訪問看護師に求められるおむつ交換技術とは?徹底解説します!

最近病院から訪問看護ステーションに転職したんですけど、おむつ交換ってなんとなく作業のようにやってきたからやり方に不安があります。

 

そうね。在宅ではご家族への指導もあるからおむつ交換のやり方一つとっても丁寧さが求められるわね。

 

このような会話をよく耳にします。

在宅の現場では利用者さんへの排泄ケア、家族への介護指導等で訪問看護師におむつ交換技術が求められます。そんなおむつ交換技術をここでは詳しく解説していきます!

 

訪問看護師に求められるおむつ交換技術とは

ひらめき

 

おむつの基礎知識

ひとえにおむつと言っても、今は各メーカーから様々なものが販売されており、その性能も日々向上しています。

おむつには大きく分けて「パンツタイプ」「テープタイプ」「パットタイプ」があります。これらを組み合わせることによって、経済的かつ快適に日常生活を営むことができます。

 

引用:FEEDメディカルケア

 

おむつの種類

①パンツタイプ(リハビリパンツ)

ある程度歩行や座位保持が可能な方で、何らかの要因により尿失禁が見られるようになった方が適しています。尿失禁の頻度が高い時期には尿とりパッドと併用して使用しますが、頻度が低くなった場合はリハビリパンツ単体で使用します。パンツタイプにはテープは存在しないのでサイズ調整はできません排尿約2回(~300㏄ほどの吸収量)を吸収するうす型タイプから、排尿約5回(~750㏄ほどの吸収量)程度吸収する厚型の長時間タイプのおむつがあります。

②テープタイプ

寝て過ごすことが多い方に適しており、寝た姿勢でのおむつ交換が楽に行えます。腹部側のテープを調節することで、体型に合った位置でのサイズ固定が行えます。基本的には尿とりパッドと併用して使用します排尿約2〜4回(~600㏄)程度の吸収量があります。尿とりパッドを併用することで吸収量を増加させることができます。1回の尿量が多いケースや、夜間の際は長時間用の尿とりパッドを利用する漏れの心配も少なくなります。

③パットタイプ(尿取りパット)

おむつと一緒に利用するのが尿取りパッドです。パッド交換により、外側のおむつを換える必要がなく経済的です。尿取りパッドは身体の状態や1日の交換回数などに合わせて、様々なタイプが用意されています。尿取りパッドの使用により、ズボンやおむつをすべて脱がずに汚れた尿とりパッドだけを交換できます。介護する方・される方、それぞれの身体的負担や交換時間を減らし、また双方にかかる心理的負担も軽減できます。多くの尿を吸収できるため、漏れの心配も少なく安心です。

 

いかに漏れを少なくするか

おむつメーカーであるユニ・チャームが調べたアンケート結果が以下になります。

おむつ導入時に一番困る事の一位が「合うサイズがわからない」。次いで「何を基準に選んでいいかわからない」となっています。

 

 

体験者からのアドバイスからも、「漏れないものの選択」が一位にきています。

 

ユニ・チャーム調べ:実施したアンケートより(349名の介護経験者が回答)

これらのことから、訪問看護師として、いかに漏れを少なくするか合うサイズを見つけられるかがおむつ交換技術の中で重要な事項であることがわかりますね。

漏れを少なくする事は、利用者さんの不快感の軽減、ご家族の負担軽減に多いに貢献する事につながります。

 

意外と見逃しがちなのがおむつの「ギャザー」の存在です。きちんと「ギャザー」を立てるだけでも漏れは劇的に少なくなります。

 

皮膚トラブルの予防

訪問看護師の視点として、皮膚状態の観察やトラブル発生の予防の観点は重要です。

オムツ使用の中でよく遭遇することが多いトラブルが「おむつかぶれ」です。

 

おむつかぶれとは

おむつ皮膚炎、失禁関連皮膚障害(IAD)等とも言われています。おむつが密着するお尻や陰部の皮膚に発赤や湿疹などを引き起こす症状のことです。汗や排泄物の蒸れなどが原因になることもあり、中には皮膚に常在しているカビの一種であるカンジダの異常増殖などによるものもあります。症状の程度はさまざまで、皮膚に軽い炎症を起こしているだけのケースもあれば、表皮の一部がただれて排泄の度に強い痛みを引き起こすケースもあります。

 

おむつかぶれが発生してしまう原因と対策は以下になります。

 

原因

①加齢による皮膚機能の低下

②長時間の着用

③肌への摩擦

 

予防方法

予防方法としては以下が考えられます。

①可能であればオムツ交換の頻度を増やす

②おむつの商品を見直す(蒸れが良くないので長時間用のものやサイズの見直し)

③オムツ交換時の摩擦に注意する(引っ張らない、ゴシゴシ拭き取らない)

④皮膚の清潔を保つ(泡で優しく洗浄、ワセリンなどで皮膚を保護)

 

カンジダ等真菌感染が原因の場合はワセリンなどの保湿剤を使用すると悪化する可能性があります。きちんと医師に診察してもらうことが大切です。

 

QOL(クオリティオブライフ)の尊重

排泄機能が低下=おむつの使用。

案外すぐに考えがちですが、筆者は看護学生時や病棟看護師時代におむつ着用体験をしたことがあります。中々おむつ内に排泄する事は難しく、羞恥心や自尊心の低下を感じました。

おむつは便利な反面、利用を検討する際には利用者さんの気持ちや求めている事、生活の質を考え、他の代替案はないかを意識することは大切であると考えます。

以下は筆者が経験した、おむつを使用せずに課題解決に至った一例です。

 

おむつ使用以外の課題解決方法の一案

①自宅のトイレが遠く、間に合わずに失禁→ポータブルトイレの使用

②夜間の排尿回数や尿量が多く失禁→水分摂取時間の調節(日中しっかり摂り、夕方夜間は控える)

③排泄動作に時間を要し、間に合わなくなり失禁→リハビリテーションを行い排泄動作を改善

④福祉用具や住宅改修で円滑にトイレでの排泄動作ができるようになった

⑤男性であれば前立腺肥大からの頻尿ケースが多いため、泌尿器科受診し薬物治療で頻尿改善

⑥認知機能低下からトイレの場所がわからなくなってしまう→張り紙を活用しトイレの場所をわかりやすくする

⑦どうしてもおむつが嫌という意向があり、尿器や差し込み便器の使用方法をお伝えし、手技獲得

 

家族への視点

在宅ではキーパーソンの家族が介護を行うことが多いです。介護未経験である方も多いため、訪問看護師が家族へ介護指導という形でおむつ交換の知識や技術をお伝えします。

利用者さんやその家族の日常生活リズムをアセスメントし、夜間しっかり休めるように長時間用の尿取りパットを提案したり、合によっては自動採尿器や家族が少しでも休息できるように訪問看護の頻度を増やすことや、ヘルパーさんの介入を提案することも時として必要であると考えます。

 

引用:パラマウントベッド

 

オムツ交換技術が学べる場

 

資格制度

おむつの基礎から応用まで学べる資格の一覧が下記になります。訪問看護師として、もう一度しっかりと学ぶ場として良いのではないでしょうか。

株式会社排泄総合研究所が運営する排泄用具の情報舘むつき庵:オムツフィッター1〜3級

介護職員初任者研修

介護職員実務者研修

介護福祉士国家試験

 

おむつメーカーさんとの繋がり

各おむつメーカーさんの研修に積極的に参加したり、メーカーさんに情報提供を依頼することで自社製品の紹介と共に最新のおむつ事情を知ることができます。

 

他職種に相談する

訪問看護師もおむつの知識や技術を一通り学びますが、関わりのある介護職員さんに教えていただくことも有用と考えます。視点の違いから、おむつ交換技術の視野が広がるのではないでしょうか。

 

まとめ

 

今回は訪問看護師に求められるおむつ交換技術について解説しました。

 

まとめ

①おむつの種類や特徴を把握し、その人に合ったおむつを選択する

②漏れを防ぎ、皮膚トラブルを予防する

③おむつ以外の代替え案がないか考察する

④利用者さんのQOLや家族の介護負担への視点を忘れない

⑤他職種におむつ技術を教えてもらうことも大切

 

尊厳に深く関わる排泄ケア。その中でもおむつ交換技術は身近な技術です。

自分ごととして捉えることで、関わり方も良い方向へ進んでいくのではないでしょうか。

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ABOUT US
野代 龍平看護師
訪問看護ステーションと看護小規模多機能型居宅介護の管理者。訪問看護7年目。精神科訪問看護、腹膜透析の件数多く受けています。認知症初期集中支援チーム員。群馬県在住。レセプトもこなすマルチプレイヤー。調子に乗るのがたまにキズ。