厚生労働省老健局は令和8年6月25日、介護保険最新情報Vol.1517として「令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和8年度調査)」への協力依頼を発出しました。次期介護報酬改定に向けた基礎資料をつくるための調査で、対象となった場合は訪問看護ステーションも回答が求められる可能性があります。
調査票が届いたときに慌てないよう、通知の内容と押さえておきたい実務対応を整理します。
- 介護保険最新情報Vol.1517の発出内容と目的
- 令和8年度に実施される2つの調査研究事業の概要
- 調査票の発出時期・提出期限
- 訪問看護ステーションが今から準備しておきたいこと
目次
何が決まったのか(通知の概要)
今回の通知は、令和7年度に続き令和8年度も実施される「介護報酬改定検証・研究調査」への協力を、都道府県・市区町村の介護保険担当課や介護保険関係団体を通じて事業所に呼びかけるものです。次期介護保険制度の改正や介護報酬の改定に必要な基礎資料を得ることが目的で、調査結果は社会保障審議会介護給付費分科会等における今後の議論の基礎資料として活用される予定です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発出日 | 令和8年6月25日 |
| 文書番号 | 介護保険最新情報Vol.1517 |
| 発出元 | 厚生労働省老健局(高齢者支援課・認知症施策・地域介護推進課・老人保健課) |
| 件名 | 令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和8年度調査)への協力依頼 |

介護報酬改定の効果検証調査は毎年度行われているものです。前年度(令和7年度)にも同様の調査があったので、「またこの時期か」と思った方もいるかもしれませんね。今年度は調査テーマが変わっているので、内容を確認しておきましょう。
内容の詳細|2つの調査研究事業
令和8年度は、以下の2つの調査研究事業が実施されます。各実施主体から調査票が届いたら、回答への協力が呼びかけられています。
| 調査名 | 実施主体 | 調査票発出日 | 提出期限 |
|---|---|---|---|
| ①高齢者施設等と医療機関の連携体制及び協定締結医療機関との連携状況等にかかる調査研究事業 | 株式会社日本能率協会総合研究所 | 自治体調査・施設調査ともに6月30日 | 自治体調査・施設調査ともに7月31日 |
| ②離島・中山間地域・豪雪地帯等における各種加算等の在り方の調査・検証研究事業 | 株式会社三菱総合研究所 | 7月中旬頃 | 未定 |
通知では、提出期限を過ぎた場合も引き続き提出することが可能とされています。期限に間に合わなくても、調査票が届いた際は回答を検討するとよいでしょう。今後は7〜9月頃に調査票の発送・回収が行われ、集計・分析・検証を経て、11月頃に委員会(介護報酬改定検証・研究委員会)・社会保障審議会介護給付費分科会へ速報値が報告され、令和9年2〜4月頃に最終結果が報告される見込みです。
訪問看護ステーションへの影響
①の調査は高齢者施設等と医療機関の連携体制がテーマのため、訪問看護ステーションが直接の調査対象になるケースは限定的とみられます。一方、②の調査は離島・中山間地域・豪雪地帯等における各種加算の在り方を検証するものであり、特別地域訪問看護加算や中山間地域等提供加算、中山間地域等小規模事業所加算などを算定している訪問看護ステーションは、調査対象に含まれる可能性があります。対象事業所の詳細は個別の調査票発出時に明らかになるため、現時点では確定情報として断定できませんが、該当する地域区分の事業所は特に注意しておきたいところです。
また、直接調査対象にならなかった事業所にとっても、この調査結果は次期介護報酬改定の議論の基礎資料となるため、巡り巡って自事業所の報酬にも影響しうるという点は押さえておきましょう。

離島や中山間地域、豪雪地帯で運営しているステーションさんは、加算算定の実態が調査でどう扱われるかによって、将来の加算の見直しにつながる可能性もあります。調査票が届いたら、面倒でも協力しておくことをおすすめします。
今からやるべき実務対応
- 調査票の到着時期を確認する①の調査は6月30日発出・7月31日期限、②の調査は7月中旬頃発出予定です。自治体や関係団体経由で届く場合もあるため、担当窓口に確認しておきましょう。
- 該当する加算の算定状況を整理しておく特別地域訪問看護加算、中山間地域等提供加算、中山間地域等小規模事業所加算などを算定している場合は、②の調査対象になりやすいと考えられます。算定実績をすぐに確認できるようにしておくと回答がスムーズです。
- 期限内の回答を心がける提出期限を過ぎても提出は可能とされていますが、調査精度や次期改定の議論への反映を考えると、期限内の回答が望ましいでしょう。
- 分科会の議論をウォッチする11月頃に速報値、令和9年2〜4月頃に最終結果が社会保障審議会介護給付費分科会へ報告される予定です。次期改定の方向性を早めにキャッチアップしましょう。
よくある質問
調査票はいつ届きますか?
高齢者施設等と医療機関の連携に関する調査は、自治体調査・施設調査ともに令和8年6月30日に発出され、提出期限は7月31日です。離島・中山間地域・豪雪地帯等の加算に関する調査は7月中旬頃の発出が予定されており、提出期限は本稿執筆時点で未定です。
提出期限を過ぎたら回答できませんか?
提出期限が過ぎた場合も、引き続き提出することが可能とされています。期限に間に合わなかった場合も、調査票が届いた際はあきらめずに回答を検討しましょう。
訪問看護ステーションも回答が必要ですか?
対象事業所の詳細は個別の調査票で示されますが、離島・中山間地域・豪雪地帯等に所在し、特別地域訪問看護加算などの各種加算を算定している訪問看護ステーションは、離島・中山間地域等に関する調査の対象に含まれる可能性があります。
調査結果はどのように使われますか?
社会保障審議会介護給付費分科会等における次期介護報酬改定の議論のための基礎資料として活用される予定です。11月頃に速報値、令和9年2〜4月頃に最終結果が報告される見込みです。
まとめ|調査票が届いたら早めの確認・協力を
令和8年度も、次期介護報酬改定に向けた効果検証調査への協力依頼が発出されました。自事業所が対象になるかどうかを見極めつつ、届いた調査票には早めに対応しておきましょう。
- 令和8年6月25日、介護保険最新情報Vol.1517で令和8年度介護報酬改定検証・研究調査への協力依頼が発出された
- 「高齢者施設等と医療機関の連携」と「離島・中山間地域・豪雪地帯等の加算」の2つの調査研究事業が実施される
- 特別地域訪問看護加算等を算定するステーションは、後者の調査対象に含まれる可能性がある
- 提出期限を過ぎても回答は可能だが、調査票が届いたら早めの対応が望ましい
次期改定の議論は今回の調査結果を土台に進みます。日頃から制度動向をキャッチアップし、来るべき改定に備えましょう。



















