訪問看護指示書を書いてくれない!そんな時の対処法を訪問看護師が詳しく解説します

主治医の先生に訪問看護指示書の記載を依頼したのに、なかなか書いていただけないと困ります。

 

主治医に訪問看護指示書の記載を依頼して待っていても、なかなか完成の連絡がない、郵送が届かないためサービスが開始できない!

早急に訪問看護の介入が必要と考えられる利用者さんを前に、なかなか訪問看護指示書を書いていただけないと、とても焦りますよね。

このような経験は、訪問看護ステーションに従事する皆さんもあるのではないでしょうか。

今回は、主治医が訪問看護指示書を書いてくれない時の対処法を詳しく解説します。

訪問看護ステーションに従事する方だけでなく、今後訪問看護で働いてみたい看護師さんや事務員さんはぜひ参考にしてください。

 

 

訪問看護指示書とは?

訪問看護指示書とは、訪問看護ステーションに対し主治医が交付する書類です。

訪問看護指示書が交付されなければ、訪問看護を行うことはできません

また、訪問看護指示書には最長6ヶ月の有効期限があり、期限を超えての訪問はできません。

そのため、定期的に主治医から訪問看護指示書の交付を受ける必要があります。

訪問看護指示書の詳細は、以下の記事を参考にしていください。

 

訪問看護の利用の流れ

訪問看護の利用は、一般的に以下の流れで行うことが多いです。

 

  1. 利用者さん(または相談を受けたケアマネジャー)が訪問看護の利用について主治医に相談する
  2. 主治医が利用者さんの診察をして訪問看護の利用の必要性を判断する
  3. 利用する訪問看護ステーションを決定する
  4. 主治医に訪問看護指示書の記載を依頼する
  5. 利用する訪問看護ステーション宛に訪問看護指示書が交付される
  6. 訪問看護ステーションと利用者さんが利用契約を結ぶ
  7. 訪問看護のサービス提供を開始する

 

⑤の訪問看護指示書の交付を待たずに、訪問看護を提供することは厳禁です。

しかし、訪問看護指示書の記載を依頼しても、なかなか書いていただけない場合もあります。

では、訪問看護指示書を書いていただけない原因や対策はどのようなものがあるでしょうか。

 

訪問看護指示書を書いてくれない!ってどんなとき?

 

医師の合意が得られていない

訪問看護指示書を依頼しても記載していただけない時の原因の一つは、主治医の合意が得られていない場合です。

利用者さんやケアマネジャーから主治医へ、訪問看護の利用の希望について相談していただきます。

その際に、利用者さんが口頭で希望しても、訪問看護の利用について主治医にうまく伝わっていなかったということがあります。

また、主治医が訪問看護を必要ないと判断した場合も考えられます。

そのような場合には、訪問看護指示書の依頼をしても、「訪問看護の利用を希望するとは聞いていません。」「訪問看護の必要性がないので訪問看護指示書は記載できません。」と言われてしまうことがあります。

 

主治医が変更になった、または受診の間隔が空いている

主治医が変更になったばかりの場合にも、「患者さんの状態が十分に把握できていないので訪問看護指示書は書けません。」とお断りされることもありました。

また、家族が代理受診している、外来受診の間隔が長いなど主治医が直接患者さんの診察ができていない場合には、「現状がわからないので訪問看護指示書の記載は難しい。」と言われることもあります。

 

多忙すぎて記載する時間がない

訪問看護指示書を依頼しても記載いただけない場合に時々あるのが、主治医の先生が多忙すぎて記載する時間がなかったり、失念してしまっていることです。

訪問看護指示書の作成依頼についても医療機関によって対応が異なるため、主治医に依頼が伝わるまで時間がかかることもあります。

医療機関の窓口に訪問看護指示書の記載状況を確認しても、「お願いはしているのですが、まだ作成できていません。」との返答が続くこともあります。

 

訪問看護指示書を書いてくれない時の対処法

 

訪問看護指示書の依頼手順を守る

訪問看護指示書を書いてもらえない原因であったように、主治医の合意を得られていない場合には訪問看護指示書は交付されません

まずは訪問看護の利用について、主治医の合意を得る必要があります。

利用者さんが口頭で主治医に説明することが難しい場合には、訪問看護ステーションから主治医宛に訪問看護が必要な状況がわかるお手紙を作成し、持参していただくと良いでしょう。

そのほかには利用者さんの同意を得た上で、FAXなどで在宅での状況を主治医に共有することも可能です。

受診の間隔が空いている場合には、まずは受診していただき主治医の診察を受けていただきましょう。

訪問看護指示書の依頼の手順を守り、適切に作成依頼を行うことが重要です。

下記の記事では、訪問看護指示書の依頼方法について詳しく記載しています。

訪問看護指示書依頼書の原本をダウンロードして使うこともできますので、参考にしてください。

 

催促の連絡はタイミングに配慮する

訪問看護指示書の作成依頼をしていても、なかなか記載してもらえない場合には、作成状況の確認をする必要があります。

主に電話での連絡をしますが、連絡するべき部署やタイミングには十分配慮が必要です。

クリニックや診療所など、平日の午前中は来院患者さんが多くご迷惑になってしまう場合があります。

クリニックや診療所へご連絡する場合には、午前の診察時間の終わる頃か夕方の営業時間内で業務が落ち着いてきたタイミングを見計らって連絡すると良いでしょう。

また、大学病院や総合病院など比較的大きな医療機関では、地域連携室や医療相談室、医事課、文書課など受付窓口がそれぞれ異なります。

対応してくださる窓口を確認しておくとスムーズです。

 

 

まとめ

 

今回は、訪問看護指示書を書いてくれない場合の原因と対処法について解説しました。

訪問看護を提供するためには必須である訪問看護指示書が、スムーズに交付されるようしっかりと対策していきましょう。

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ABOUT US
石澤 明日香
埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションで5年半勤務。令和4年9月に訪問看護ステーションアスエイドを開設、代表取締役兼管理者を務める。そのほか重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ