訪問看護で医師と連携を図るための3つのポイントを紹介します!

訪問看護では、利用者の状態を把握し、その情報を医師に正確かつタイムリーに伝えることが重要な役割です。

しかし、「医師にどう伝えればいい?」「電話するタイミングは?」「忙しそうで話しかけにくい…」と悩む訪問看護師も少なくありません。

適切な医師連携ができれば、利用者の安全が守られるだけでなく、医師との信頼関係が深まり、今後のケアがスムーズに進みます。

この記事では、訪問看護歴のある筆者が、医師と連携を図るために押さえるべき3つのポイントを徹底的に解説します。

初めて訪問看護に挑戦する方にも役立つ内容です。

 

訪問看護では医師連携がなぜ重要なのか?

訪問看護は、医師の指示書(訪問看護指示書)に基づきケアを行います。

そのため、医師との連携は業務の根幹といっても過言ではありません。

医師連携が重要な理由

・利用者の状態変化を医師に正確に届けるため
・必要な医療処置や薬の調整を依頼するため
・急変時の迅速な対応につながる
・医師の意向と訪問看護の方針を一致させるため

訪問看護は利用者の生活の場に入るため、病院以上に“生活に密着した情報”が手に入ります。

医師にとって訪問看護師からの情報は診療の質を高める重要な材料となるため、より正確で信頼される報告が求められます。

 

医師と連携を図るための3つのポイント

① 状況を簡潔かつ正確に伝える“報告スキル”を身につける

医師は多忙なため、報告は 短く・要点をまとめて 伝える必要があります。
だらだらと説明してしまうと、医師も状況を理解しづらくなり、必要な指示が得られなくなることもあります。

報告のポイント

  1. 結論から伝える(ファーストコールは特に重要)
    「〇〇さんの呼吸状態が悪化しています」
    「発熱が続いており、薬の調整が必要です」

  2. 客観的データを添える
    ・バイタル(BP・HR・SpO₂・体温)
    ・いつから症状が出ているか
    ・食事・水分摂取量
    ・排便や排尿の状況

  3. 普段と違う“変化点”を必ず伝える
    「会話量が減っている」
    「歩行がふらついている」
    など、小さな変化も医師にとって重要な判断材料です。

  4. 医師の負担を減らす“提案型”の報告が効果的
    報告例:
    「昨日から発熱が続いており、抗生剤の変更をご検討いただけますか?」
    「呼吸苦が増えているため、酸素の増量をご指示いただけると助かります」

医師からすると、ただ状況を説明されるよりも、合理的な提案があるほうが判断しやすくなり、信頼関係も深まります。

 

② 医師の診療スタイルを理解し、連絡タイミングを工夫する

医師連携がうまくいかない原因の一つに「連絡のタイミングが合っていない」ことがあります。
医師も訪問診療・外来・手術などで多忙なため、連絡する時間帯によっては電話がつながりにくいこともあります。

医師のタイムスケジュールを把握しておく

・午前中は外来でつかまりにくい
・訪問診療の合間が連絡しやすい
・夕方が比較的ゆとりがある
など、医師ごとに“つながりやすい時間帯”は異なります。

事前にクリニックや担当医師へ
「連絡がつながりやすい時間帯はありますか?」
と聞いておくことで、連絡がスムーズになります。

緊急時は遠慮なく連絡する

緊急時は時間帯に関係なく、迷わず即連絡 が基本です。
「忙しい時間にかけてもいいのかな…」と遠慮してしまうと、利用者の安全に関わります。

医師側も“緊急連絡には即対応する”体制が整っていることが多いので、安心して連携しましょう。

 

③ 普段からのコミュニケーションで信頼関係を築く

医師連携は「いざという時だけ」ではなく、普段からの関係づくりも非常に重要です。

訪問看護師と医師が良好な関係を築いていると、急変時や判断が難しい場面でもスムーズに連携できます。

信頼関係の築き方

・報告は正確&簡潔に
・不要な連絡は控える(過剰な報告は逆効果)
・指示を受けたら迅速に対応する
・困ったときは早めに相談する
・訪問診療に同行する機会があれば積極的に
・訪問診療医と方向性を揃える

また、医師側は“訪問看護師の観察力や判断力”を高く評価しています

継続的に丁寧な観察と報告を続けることで、「この看護師の判断は信頼できる」と感じてもらえ、関係が深まりやすくなります。

 

医師連携が苦手な訪問看護師が意識したいポイント

① 完璧な報告を目指さなくていい

大切なのは「早めに伝えること」。
情報が不足していても、早期の連絡が結果的に利用者の安全を守ります。

② 緊急時の連絡フローを事前に整理しておく

・誰に電話するか
・連絡がつかなければ次の連絡先はどこか
など、ステーションのルールを共有しておくと慌てずに行動できます。

③ 状況をメモしておく

いざ電話すると緊張して説明できなくなることがあります。
メモを残すことで落ち着いて報告できます。

 

医師と連携しやすい訪問看護ステーションの特徴

訪問看護はステーションごとに連携のやりやすさが大きく異なります。

医師連携がスムーズなステーションの特徴

・訪問診療クリニックと強く連携している
・定期カンファレンスがある
・管理者が医師と積極的に情報共有している
・報告のルール(テンプレート)が整っている
・医師が訪問看護に理解がある

転職を考えている場合、見学時に医師連携の状況を確認することで働きやすさが大きく変わります。

 

まとめ:医師連携は訪問看護の質を左右する重要スキル

訪問看護において医師連携は欠かせない要素です。

医師と連携を図るための3つのポイント

  1. 簡潔で正確な報告スキルを身につける

  2. 医師の診療スタイルと連絡タイミングを把握する

  3. 普段からのコミュニケーションで信頼関係を築く

これらを意識することで、医師連携がスムーズになり、利用者へのケアの質も大きく向上します。


医師との適切な連携は、自分自身の成長にもつながるため、訪問看護師として欠かせない重要なスキルです。

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