四季を肌で感じられる訪問看護。
しかし、温暖化の影響もあり年々気温の高さを感じておられる方も多いのではないでしょうか。
訪問看護の夏は暑いです!実際と対策を経験をもとに解説していきます!
目次
訪問看護の夏は暑い!その実際と対策
気象庁の発表によると今年の夏も猛暑の予報です。
筆者が経験した訪問看護の夏場の暑さに対する実際と対策は以下になります。
①入浴介助
②エアコン未使用のお宅
③蚊
④紫外線
それぞれ解説していきます!
入浴介助
実際
訪問看護ではご自宅で入浴介助の支援も多いのではないでしょうか。
夏場は入浴介助の際に看護師も滴り落ちるくらい汗をかきます。看護師がそれだけ汗をかくので、利用者さんが脱水状態にならないか注意が必要です。
また、発汗が多量にみられるので皮膚トラブルも起こりやすくなります。
浴室の湿度と室内温度も高くなりがちですので、長時間の入浴や介助は避けた方が望ましいです。
対策
看護師の汗が利用者さんにつかないようにタオルがあった方が良いでしょう。
利用者さんの水分制限の有無にもよりますが入浴前後の水分補給が重要です。
発汗が見られやすいことから汗疹(あせも)がみられやすいです。予防に速乾性の下着を薦めてみる、入浴の頻度を増やしてみる等の対応が大切です。
エアコン未使用のお宅
実際
訪問看護は高齢者への支援が多いと考えます。
一般的に高齢者は筋力量の減少や気温への反応の鈍さから、暑さを感じにくく、気温が高くても長袖を着ていたり、エアコンを嫌う方も多いです。
以下厚生労働省のデータになりますが、毎年熱中症での救急搬送者や死亡者が増えているのが現状となります。
高齢者世帯に訪問した際に、気温は高いがエアコンは使用しておらず、場合によっては窓も開けていない利用者さんもいらっしゃいます。
対策
筆者の場合は、TVのニュースを活用して毎年エアコン未使用で体調を崩される方が多いこと、体の仕組み(身体機能の低下)で暑さを感じづらくなっていることを説明して、理解を得られるように関わります。
しかし、看護師側の意見を一方的に押し付けるのではなく、なぜ利用者さんがエアコンを使用したくないのかをアセスメントすることも重要です。
また、エアコン使用したとしても直接体に風が当たらないように風向きを調整する等の工夫も良いと考えます。
訪問時に温湿度計を持参し、実際の温度や湿度を利用者さんと一緒に確認することもオススメです。視覚情報としてアプローチすることで、エアコンの必要性に対する理解も深まります。
しばらくエアコンを使用していないお宅の場合、きちんと作動するのか、フィルターは掃除してあるか等の確認も必要です。もし、故障があったりや掃除がしていなければ本人、ご家族等に対処を依頼します。
蚊
実際
毎年夏場といえば蚊が発生する季節となります。
たかが蚊、されど蚊。蚊は感染症の媒体にもなり得るので注意が必要です。
訪問看護師として一度は草木が生い茂った庭のあるお宅に訪問した経験があるのではないでしょうか?
気づいたら数カ所蚊に刺された跡があり、痒みを感じることもあるかと思います。
筆者はありました!
対策
蚊への対策としては虫除けスプレーが大切です。
有効成分としてはディートとイカリジンが効果的です。以下厚労省の通知文より。
また、刺されないように肌の露出を最小限にする為日焼け止めのアームカバーの着用等も有効です。
[ワコール] シーダブリューエックス アームカバー 吸汗速乾 UVカット ストレッチ 抗菌防臭
蚊は水辺に発生しやすいので、訪問宅周囲の水たまりの有無も観察しておくと良いでしょう。
紫外線
実際
夏場といえば紫外線。訪問看護師は移動が多く、地域によっては自転車、バイク、自動車と移動手段は様々です。
直接紫外線を浴びる自転車やバイクもそうですが、筆者の地域は車で移動でも窓側の腕が毎年日焼けをしてしまいます。
紫外線による健康被害には、日焼けなど急性のものと、長年にわたる蓄積により皮膚ガンなどの病気になるリスクを高めるといった慢性のものがあります。紫外線には、体内でビタミンDを作るなど良い面もありますが、一方でこうした健康被害をもたらすことをふまえて、子供のときから正しい対策をとることが重要です。
対策
紫外線対策の指標としてUVインデックスというものがあります。
近年、紫外線を浴びすぎると皮膚がんや白内障になりやすいことが明らかになっています。 さらに「オゾン層破壊」によって地上に到達する紫外線が増加していることから、世界保健機関(WHO)ではUVインデックス(UV指数)を活用した紫外線対策の実施を推奨しています。 UVインデックスとは紫外線が人体に及ぼす影響の度合いをわかりやすく示すために、紫外線の強さを指標化したものです。
UVインデックスに沿った紫外線対策が重要ですね!
まとめ
今回は訪問看護の夏は暑い!実際と対策について解説しました。
①入浴介助の際は利用者さん、支援者含め脱水状態や熱中症にならないよう工夫して行う
②エアコンは夏場を乗り切るにはとても大切であり、その視点で支援にあたる
③蚊は感染症の媒体になり得るので対策が必要である
④紫外線対策はUVインデックスに基づいて行なっていく
訪問看護師自身の体調管理にも繋がる夏場の支援への工夫。
汗をかくと達成感もありますが、無理はせず暑い夏場を乗り切っていきましょう!
最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上の日を真夏日、25℃以上の日を夏日、0℃未満の日を真冬日といいます。最低気温が0℃未満の日を冬日といいます。
引用:気象庁HP