨床でよくみられる虫垂炎について解説していきます。