このようなご質問をいただくことがあります。
医療業界はICTの普及・活用が遅れているといわれていますが、訪問看護業界はどうでしょうか。
電子カルテが生まれて約20年、私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化し続けています。
特に現在は新型コロナウイルスの影響で世界的でテレワーク活用の動きも出ています。
訪問看護業界で働く私たちには、どのようにICT活用することができるのでしょうか。
今回は訪問看護におけるICTの活用法について、テクノロジーに苦手意識をお持ちの方にもわかりやすく解説していきます。
- ICTとは?
- 訪問看護でのICT活用でできること
こちらの記事も訪問看護における電子カルテの使用やIT化について詳しく解説しています。
ぜひ参考にしていただきたいです。
目次
訪問看護におけるICTについて
訪問看護ステーションで働くみなさんは、ICTという言葉をご存じですか?
ICT(アイシーティー)とは、「Information and Communication Technology」の頭文字をとった単語です。
日本語では「情報通信技術」と訳され、ITと似た意味を持ちますが、ICTは情報技術だけではなく、ネットワークを活用して情報や知識を共有することも含めた言葉です。
訪問看護ステーションでのICT化というと、電子カルテの導入や請求ソフトやそれに関するサービス等の導入や使用を指しています。
最近では、大手の訪問看護ステーションを中心に請求業務ソフト等が導入され、ICT化は進んでいます。
訪問看護のICT活用でできる6つのこと
ここからは、訪問看護ステーションでICT活用をすることでよくなることを6つご紹介していきます!
訪問看護でICT活用により可能になることは、以下の6つが挙げられます。
- 電子カルテの導入により作業効率アップ
- 報酬請求の効率化
- ホームページによる訪問看護ステーションの広告・宣伝
- 情報収集・共有の手間の削減
- スタッフの負担軽減・働き方改革
- 経営状況の分析
さっそく、一つずつ解説していきます。
電子カルテの導入により作業効率アップ
訪問看護事業におけるICT化の大きなポイントは電子カルテの導入です。
訪問看護記録の作成や管理を簡単にしてくれます。
記録の重要な部分にチェックがついていない場合はエラー表示をしてくれて、提出前に訂正をすることが可能となります。
観察項目についてもプルダウンで選択入力が可能、記述の手間が省けます。
人的リソースを使って一つ一つ記録をチェックする時間を短縮することができるのは、大きな違いと言えます。
これまでは紙カルテをファイリングして鍵のかかる場所に保管することが一般的でした。
現在は紙カルテで記録をクラウド上に保存することも可能ですので、保管スペースの削減にも繋がります。
報酬請求の効率化
これまで手作業で行っていた請求業務は、請求ソフトの導入により効率化されます。
訪問看護記録と請求ソフトが連動したシステムでは、訪問看護記録の内容から療養費や加算の計算がされます。
報酬改定ごとに変わっていく内容もソフト会社がアップデートしていきます。
そのため、訪問ごとに必要項目をスタッフが入力していくことで、人的ミスによる差し戻しや請求漏れが少なくなります。
ホームページによる訪問看護ステーションの広告・宣伝
ホームページを作成し、訪問看護ステーションの紹介を行うことで、多くの人に事業所を知ってもらえるきっかけとなります。
現代の就職活動では必ずといっていいほど応募先のホームページをチェックします。
そのため、新規職員の求人を行う際には自社ホームページが重要な役割を担います。
また、ケアマネジャーや病院、近隣の方やステーションの特徴や雰囲気を知ってもらうためには大変効果的です。
受け入れ状況やスタッフの活動について、どのような想いでステーションを運営しているかどうかなどを発信するツールにもなります。
最新情報をブログなどで更新することができると、より宣伝効果も高まります。
情報収集・共有の手間の削減
訪問看護ステーションのICT化が進むと、情報の共有がスムーズになります。
利用者さんの情報が電子化されることにより、わざわざ紙カルテを開く必要がなくなります。
そのため、スタッフ全体で情報を目にすることができます。
また、個人がタブレット端末を所持することにより、直行・直帰が可能となります。
待機で休日や夜間に緊急訪問するときにも、迅速に利用者さんの情報を把握することができます。
スタッフ間の情報共有が充実することで、サービスの質の向上にも繋がります。
スタッフの負担軽減・働き方改革
ICT導入による業務の効率化はスタッフのストレスの軽減にもなるといえるでしょう。
記録や計画書・報告書作成などの事務作業であればテレワーク化も可能で、働き方改革にもつながります。
スケジュールの管理も可能となり、端末を通して情報を共有できます。
出退勤も勤怠アプリの活用で事業所に出勤しなくても可能となります。
朝礼やミーティングも自宅や出先から参加もできてしまいます。
このようにICTの活用は訪問看護ステーションで働くスタッフの負担も軽減します。
経営状況の分析
ICTを導入するとソフトを通して業績の分析が簡単にできるようになります。
訪問看護向け電子カルテで売り上げの内訳を確認して分析できるものも増えています。
稼働率や売り上げの管理の人的な労力を大幅に削減することができ、かなりの時間短縮になるはずです。
売り上げをデータとしてまとめることで、外部委託している税理士や会計士とのやりとりもスムーズに行うことが可能です。
ICT活用で良くなる訪問看護の業務効率
現在は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、世界中でテレワークの動きが進んでいます。
オンラインでのやりとりは非常に効率的で、今後も続いていくものも多いと思います。
導入時は戸惑いもありますがうまく活用すれば業務効率はかなりアップします。
みなさんの訪問看護ステーションや周辺の事業所にも少なからず影響が出ているのではないでしょうか。例えばサービス担当者会議がオンラインになる、直行直帰で業務ができるようになるなどありませんか?
ICTの活用については、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を図ることを目的とし、国や自治体等がTツールを導入するための経費の一部を負担する様々な補助金制度を設けています。
ぜひご活用いただきみなさんの日々の業務を無駄なくしていただきたいと思います。
どのように活用していくと良いのでしょうか?