- 精神科訪問看護における営業先の候補
- 精神科訪問看護の営業のコツ
精神科訪問看護を始めようと思うんだけど、どこに営業に行ったらいいんだろう。
こうお悩みではないでしょうか?
精神障害の方々を取り巻く地域の支援体制は、医療、福祉、就労、生活支援など、かかわる機関が多く支援内容も多様です。
通常の訪問看護に比べてやや特殊なところがあるため、どこに営業に回ればよいかわかりにくいことがありますよね。
この記事ではそういった精神科訪問看護の「わかりにくい営業先」から、「営業方法のコツ」などの疑問を解決する内容になっています。
ぜひ最後までお読みください。
目次
営業に行く前に、精神科訪問看護ってニーズはあるの?
精神障害者を取り巻く環境は、国が精神保健医療福祉政策を進めていることもあり、退院支援が活発になっています。
精神疾患を有する患者さんはH29年時点で約420万人に増えています。
しかし、入院患者数は30.2万人と減少、外来患者数は389.1万人と増加(第7次医療計画の指標に係る現状について)しており、地域で暮らす精神疾患を有する患者さんが増えています。
そうした中で国が精神疾患を有する患者さんに対し、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を推進しています。
地域で障害福祉サービス等の利用者が増えていることからも、精神科訪問看護のニーズは高いと言えるでしょう。
精神科訪問看護の依頼はどんな流れで来る?
精神科訪問看護の利用につながるルートはさまざまです。
精神科病院に入院している患者さんが、退院する時に地域生活を送る上で必要なサービスを探しているときに相談の依頼がきます。
また、すでに地域で生活されている精神障害者の方も、対人トラブルなどがきっかけで地方自治体の相談窓口からつながることもあるでしょう。
精神科に通院している高齢者は、地域包括支援センター/居宅介護支援事業所との連携で、地域のサービスにつながることがあります。
各過程で在宅や地域生活において、訪問看護が必要と判断されれば利用につながる可能性が高まります。
精神科訪問看護の営業先の候補
ではさまざまな分野の中で、精神科訪問看護はどういった営業先の候補があるのでしょうか。
一つずつ見ていきましょう。
- 精神科病院の地域連携室
- 心療内科病院/クリニック
- 精神保健福祉センター
- 市町村障害福祉課
- 保健所/保健センター
- 障害者相談支援事業所
- 社会福祉法人
- 地域包括支援センター・居宅支援事業所
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精神科病院の地域連携室
精神科病院に入院している患者さんの在宅復帰を支援しているのが、精神科病院の地域連携室です。
社会福祉士や精神保健福祉士、看護師が所属していることが多いです。
退院を検討している患者さんに対し、退院後にどういったサービスを利用するかを考えながら地域の各所と連携を図っています。
こちらに認知してもらえていることで、直接的ではなくとも「あそこの訪問看護に依頼したい」と相談先に打診してもらえるかもしれません。
心療内科病院/クリニック
心療内科は身体症状を伴う精神疾患やストレス関連障害を専門に診療する医療機関です。
地域で生活する人々の、精神的な悩みやストレスを改善するために大切な相談窓口となっています。
地域連携には社会福祉士や精神保健福祉士、看護師などが相談員として所属していることがあります。
地域の生活において心療内科への通院とあわせて、精神科訪問看護が必要と判断した際に依頼が来るかもしれません。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは各都道府県(政令指定都市)にあり、精神疾患に関する相談や支援機関の情報提供などの機能を持っています。
より専門性の高い精神保健福祉士や保健師が所属しており、精神障害の方々を各サービスへ繋ぐ役割や、地域での啓蒙運動を行っています。
こちらから直接依頼が来ることもありますし、他の相談事業所を通じて間接的に依頼が来ることもあるでしょう。
市町村の障害福祉課
市町村の障害相談窓口として各市町村に設置されており、地域で生活を送る障害を有する方々の相談窓口で、市役所職員や相談員が所属しています。
地域で生活を送る精神障害を有する方々やその家族が、困り事やトラブルを生じた際に、こちらに相談につながるケースがあります。
保健所/保健センター
地域住民の健康保全に必要な業務を行う機能があり、保健師や精神保健福祉士、社会福祉士などの専門員が所属しています。
保健所は中核市などに設置されており、行政に準ずる健康保全業務を行う機関です。
保健センターは市町村が設置しており、市民ひとりひとりの対人保健業務を中心に行っています。
そのため、地域によっては保健センターへの営業の方がよいかもしれません。
障害者相談支援事業所
障害者相談支援事業所は、障害者が地域生活における相談ができる機関で、障害福祉サービスの利用に必要な情報や支援が受けられます。
多くは市町村から委託を受けた民営の事業所が運営しており、こちらも各サービスへの相談支援専門員が在籍しています。
医療機関や市町村、精神保健福祉センターからの依頼を受け、より地域の状況に応じたサービスへの受け渡しがされています。
社会福祉法人
グループホームなどの入所施設や、デイサービス・就労支援事業所を運営している母体の社会福祉法人です。
障害を持つさまざまな方へ、自立支援や地域移行における障害福祉サービスに関する支援を行っており、地域に根ざしたネットワークを有しています。
相談支援専門員や精神保健福祉士、社会福祉士、ピアサポーターなどが在籍しています。
利用者さんの地域生活に必要なサービスを検討することがあります。
地域包括支援センター/居宅支援事業所
「地域包括支援センター」は市町村が設置・運営しており、高齢者やその家族が地域で安心して暮らせるよう、包括的な相談窓口としての機能があります。
支援が必要な高齢者の方々のサービスを検討するために、保健師や社会福祉士、ケアマネージャーが在籍しています。
「居宅介護支援事業所」も同様、ケアマネージャーが在籍しており、介護が必要な高齢者の方々のサービス調整に従事しています。
基本的には介護保険を扱っていますが、精神科に通院している高齢者を担当しているケアマネージャーもいます。
主治医が精神科医の場合、精神科訪問看護の指示書を書いてもらえれば、医療保険を利用しての精神科訪問看護の利用が可能です。
精神科訪問看護における効果的な営業のコツ
精神科訪問看護の営業で効果を出すためにはどういったコツが必要なのでしょうか。
こちらを参考にしてみてください。
事前に準備をする
以下のような事前準備をしておくことで、営業先で自信を持って自ステーションの情報を発信できます。
- ステーション独自の強みを整理する
- 専門的な知識を持ったスタッフのアピール
- パンフレットやチラシなども訪問資料を作成する
- 営業先での応答についてロールプレイングを行う
- 導入事例などの実績をまとめる
こういった情報を事前に準備しておくことで、他のステーションとの違いを明確に伝えることができるでしょう。
相手が知りたいことを伝える
各施設の特徴を把握しておき、その施設に必要な情報を事前に考えておくと良いでしょう。
施設ごとの機能や特徴が異なるため、施設毎の機能に分けて相手が知りたい情報を伝えることで、成約率向上に大きく貢献できます。
例えば精神科病院の地域連携室では、「精神科訪問看護のサービス内容」や「他の医療機関との連携体制」、「利用者さんの受け入れ状況」などの提案が有効です。
また地域で生活を送る方のサポートをしている機関に対しては、地域生活に必要な「利用者さんのニーズに合わせたサービス内容」や「対人技能や生活能力に関するサービス」が提供できるという提案が有効です。
信頼関係を築く
営業先では相手の立場に立ったコミュニケーションを取ることや、定期的な情報交換を取るなどの誠実な対応を取ることが大切です。
しつこすぎるのも良くないため、1ヶ月に1度程度の頻度で各事業所を回ることがおすすめです。
また地域で行われる交流会や研修会に参加することも有効でしょう。
相談員さんが担当利用者さんのサービスを検討する際に、「あのステーションのあの人にお願いしようかな」と思い出してもらうことが大切です。
精神科訪問看護の営業のために
紹介してきましたが、ざっと精神科訪問看護の営業先のおさらいです。
- 精神科病院の地域連携室
- 心療内科病院/クリニック
- 精神保健福祉センター
- 市町村障害福祉課
- 保健所/保健センター
- 障害者相談支援事業所
- 社会福祉法人
- 地域包括支援センター・居宅支援事業所
施設毎の特徴に合わせて営業の事前準備をすることで、効果的に営業に回ることができます。
営業のコツを参考にしていただき、精神的な障害で生活を送るのに困った人々に、素晴らしいサービスが行き渡るよう営業活動に励んでいきましょう。