やる気のメカニズムを学び有効な人事管理に役立てよう(前編)

みなさんはどのようにスタッフにやる気を出してもらっていますか?

今回は、毎日忙しい訪問の中でも頑張ってくれているスタッフのみなさんに、さらに積極的に生き生きと取り組んでもらえるよう、“やる気のメカニズム”について学んで、みなさんのお仕事に役立ててください!

 

やる気のメカニズム

“やる気”のメカニズムを考えてみましょう。

やる気がある状態というのは、“積極的・主体的に動いている状態”のことを言います。

なぜ私たちは動くのでしょうか?

Ns山口
その「なぜ」のメカニズムを有効に作動させる方法がわかれば、“やる気”を生み出すことができます!

まずはやる気に関わる動機付けというものについて考えていきましょう。

やる気の動機付けには「内発的動機付け」と「外発的動機付け」という2種類があります。

 

Ns上妻
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内発的動機付けと外発的動機付け

内発的動機付けとは?

内発的動機付けは、物事に対する内面から起こった興味や関心によって行動を起こし達成感や満足感を得たいという状態のことです。

金銭や名誉など、外から影響される外的報酬に基づかないものを指します。

例えばこのような状態がこれにあたります。

 

  • 鉄道が好きだからそれを学ぶために熱中する
  • 昆虫が好きだから昆虫図鑑を読む
  • 本を読むことが好きで時間を忘れて熱中してしまう

 

など、損得勘定なく、おもしろいから学んでいる、探求心や興味が自然なやる気を生み出し、突き進んでいる状況です。

 

 

例えば、新たなものを生み出す創造的な仕事、粘り強い挑戦が求められる仕事では、すぐに表立った成果が出ないことも珍しくありませんが、「それをしているだけで楽しい」「好奇心が満たされる」といったものが自分の中にあると、すぐには成果に結びつかなくとも、高いモチベーションを保ちながら仕事に取組み続けることができるのです。

企業においては、社員の内発的動機付けが高ければ高いほど職務満足感(=従業員満足度)が高くなり、自社で長く活躍してくれる人材を育成できます。

 

 

外発的動機付けとは?

外発的動機付けとは、行動そのものから得られる楽しみではなく、行動によって得られる外部からの評価や報酬、また罰などが要因となって行動を起こす動機付けです。

活動そのものを楽しむこと以外にやる気の真の理由や目的があります。

例えばこのような状態がこれにあたります。

 

  • ボーナスの査定のために業績をあげる
  • 〇〇さんに良く思われたいから仕事する
  • テストでいい点数を取ってゲームを買ってもらう

 

組織では経済的なインセンティブを与えることでやる気を出させることは一般的ですよね。

給与が上がるなどポジティブな要因だけでなく、逆に〇〇しないと叱られたり罰を受ける、などの恐れの気持ちも外発的動機付けとなります。

 

 

Ns山口

では、ここで質問です。

組織内のマネジメントにおいて活用する際には、内発的動機付けと外発的動機付けどちらが有効だと思われますか?

 

内発的動機付けがモチベーションを高める

みなさんの予想通り、内発的動機付けによってモチベーションを高めることで、従業員満足度が高くなるといわれています。

内発的動機付けを促すことで、自主性や積極性の高く、やる気のあるスタッフが多くなり、自己達成感も得られやすくなります。

さらには、そこから発展して個人だけではなく組織の成長や活性化にもつながるのです。

 

 

しかし、実際に導入しやすいのは外発的動機付けなのです。

実は、人にやりがいを感じてもらうことよりも、褒美や罰で行動を促すほうが比較的簡単なためです。

外発的動機付けを利用することはいけないことではありませんが、それのみでのやる気の継続へ難しいものですよね。

 

3人の看護師は何を求めて転職を?

多くの人は、生活の糧を得るために働き、その対価として給与をもらっています。

お金はとても重要。

しかし、人はお金のためにだけ働くのでしょうか?

ここで、転職をした3人の看護師を例に挙げてみます。

彼らは何を重視して動いたのでしょうか?

次の3人は、よく似た境遇にある看護師でしたが、考えている転職先はそれぞれ異なっていました。

 

Aさん……ゆっくり利用者さんと向き合う看護のため、「訪問看護ステーション」へ転職。
Bさん……より高い目標とインセンティブ性を求めて「コンサルティング会社」へ転職。
Cさん……年収は下がってしまうけれど、ゆっくりと家庭との両立がはかれる「地元のアットホームなクリニック」へ転職。

 

3人とも総合病院の急性期領域で5年間働いており、日々忙しく、それなりに充実していましたが、同時にこの働き方は自分にとってよいのかな、とも考えており、自分の大切なものを優先して転職することになりました。

Aさん
毎日忙しく本当は患者さんともっと話をして、もっと丁寧な看護を提供したいと考えていました。時々患者さんとゆっくり話せる機会があった時に、「あなたが担当でよかった、手術のあとの辛いときにそばにいてくれてありがとう」と言われました。
その言葉がとても嬉しくて、看護師としてゆっくりと患者さんと接してみたい、自分の担当の方にたくさん寄り添いたい、という気持ちが強くなり、訪問看護へ転職を考えました。
Bさん
自分は病院での仕事での物足りなさを感じ始めており、現場の看護師として働くよりも、医療業界全体や、さらには他の業界をみてみたいと考えるようになっていました。
そんなとき、大学の先輩からコンサルティング会社へ誘われました。
これまでとは違う新しい世界で活躍したい、目標をさらに高く持ち、これまでにない給与をもらう自分を想像してモチベーションがアップして転職することになりました。
Cさん
結婚前は病棟でチームリーダーを務め、勉強会や研修にもよく参加していましたが、結婚・出産を機に、仕事と家庭との両立の難しさを感じていました。

看護師の仕事は好きだけれど、病院は残業や夜勤もあるため、もう少し余裕のある働き方をして、育児に時間をかけたいと思っていました。
子供に何かあれば遠慮なく休んでいいよと言ってくれる、馴染みの地元のクリニックに非常勤として転職しました。

転職理由はそれぞれ「何を重視して働くのか」はひとりひとり異なっていますよね。

個人ごとに重視する内容が異なるのは、「価値観」が人によって異なるからです。

個人の価値観は、生まれつきの気質と、子供時代からのしつけや教育、どんな友人やクラスメイトと過ごすか、部活の先輩後輩関係、専門学校やアルバイト、就職してからは職場の雰囲気や企業の風土などの要素が交わって少しずつ変化してきたものです。

最初は大きな夢やビジョンを描いて入職していても、現場の実際の忙しさや管理や体制によって、自分の気持ち通りには働けなくなってくる、とにかく毎日の業務をこなす日常が続いてしまうということもよくあることではないでしょうか。

そのような気持ちになってしまった時に、他の職場に自分の新たなやる気、真の人生の目標が整う環境を求めて転職を考えるのです。

また逆を言えば、現在の職場に自分の価値観に合うもの、やる気を感じられる環境があれば、人はそのために気持ちよく働き続けることができるのです。

そのため、内発的動機付けをうまく活用して従業員満足度を高めることは、離職の抑制にも繋がります。

 

ここまではやる気やモチベーションが内発的動機付けや外発的動機付けやそれぞれの価値観に関係していることについてお話してきました。

 

Ns山口
後編ではひとりひとりが達成感をもって働ける職場づくりのヒントや訪問看護ステーションでの応用についてご説明していきます。

ぜひ後半も読んでください!

 

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ABOUT US
山口 ゆき
看護師・介護初任者研修講師・心理カウンセラー・ファイナンシャルプランナー/ブログ「カンゴとカイゴにサチアレ」運営/救急医療・ICU等にて8年勤務後、留学先のオーストラリアで在宅医療に関わる。帰国後訪問看護にて管理者として勤務。現在看護師として現場で働く傍ら、法人のブログ執筆やイベント企画・コンサルティングも行う。/愛知県在住