みなさんはどのようにスタッフ・部下のみなさんにやる気を持って働いてもらうようにしていますか?
前編では、人間は本当にやりたいことや、自分の価値観に合ったことができていると、自発的・積極的に行動することができる、また従業員満足度が向上する、ということをご説明しました。
では、やる気を持って長くスタッフに働いてもらうために、経営者・管理職は何ができるでしょうか?
日々忙しい中でも、部下のモチベーションに目を向けることはとても重要な事です。

前編はこちらです!
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目次
内因的動機付けを意図的に起こす3つの要素
前編では、やる気には“内因的動機付け”が重要だとお話してきました。
達成感を引き出して内発的動機付けを意図的に起こすには以下の3つの要素があります。
- 自律性
- 有能感
- 関係性
これを満たすことで、仕事の成果が上がり,働く人の満足度が大きくなります。
訪問看護に当てはめてこの3つの要素をご説明していきます。
自律性
自律性とは自分の意思でどのように行動するかを決められることです。
また、仕事の始まりから最後まで担当することができ、さまざまなスキルや能力を必要とする仕事は責任感を生み、強い自律性をもたらします。
つまり、自分で決められた時間を担当し、専門知識を持って自分で判断する必要のある訪問看護の仕事内容は、まさに自律性を高めるのに最適なのです!
管理としては、なるべくスタッフに任せる、ということが大切になってきます。
自己選択が不得意なスタッフには、プレッシャーに押しつぶされないよう、今ある自主性を認めつつ、必要に応じてサポートやアドバイスを行っていきます。
有能感
有能感とは、個人が会社で役に立っている、自分に能力があるということを本人が認識している状態の事です。
仕事の社会的意義や意味がはっきりしていると、自分が役に立っているという気持ちを感じることができますので、在宅療養のお手伝いをさせていただく訪問看護はこの役に立っている、という気持ちを強く感じることができます。
管理としては、成果が実感できる仕事を与えることが必要となります。
個々の能力に合わせて達成感を味わえるような、やや高い目標を設定させることで成功体験を味わってもらうことができます。
例えばこれまで持ったことのないような重症症例や、小児の症例を徐々に増やしていき、問題なく訪問に回れるようになることで、自分の成長を実感することができてきます。
これは自尊心を育み、その後もさらに成長やできるように自ら努力したり、スキルアップの為に行動しようとする原動力となります。
個人の力を見極め、リスク管理を行いながら信頼のもと、可能な限り任せていきましょう。
関係性
関係性とは、他者とのつながりや、組織内での関係を構築することです。
人には誰かと繋がりたい欲求があり、これを満たすことによって、この人間関係が内発的動機付けのひとつとなります。
管理側の関わりとしては、日常的に上司と部下の関係性を育んだり、他のスタッフとの関係性が高まるようなサポートをすることが必要です。
時折管理者と同行訪問し、車内でコミュニケーションを取ったり、他職種との症例検討を行い、気持ちよく発言できる場を設けるなど、セッティングいていくこともよいでしょう。
個人プレーの能力も高めつつ、関係性を養っていくことにより、バランスの良い組織へとなっていきます。
この3つの要素が、やる気を引き出すもととなります。
訪問看護ステーション運営に応用するには?

ここからは、以上をもとに訪問看護ステーション運営における人事管理の中でパフォーマンスを向上させるためのポイントを説明していきます。
①価値観を理解して承認やフィードバックを行う
スタッフの内発的動機付けを高めるため、経営者・管理者がスタッフ個々の性格、価値観を理解することが大切です。
- Aさんは利用者さんに喜んでもらえることを喜びと感じている。
- Bさんは専門的な知識をつけることを楽しんでいる。
- Cさんは時間内にきっちり業務をこなして定時で帰ることを大切にしている。
例えばこのように、スタッフの性格や傾向、価値観をまず理解しましょう。
それをふまえたうえで、部下の動機付けにつながる表現で、普段の仕事に対する承認やフィードバックを行うという方法があります。
それぞれのワークライフバランスについても考慮しながら、仕事に対して継続的に前向きに取り組むために、部下に合わせた表現で一緒に仕事の現状を分析し、今何ができていて何ができていないのか、フィードバックを行いましょう。
重きを置く部分は人それぞれでいいのです。
それぞれが何を求めているかで、今後どのような方向性で育てていくかを早期から見極めておくことができます。
この役割が経営者・管理者に代わってできるスタッフが生まれてくることも視野に入れ行動していきましょう。
②適切な目標を設定する
次に、内発的動機付けを引き出す目標を適切に設定するという方法があります。
例えば、空き時間にスタッフに営業に行ってもらうとします。
ノルマのように目標件数を決めてしまうと、「やらされている感」が出て、外発的動機付けとなってしまうので、スタッフの自主性を重視しスタッフ自らが目標を設定する流れを作ることが重要です。
まず、営業が人間関係をスムーズにするために役立つこと、自然の流れの中で行うことなのだということを、管理者等の上司自身がサポートして難しいことではないと直に見せていきましょう。
最初は同行から、慣れてきたタイミングを見極め、一人で行ってもらったり、時間が許せば複数人での行動でもよいでしょう。
自ら目標を設定し、実際に営業先から依頼が来て実績に繋がるうちに、徐々に内発的動機付けができ、やる気に繋がってきますので、ここまで丁寧にサポートしていきます。
もちろん訪問看護の件数についても同様です。
部下の目標が適切な数値になるように設定し、簡単に達成できる件数ではなく、やりがいをもって達成できる程度の目標件数を月で何件などと数字で設定しておきます。
③成長段階に合わせて自律的な行動を促進する
目標を適切に設定したあとは、成長段階に合わせて自律的な行動を促進していきます。
内発的動機付けによって部下に行動を起こさせただけでは、マネジメントとしては不十分です。
部下が始めた行動を持続させるためには、必要に応じてサポートをして結果が出せるように導くことが必要です。
行動計画の進捗を定期的に確認して、進捗状況が悪い場合には、なぜできていないのか理由を確認しなぜ行動が結果に繋がらないのか原因を一緒に探った上で、計画の改善策や行動の改善点について具体的なアドバイスを行いましょう。
人からルールを強制されてしまっては、内発的動機付けで始めたはずの行動が外発的動機付けにすり替わってしまうため、部下の成長段階に合うように、自分で考えられるように誘導します。
④内発的動機付けと外発的動機付けをバランス良く活用
これまで内発的動機付けの大切さをお話してきましたが、実は行動を起こす心理的なエネルギーを上げる内発的動機付けと、人の外側にある欲しいという気持ちを満たす外発的動機付けは相互関係にあります。
そのため内発的動機付けと外発的動機付けがバランスよく、同時に満たされる場合もやる気の向上に繋がります。
ワークライフバランスはそれぞれの価値観に合わせた働き方を重要視していると、訪問件数に偏りが出てしまうこともありますので、他者との比較で不満を生まないためにも、目標達成に何らかのインセンティブが発生することは時に必要です。
日々同じことを繰り返しているときや、淡々とこなせるようになってしまっているときは、部下に目がいかなくなってしまうため要注意です。
部下たちが何を考えているか常に目を配っていられる余裕をもつことも必要だといえます。
2つの動機付けをバランスよく活用すると人間の行動を活性化させ、内面から湧き出るやる気を育てることで、職場環境を良くし、活気のある生き生きとした職場になっていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
部下が定着してやりがいを持って働いてくれることは、事業所運営の安定に繋がり、経営者・管理者のみなさんの日々の大変さを緩和させることにも繋がります。
これをヒントに少しずつマネジメントを深めていただきたいです。
好奇心や探求心を喚起して、「もっと自分の力を試したいんです!」や「今度の立ち上げに参加させてください!」などの言葉が聞かれるようになると嬉しいですね!
そして、その気持ちを尊重して、経営者・管理者が部下の挑戦を応援するために動いていけると、いいサイクルができてくると思います。

























後編では実際にどのように訪問看護ステーションの人事管理面で応用できるのかお話していきます。
みなさんの事業所にお役立ていただけると嬉しいです。