訪問看護は、看護師がご利用者さんのお宅に伺い、看護を提供するサービスです。
今回は、訪問看護で起こりやすいトラブルについてご紹介します。
備えあれば憂いなし!
事前に注意して訪問することで、トラブルを最小限に抑えることができます。
訪問看護に従事したばかりの看護師さんやセラピストの皆さん、ぜひ参考にしてください!
目次
訪問看護で起こりやすいトラブルその1|訪問先の物品の破損
訪問看護では、さまざまな環境のお宅に伺います。
自分の家と同じように、利用者さんやそのご家族が生活している場所ですから、当たり前ですが家具や生活用品が置いてあります。
家具や生活用品を落としたり、ぶつかってしまい破損してしまうケースがあります。
ケアなどで自宅内を移動する際には、周辺の環境に注意して行動しましょう。
また、家によって築年数が異なるため、老朽化していることもあります。
清潔ケアで浴室や物品をお借りすることもありますが、お借りする際にはいつでも慎重に扱うよう心がけましょう。
福祉用具など私物ではなくレンタルしているものもありますので、どの物品も大切に使用させていただくように注意します。
万が一物品を破損してしまった場合には、すぐに管理者へ報告し指示を仰ぎます。
物によっては弁償することもありますし、訪問看護事業所で加入している賠償責任保険で対応することもあります。
訪問看護で起こりやすいトラブルその2|金銭トラブル
病院では入院費や診察料を看護師が直接やりとりすることはありません。
しかし、訪問看護では利用料金のやりとりに看護師が関わる事業所も少なくありません。
そこで起こりやすいのが、金銭面でのトラブルです。
全ての利用者さんが銀行口座からの引き落としや口座振り込みでの対応ができるのが望ましいですが、現金での集金を希望される方もいらっしゃいます。
看護師が集金をする場合、利用者さんからいくら受け取るのか確認が必要です。
封筒などのままお預かりし、事務所に戻って開けてみたら不足があった、という可能性もあります。
トラブルを避けるためにも、封筒などに入った現金をお預かりする際には目の前で封筒を開けて確認します。
利用者さん宅から事務所に戻るまでに数件訪問をする場合もあります。
ステーションで金銭管理をどのように行うのか、ルールを決めておくことで紛失を予防しましょう。
また、利用料金について説明が十分にされていなかった場合、「こんな金額は聞いていない!」とトラブルに発展することもあります。
訪問看護サービスをご利用いただく際には、利用料金について十分に説明しご同意をいただくことが必要です。
訪問看護で起こりやすいトラブルその3|連絡事項でのトラブル
訪問看護は基本的に一人で訪問します。
利用者さん宅でのやりとりや約束は、管理者へきちんと報告する必要があります。
例えば、利用者さんから「次回の訪問は受診のためその週だけ他の曜日に来てもらいたい。」との希望があった場合には、責任を持って管理者や他の職員と共有して訪問日の設定を行う必要があります。
訪問予定が抜けてしまうことは、利用者さんからの信頼を失う大きな原因になります。
また、訪問に伺う時間が変更になることや、質問を受けた内容を、日をまたいで返答することもあります。
利用者さんやご家族に連絡事項がある時には、伝言メモなどを活用するなど、口頭での説明だけでなく先方に伝わるよう工夫しましょう。
訪問看護でトラブルを起こしてしまったら
3つの起こりやすいトラブルをご紹介しました。
いくつか注意点を記載しましたが、どんなに注意していてもトラブルは突然に起こります。
そんなとき、訪問看護師やセラピストはどのように対応するのが望ましいでしょうか。
どんなトラブルでも共通するのは、きちんと謝罪することです。
謝罪はなるべく早い方がいいです。
そうなった理由や原因の説明を先にしても、言い訳にしか聞こえません。
まずは誠意を持って謝罪し、次にこの後の対応について説明します。
管理者への報告もすぐに行いましょう。
管理者からも謝罪し、迅速な対応を行います。
迅速な対応をすることで、利用者さんとの信頼関係を修復する期間も短くなります。
そして、トラブルが生じた原因を分析し事業所で話し合い、今後の訪問業務での注意点として学びにつなげましょう。
大切なのは、同じトラブルを繰り返し起こさないことです。
まとめ
今回は、訪問看護で起こりやすいトラブルについてご紹介しました。
- 起こりやすいトラブルは、物品の破損、金銭トラブル、連絡事項でのトラブル。
- トラブルを防ぐためには、慎重な行動と確認が必要である
- トラブルを起こしてしまった場合には、適切な謝罪と迅速な対応を行う
- トラブルが生じた原因と今後の対応策を話し合う
トラブルは避けて通りたいですが、予期せずに起こるものです。
起こりえるトラブルは事前に予測し、対策を講じるに越したことはありません。
ぜひステーション内で話し合い、対応マニュアルを作成しておくと一定の基準を持つことができ安心ですね。