このように悩まれている訪問看護ステーションの管理者さんやスタッフさんの声をよく耳にします。
立ち上げたばかりの多くの訪問看護ステーションでは、同じような不安を感じているかもしれませんね。
新規利用者さん獲得については、訪問看護ステーション開設時に多くの事業所で苦労する点だと思います。
この記事を読むと、訪問看護ステーションの利用者さんを増やすポイントが分かるようになります。
訪問看護の利用者さんを増やしたいと考えている訪問看護ステーションの管理者さん及びスタッフさんは、ぜひ参考にしてください。
目次
訪問看護ステーションの利用者を増やす3つのポイント
訪問看護ステーションの利用者さんを増やしたいと考える際には、以下の3つのポイントを押さえて行動することが大切です。
- 安定して新規依頼をもらうサイクルを作る
- 訪問看護ステーションの状態に合わせて営業先を選定する
- 新規依頼は断らない
では、一つずつ解説していきます。
安定して新規依頼をもらうサイクルを作る
訪問看護ステーションでは、新規契約がなければ利用者さんは増えません。
安定して新規依頼をいただくサイクルを構築する必要があります。
訪問看護ステーションへの新規依頼をいただく先の多くは、ケアマネジャーがいる居宅介護支援事業所や退院支援を行う医療機関のMSWです。
利用者さんからの直接依頼はほとんどありませんので、ケアマネジャーなどから依頼が来るように行動しなければいけません。
ケアマネジャーやMSWの方達から新規依頼をいただくためには、3つのステップが必要です。
ステップ1「認知してもらう」
開設当初の訪問看護ステーションの多くは、ほとんど認知されていません。
そのため、ケアマネジャーやMSWが訪問看護ステーションをサービスとして使いたいと思った時に、そもそも候補に上がりません。
まずは、事業所を認知してもらうために直接ケアマネジャーやMSWに会いに行きましょう。
電話でアポイントメントを取り、確実に会えるタイミングで伺えることが望ましいです。
施設によっては来訪や面会の規制がある場合もありますので、まずはご連絡してみましょう。
地域包括支援センターや保健所なども、地域のケアマネジャーとの繋がりがあります。
上記にご挨拶に伺った際には、ご紹介をしてもらうことも良いと思います。
ステップ2「訪問看護ステーションの特色を知ってもらう」
訪問看護ステーションが乱立している地域も多く、「〇〇訪問看護ステーション開設しました。」というお知らせだけでは印象に残りません。
ケアマネジャーやMSWも、事業所の特徴や働いている人の様子がわからない訪問看護ステーションを利用者さんに紹介する気にはなれません。
ケアマネジャーやソーシャルワーカーもそれぞれが担当している患者さんや利用者さんを大切に考えています。
そのため、成果を期待できる訪問看護ステーションでなければ新規依頼には結びつきません。
自分たちの訪問看護ステーションがどのような事業所であるのか、明確に伝わるように特色をアピールしましょう。
- 人員配置、職種、年齢
- 組織の特色、得意とする看護
- 利用者さんへの想い
上記のような内容を伝えられたら良いと思います。
事業所を詳しく知っていただくためには、チラシやリーフレットを作成してお渡しすることも有効です。
ステップ3「結果を出す」
3つめは結果を出すことです。
ステップ1及び2を適切に繰り返し行うことで、新規依頼をいただくことができると思います。
新規依頼をいただくことができたら、訪問看護師として腕の見せ所です。
専門職としての力を存分に発揮し、しっかり結果を出せば、次の依頼に繋がっていきます。
大切なことは、「自分たちのやりたい看護」ではなく「利用者さんに必要な看護」を提供することです。
また、他職種連携を十分に行い、チームを組みやすい事業所であることを知ってもらいます。
事業所一丸となってサービスの質を維持できるよう頑張りましょう!
訪問看護ステーションの状態に合わせて営業先を選定する
訪問看護サービスの対象の方は、医療依存度の高い方からリハビリテーション目的であり体調観察のみの看護で可能な方までさまざまです。
入院や死亡により短期でサービス終了になってしまう方もいれば、何年間もサービスを提供する方もいます。
ターミナルの方や一時的な点滴での利用の方は短期間でサービスが終了になってしまうことが多く、長期的な利用をしていただく利用者さんを増やすことは出来ません。
そのため、利用者さんのバランスを考えた営業活動をしていく必要があります。
地域包括支援センターは主に要支援の利用者さんを担当しています。
比較的状態が安定した利用者さんが多いので、地域包括支援センターから営業に行くことをオススメします。
地域によってはリハビリ専門職の訪問枠から埋まることも少なくありません。
リハビリを希望する利用者さんは体調が安定していることも多いため、人員配置にリハビリ専門職を置くことも良いと思います。
ただし、訪問看護ステーションにおける看護師とリハビリ職の適切な割合について議論されておりますので、看護師とリハビリ職の割合が6:4以上にならないことをオススメします。
また利用者さんのバランスも定期的に確認しましょう!
下記の項目から見てもらえると、事業所の利用者さんのバランスがわかりやすいと思います。
- 介護度
- 疾患名
- 処置内容
- 看護とリハビリテーションの訪問割合
新規依頼は断らない
立ち上げ当初の訪問看護ステーションの人員は、決して多くありません。
常勤3名程度の訪問看護ステーションが、仮に1日5件の訪問が可能であると考えると、1週間で訪問できる枠は75枠となります。
その人員配置でターミナルの利用者さんに1日1回訪問と加えて緊急訪問をすると、訪問枠が一人の利用者さんで10枠近くは埋まることになります。
これでは訪問枠が一気に埋まってしまい、新たな新規依頼があった時に受けることが出来ません。
理想は週2回訪問の利用者さんから少しずつ増やしていけたら良いと思います。
しかし、現実はそうはいきません。
チャンスをもらったのに新規依頼を断ってしまっては、次の新規依頼をいただくことは難しいでしょう。
その為、立ち上げ当初の訪問看護ステーションの多くは、新規依頼をもらったら全て受け、業務時間内の訪問枠が溢れてしまったら、残業して訪問するところも多いのが現実です。
立ち上げ時の資本を大きくし、新規依頼に応えられる人員配置ができると良いですね。
まとめ
今回は、訪問看護ステーションの利用者さんを増やす3つのポイントについて解説させていただきました。
- 安定して新規依頼をもらうサイクルを作る
- 訪問看護ステーションの状態に合わせて営業先を選定する
- 新規依頼は断らない
上記のポイントを押さえて行動することで、新規依頼をいただくことが増えてきます。
訪問看護ステーションは、急成長することはなかなか難しいと思います。
焦らずに一つ一つ丁寧に結果を出して、着実に地域に根付いてもらえたらとても嬉しいです。
訪問看護ステーションを開設して半年経ちましたが、訪問枠が全然埋まりません。
特指示などで一時的に訪問枠が埋まることはありますが、安定して訪問枠が埋まらないのが悩みです。