次世代訪問看護師紹介vol.48|椎名美貴さん

ビジケア広報・町田
「次世代訪問看護師」は、訪問看護の現場で実際に働いている人たちの働き方や想いを紹介するコーナーです。

今回は、訪問看護師7年目、地域の中での働き方を追究しつづけている椎名美貴さんをご紹介します!

 

お名前

椎名さん
椎名美貴です。

よろしくお願いします!

 

働いている地域はどちらですか?

椎名さん
神奈川県の藤沢市・鎌倉市で働いています。

 

働いている職場(事業所)を教えてください

椎名さん
ぐるんとびー訪問看護ステーションで働いています。

 

現在の仕事以前の職歴や経歴を教えてください

椎名さん
NYでマッサージ、現地ガイドのサポートなどの仕事をしていました。

看護師としては、総合病院ICU・病棟、介護施設、障害児学童保育などで働いていました。

 

町田
マッサージに現地ガイド!看護師以外にも色々な経験をされてきたんですね・・・!

どちらも一見医療と関係はないですが、外国語が話せたりマッサージ経験があることは在宅分野で活きそうですね!

 

現職(訪問看護師)歴は?

椎名さん
訪問看護師としては、7年目になりますね。

現職のぐるんとびーでは今年から働き始めました。

 

訪問看護に興味を持ったきっかけは?

椎名さん
元々介護の仕事をしていたこともあり、「いずれは在宅医療をしたい」と思って看護師になりました。

最初に訪問看護師として働く前には、在宅ホスピスに興味があったので訪問診療で働くことも考えて、実際にそれぞれの理事長の方にお話を聴きに行きました。

「訪問診療か?訪問看護か?」と当時は悩みましたが、訪問看護がいいなぁと思って働き始めて今に至ります。

 

訪問看護を始める前に感じていた、訪問看護のイメージは?

椎名さん
生まれと育ちが地方の田舎だったので、戸建てのお家へ行って、家族と一緒にケアに関わる温かいイメージを持っていました。

 

実際に始めてみて変わった・感じる訪問看護の世界

椎名さん
集合住宅や独居の方、老夫婦への訪問が意外に多く、多職種との連携の複雑さやそれぞれの職域の想いの行き違いなどもあると感じました。

 

町田
独居の方、多いですよね。私も職場が都内だからかもしれませんが、訪問先で団地・マンションにお住まいの方が多いなぁと感じます。

職域での考え方の違いもあり、個々での考え方の違いもあり・・・多職種でそれぞれ違う場所で働く中で、利用者さん・ご家族の想いも汲みとりながら意見・想い・方向性を合わせるのって難しいですよね・・・。

 

椎名さん
そうですね・・・。

あと働いてみての発見ですが、車の置き場所がないことに結構苦労します・・・!

 

町田
車・・・!確かに駐車場があるお宅ばかりじゃないですよね。

私は自転車訪問なのでその問題はないですが、車訪問だとそういう面で大変そうだなと思います。

 

訪問看護でやりがいや喜びを感じること・嬉しかったエピソードはありますか?

椎名さん
医療と福祉・家族との”翻訳家”のように双方の間に入り、想いのすれ違いや専門用語を分かり易く伝えることなどのサポートに入り、お互いの想いが合致して方向性を統一できた瞬間が嬉しいですね。

医療ではなく生活の中で「どう生きるのか?」を本人と家族のこれまでの歴史や尊厳を大切にしながら、ケアを組み立てていくプロセスにやりがいを感じています。

 

町田
“翻訳家”!私も働いていて、看護師って翻訳家とか代弁者とか”橋渡しの役割”を大きく担ってる存在だなぁと思うことが多々あります。

さっきのNYで現地サポートをしてた経験ともつながってくる感じがしますね。椎名さんは人と人の間にいて、適切に人や情報やサービスをつないでいくことが向いている方なのかなと思いました。

なんだかかっこいい・・・!

 

椎名さん
あとは、制度の枠組みを理解しながら、国の方針として私たちがサービスをどのように構築していくのか?をマーケティングすることや、

制度の枠組みを超えて、地域の中に在る多業種(建築屋さん、OA機器、自動車屋さん、法律の専門家、飲食店さん、葬儀社さんなどなど)と協力できることも楽しいですね。

また、看取りに関わる中で「迷ったけど、自宅に戻ってきて最期まで自分たちで看取ることが出来て、幸せな時間だった。本人もきっと世話になった、満足だったって言っていると思う」とご家族から言われたときは嬉しかったです。看護師がメインで「看取ってくれてありがとう(看取ってもらった)」というのではなく、ご家族がメインで「自分たちで看取ることができた」と思える最期を支えられたと思いました。

「無力だなぁ」と思う一方で、家族のチカラを信じて関われたと思えた瞬間ですね。

 

町田
椎名さん、すごく広く俯瞰した視野で在宅医療・訪問看護の全体像も見ながら、「ひとり」「ひとつ」の個人や家族のことも丁寧に見つめていますよね。

すごい・・・。無力どころか、すごく素敵な関わりをされているんだなと思いました。

椎名さんのひとつひとつの言葉と行動から、“熱さ”と“あたたかさ”をひしひしと感じます。

 

働く中で、大変だった・苦労した場面やエピソードを教えてください

椎名さん
以前、パーキンソン病のリバスパッチを「これを貼るとコリが取れる」と言ってシップのように使っている方がいて、「確かに筋緊張の緩和作用があるけど・・・」とは思いつつ、斬新な発想だとビックリしました!

 

町田
ええーーー!それは斬新ですね(笑)

貼ってたらコリが取れて作用を発見したのかな・・・。

 

椎名さん
あと、ウロバックを水道洗浄で風呂場に干して再利用してる方がいて、それもビックリでしたね・・・。

 

町田
えええーーー!それまた斬新というかなんというか・・・。

衛生面の懸念はありますが、在宅だと経済的な問題もあるでしょうし、その方なりの必要な工夫なんでしょうね・・・。

 

これから先、どんな訪問看護師になっていきたいですか?

椎名さん
「プレイヤーとして極めていくのか?管理者・経営として極めていくのか?」と、今後の方向性に迷っています。

看護師として特定看護師の資格も持っていますが今のところ実践に至らず、うまく活用ができないかと模索しています。

あとは、過疎地域で遠隔診療と協力しながらの訪問看護のモデルなんかも作ってみたいですし、心の問題にも興味があって認定心理師・コーチングも学んでいます。でも「学んでどうするか?」がまだ見えてこなくて、模索している最中ですね。

いろいろな考え方や想いを持つ人が集まり働く人の自己実現や活躍の場を創ることと、地域社会で「生き切る」の“ほどよい幸福”を支える訪問看護だけにとらわれない事業を創ることをしていきたいと思っています。

 

町田
悩んで迷って、模索しながら勉強して行動してて・・・そんな椎名さんの言葉の奥にある深い理念や思いやりを感じてすごく感動しました・・・。

いつか椎名さんの軌跡の一つひとつの“点”が“線”や“円”になってつながって、大きなカタチになっていくんだろうなぁと思いました。

椎名さん、ありがとうございました!

 

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ABOUT US
町田 舞広報
ビジケア広報・ウェブ担当。 看護師/フリーランス。看護メディア(マイナビ看護師、ナース専科、月刊ナーシング等)で執筆・編集経験多数。在宅医療研究会レポート担当。システムエンジニアだった経験を活かしウェブ・SNS・ITの力でヒト・モノ・コトの橋渡しを軸に活動。ITとリアルの融合で人がつながり支え合う地域包括社会を目指す。訪問看護師・ウェブライター・看護師オンラインサロン運営・看護師のメンタル・キャリアカウンセリングなど、複業を並行しながら働くパラレルキャリア。