訪問看護ステーションにおける理学療法士の学生(1年生)の見学実習の流れを紹介します!

 

PT松村

訪問看護ステーションで働く理学療法士の松村です。

理学療法士の学生が行う実習先は病院がほとんどです。病院の他にはクリニックやデイサービスでも実習を行うことがありますが、訪問看護ステーションでの実習はまだまだ少ない現状です。

 

私が学生の時は訪問看護ステーションで実習を行った同級生はいませんでした。

新卒で訪問看護に就職することがほとんどなかったこと、訪問看護では利用者さんのご自宅に訪問させて頂くことになるため、より礼儀作法など接遇面が重要になるため実習先として少なかったのだろうと自分が学生の時を振り返ってみて思います。

ところが近頃では訪問看護ステーションが実習先として選ばれるようになってきており、私が勤務している訪問看護ステーションでは実習生の受け入れをしています。

そこで今回は、私が勤務している訪問看護ステーションで実際に理学療法士の1年生の学生が1週間の見学実習を行った内容を紹介します。

 

この記事を読んで欲しい人
  • 訪問看護ステーションで理学療法士の学生の実習を受け入れたいけど、流れがわからない人
  • 訪問看護ステーションでこれから実習にいく学生
  • 訪問看護ステーションでの理学療法士の実習に興味がある人

 

訪問看護における理学療法士学生の見学実習の流れ

 

今回は、下記のような流れで紹介をしてきます。

 

見学実習の流れ
  1. 学校の先生と学生についての情報交換
  2. 学生と事前に電話連絡
  3. 学生同行のスケジュール調整
  4. 実習日当日

 

PT松村

では、を一つずつ詳しく紹介していきたいと思います。

 

①学校の先生と学生について情報交換を行います。

「どんな学生なのか?」「学校でどこまで座学や実技の授業がすすんでいるのか?」などの聞き取りを行います。

それを踏まえて実習の中で学生に行なってもらえそうなことを組み立てます。

最近ではコロナウイルスワクチンが接種済みかどうかの確認も行いました。(訪問先によって接種証明が必要な場合があるからです。老人ホームなどの施設)

 

②学生と事前に電話連絡

 

実習の1週間前には学生から挨拶の電話があり、そこで集合時間、持ち物、服装を伝えます。

さらに実習で行なってもらおうと考えている内容を伝えます。

それと予習してきてほしい内容も伝え、実習に向けた準備を整えてもらいます。

 

③学生同行のスケジュール調整

事前に学生に同行してもらうスケジュールを調整しておく必要があります。

実習時間内に帰宅してもらうために定時で終了できるように心掛けてスケジュールを組みました。

そのためには日替わりでスタッフに同行してもらう必要がありました。

何人かのスタッフに同行してそれぞれ違った利用者さんとの関わり方や視点を学んでほしいという狙いもありました。

スタッフ一人一人に帰所時間確認し担当利用者様へ学生と同行可能かを前週の訪問の際に確認してもらうようにしました。

 

④実習日当日

 

初日は訪問前にオリエンテーションを行いました。

はじめての実習ということもあり学生さんは緊張していることが多いので、緊張をほぐすため雑談を交えながら同行の際の注意点をお伝えしました。

せっかく実習に来てもらったのですから少しでも楽しんで、何か気づきや学びを持って帰ってほしいのでリラックスして実え習に臨んでほしいことをお伝えしました。

それから出席簿やデイリーノートの書き方など学校から指定されたことを共有してもらいました。

それと訪問看護は病院と違い利用者さんのお宅にお邪魔させて頂くため礼儀作法も一通りお伝えしました。

 

礼儀作法の例
  • 元気よく挨拶する(これは病院、訪問関係ないですねw)
  • 玄関で靴を脱いだら綺麗に揃える
  • 出して頂いたスリッパは履く(帰る時も忘れず玄関で脱ぐ)
  • 自宅にあるものを動かしたりする場合は触れる前に確認をとる
  • お茶やお菓子など出して頂いた場合は基本的には断らず頂く(どうしても食べられないものなどは声をかけてと伝えました)

 

リハビリ中の学生への対応としては、学生の現在の学習ペースに合わせて内容は工夫しました。

今回の場合は授業では実技は血圧測定まで実施、座学は解剖学、運動学、生理学は途中まですすんでいるとのことでした。

利用者さんに了承を得た上で学生に血圧測定、体温測定、Sp02測定をして頂きました。

リハビリ中はほとんど見学してもらいましたがその中で解剖学、運動学、生理学の内容を交えながら評価方法や治療の目的を説明しました。

学習の進捗状況を考えながら学生がイメージしやすいように伝え方も工夫が必要でした。(まだ1年生で学び始めの時期だったため専門用語を使い過ぎても理解しきれないと思い自分が1年生だった頃を思い出しながらなるべく専門用語は使い過ぎずに伝えるようにしました)

はじめての実習で利用者さんと対面するのもはじめてだったため、まずはバイタル測定を通して利用者様とコミュニケーションをとってもらいました。(学校では先生を利用者さんに見立てて実技をしたそうです)

 

訪問後、当訪問看護ステーションは車移動のため次の訪問先の移動時間でフィードバックや雑談などを行い、学生とのコミュニケーションを深められるようにしました。

その日の訪問が終了し事務所に戻ってからは一日の振り返りを行い、改善点などを共有し翌日の実習で行動や家に帰ってから調べてくる内容を共有しました。

翌日には学生が前日分のデイリーノートを書いてきてくれるので確認を行います。

デイリーノートには前日の訪問で学生が疑問に思ったことや気付き、それに対する質問が書かれているためフィードバックを行い、文章の添削なども行います。

 

PT松村

私が担当させて頂いた学生は見学実習だったため症例発表はありませんでしたが、評価実習や臨床実習になると症例発表があり、それに向けた内容が加わってきます。

見学実習は学生がはじめて実習を行うことがほとんどのため、まずは理学療法士はじめセラピストが働いている現場はどういうものなのかを感じてもらい、学生自身がこれから就こうとしている仕事をよりイメージしてもらえるように実習中は関わるように努力しました。

 

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ABOUT US
松村 佑貴理学療法士/ライター
理学療法士/総合病院で4年間勤務後、訪問看護ステーションに転職し現在勤務4年目/2年間エリアリーダーとして活動後、現在は仕事と育児の両立のため常勤スタッフとして勤務。/趣味は読書。Instagramで読んだ本の紹介してます!